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昨年からブームを巻き起こしているブラクリ釣りは、ライトなスピニングタックルにブラクリ仕掛を結ぶだけでOKというシンプルなレイアウトが魅力。ブラクリはオモリの直下にハリがセットされた特徴あるデザインで、他の仕掛では攻略できない堤防の隙間や障害物周り、消波ブロックの穴を探ることを得意とする。ルアー釣りに近い感覚で手軽に楽しめ、堤防の人気ターゲットであるメバルやカサゴ、アイナメといった根魚を手にすることができる。
仕掛メーカーのハヤブサは、ブラクリ『直撃』シリーズをリリースしており、そのラインナップが非常に充実している。そこで今回は、開発スタッフがおすすめする直撃ブラクリ6アイテムにスポットを当て、それぞれの特長や使い方を紹介しよう。
垂直の釣りから発展した最新ブラクリ
話をうかがったのは開発に携わった商品開発課の田中氏。
「これまでブラクリ仕掛といえば、そろばん型と呼ばれる下膨れの菱形オモリが一般的でしたが、直撃シリーズにおいては個性的な出で立ちのブラクリをラインナップしています。垂直に探っていくオーソドックスなブラクリから、キャストして広範囲を探ったり、スイミングアクションで誘うものまで、その使い方はいろいろです。いずれも起伏に富んだフィールドでハードに使うことを想定して強い塗装を施してありますから、障害物に多少当たった程度では剥げません。ぜひこれから紹介するブラクリを使って堤防の隅々まで探ってみてください。他の釣り人が攻めあぐねる場所にブラクリを送り込めれば、きっと穂先を根魚たちが揺らしてくれるはずです」
『直撃 目玉ブラクリ 赤』
オーソドックスなフォルムに大きな目玉を搭載
オーソドックスな菱形オモリにハイアピールの目玉をセットしたブラクリ。スムーズに沈下するので小さな穴にも容易に送り込め、発色のよいオモリの朱赤が仕掛の存在感を強調する。大きな目玉が陰に潜む根魚の食い気を強烈に刺激するのでビギナーでも釣果率は高い。ハリにはエサがズレにくい丸セイゴケン付の11号と13号を採用。オモリは2~10号と幅広く、浅場から水深のある堤防までカバーする。
いわゆる堤防や消波ブロックの隙間を縦に探っていく穴釣りに特化したブラクリです。見慣れた形状ですが目玉のアピール力は絶大。テンポよく穴や隙間を探っていけば手堅く釣果を上げられると思います。ご自身のタックルやフィールドに合わせてオモリ号数を選んでください。
『直撃 インチク型ブラクリ ブラチク パールホワイト』
縦と横の釣りを追求してたどり着いたインチク形状
縦の釣りに加え、キャストして広範囲をサーチできるブラクリ。ハリスの自由度が高く、穴の中でオモリを上下させるとエサが踊って周囲の魚にアピールする。キャストした場合もリフト&フォールを織り交ぜながら手前に探ってくるとエサ踊りがよい。ハリはチヌひねりなしの2号と3号の2サイズで、オモリはハイアピールのパールホワイトカラーで、2~10号の6種類。
キャストしても安定感ある使い心地を追求しながらオモリをデザインしていった結果、最終的に伝統漁具のインチク形状にたどり着きました。ハリにチヌ鈎(はり)を採用しているので、根魚の他にも口の小さなベラ類や小ダイなども掛けることができます。五目釣りも楽しいものですよ。
『直撃 インチク型ブラクリ ブラチク 大鈎仕様』
大きめのハリにたっぷりエサを付けて広範囲にアピール
先に紹介したブラチクのハリをエアロ丸セイゴの13~15号に切り替えた大鈎仕様のブラクリ。縦と横の釣りに対応する。チャートイエローとショッキングピンクのアピールカラー、そしてハリスに通した金色ビーズの輝きが魚の喰い気を刺激する。オモリは2~10号の7号柄。
ハリが大きいので大型の根魚やマダイが食ってきた時に起こりがちなスッポ抜けを大幅に軽減できます。また、たっぷりエサ付けできるので、広い範囲から魚を寄せられる点が大きな魅力です。イソメ類を房掛にしたりボリュームのある魚の切り身をセットしたりと、より魚の就餌(しゅうじ)欲を刺激してチャンスを増やせます。価値あるポン級のアイナメも不安なく取り込むことができるので、大物実績のあるフィールドで頼りになるはずです。
『直撃 穴撃ちブラクリ ドロップストライク』
特殊な丸型形状オモリを転がして隙間の奥まで探る
特殊丸型形状のオモリと大きなハリが特長のブラクリ。オモリが丸いので隙間の中で転がりやすく、穴の奥まで送り込むことができる。穴釣りや際釣りに威力を発揮する。甲殻類を模したカニオレンジとエビピンクの2カラーと大きな目玉、そしてオモリとハリの間にセットした反射ビーズのキラめきが魚の食い気に訴える。オモリが前後に動くチョイ遊動が誘いを入れた際にカチカチ音を生み、さらに食い込みをアシストする。オモリは2~8号の6タイプ。ハリは上黒で、サイズは4号と6号。
シンカーとフックの間にビーズを挟んだテキサスリグにイメージが近いブラクリです。もはや見た目はルアーですが、大きなハリにセットするのはワームでもエサでも構いません。竿先を細かく揺するとオモリとビーズが当たってカチカチと音が出ます。これが好奇心旺盛な根魚に格好のアピールになりますよ。また、ワームをハリ先を隠すようにセットすればキャストして底を探ることもできます。自由な発想で使ってほしいブラクリです。
『直撃 ルアー系ブラクリ メタルリグ ジグタイプ』
エサがなくてもヒットするほどに高いアピール性能
メタルジグの性能を持つ万能ブラクリ。穴釣りから際釣り、キャスティングの釣りまで難なくこなす。虫エサや魚の切り身、エビ類の他にワームを使ってもよく、ブライトンやホログラムがキラめいて魚に強烈にアピールするのでエサなしでも魚がヒットする。チョイ遊動が喰い込みをアシストする。オモリのカラーはアカキンとピンキンシルバーで、3~5号の3種類。ハリは丸セイゴ13~15号の3サイズ。
メタルジグの形状を取り入れたので、テンションフリーで落とし込むとキラめきながらユラユラと舞うようにフォールします。キャストからのリフト&フォールや、時にはスイミングも効果的です。そんなメタルジグのように使う釣りが成立するポテンシャルを備えながら、テンションを掛ければ足元を探る縦の釣りもこなしますし、まさにこれぞ万能ブラクリです。
『直撃 ルアー系ブラクリ メタルリグ スイムタイプ』
潮受けのよさを利用してエグレの奥に滑り込ませる技も
スプーンに近い形状を採用したスイムタイプの万能ブラクリ。穴釣りや際釣り、キャスティングの釣りに対応する。リーリングするとオモリが抵抗を受けてスウィングアクションし、ハリにセットしたエサも艶めかしく泳いで広範囲にアピールする。ジグタイプ同様に各種のエサとワームを使うが、キラめくブライトンやホログラムが魚の食い気を刺激するのでエサなしでも釣果が得られる。オモリのカラーはレッドで、ウェイトは2~6号の3種類。ハリは丸セイゴ12~15号の3サイズ。
リールを巻くとオモリが泳いでアクションするので、エサを付けなくても根魚がヒットします。ジグタイプ同様にブラクリだけで釣りが成立する実力を備えています。さらにエサやワームをハリにセットするのですから、食いが渋い場面や魚気が薄いフィールドで使うと効果てきめんです。まさにエサ釣りとルアー釣りの美味しいところを融合したブラクリといえます。ブラクリではありますが非常に潮受けがよいので、釣り方を工夫すれば通常は入れられない横穴やエグレ、オーバーハングなども攻略できます。
以前のブラクリ釣りといえば堤防際やテトラの穴を探っていくものだったが、現在はキャストしたり泳がせたり、横穴に滑り込ませたりと、さまざまなアプローチが可能になっている。ぜひ気になる直撃ブラクリを入手して、最新のブラクリ釣りを楽しんでいただきたい。
ブラクリ釣りの秘訣は竿抜けポイントを探すこと
最後に田中さんがブラクリ釣りの秘訣を教えてくれた。
「ブラクリ釣りで好釣果を上げるためには、第一に釣り場に合ったオモリの号数を選ぶことが大切です。軽すぎたり重すぎたりしないように。当日の堤防のロケーションや水深、潮の流れなどを踏まえて、自分がコントロールできる号数の中から、できる限り軽いものを選ぶことがポイントです。そして、竿抜けしているポイントにエサやワームを送り込むことが肝心です。誰でも探れるような穴や堤防の継ぎ目を漠然と探っていくのではなく、さらにブラクリが転がり落ちていく場所はないか探ったり、波の力を利用して横の隙間に送り込んでみてください。普通の釣り方では届かなかった先にエサやワームを届けることができれば、きっと根魚たちが明確なアタリを送ってくれることでしょう。ブラクリ釣りは堤防で楽しめる最も手軽な釣りです。ぜひ自由な発想でブラクリの釣りを楽しんでください」