手持ちタックルが即戦力!目指せ!マルチアングラー No.7 初夏の海辺でお土産フィッシング
ライトゲームタックルでチョイ投げはいかが!?

メバリングやアジングなどマヅメ時やナイトゲーム主体のライトなソルトルアーフィッシング。でも、たまの休日、せっかく遠出したのなら夕マヅメ前や朝マヅメ後の明るい時間帯も何か釣らないともったいない! 本命以外のお土産がほしい! というアングラーにおすすめなのが「チョイ投げ」だ。ルアーロッドに軽めのテンビン仕掛、ハリには虫エサを刺し、その名のとおり「チョイ」っと投げればブルブルと穂先を震わせてキスにベラ。家族でグループでカップルで気楽にできちゃうお手軽フィッシングはいかが?

ポイントとターゲット
砂底ねらってキスにベラがキュンキュン!

たとえばアジングやメバリングのポイントの近所に砂底のエリアがないだろうか? もし、そうだとしたら儲けもの! アジやメバルが期待できない時間帯に、チョイ投げ仕掛を投げてみよう。浅い砂浜でも朝夕は問題なし。防波堤や護岸で水深があり海底が砂なら日中でも釣れる可能性あり。近畿圏でいうと大阪湾奥のように埋立地や工場地帯のど真ん中だと厳しいことが多いが、大阪府なら泉佐野以南の泉南方面、兵庫県なら須磨海岸より西、もちろん淡路島に日本海側も。福井県や京都府、和歌山県、徳島県だとほぼ全域で釣りが成立するはず。

沿岸部の水温が上昇する梅雨時期から初夏、北日本以外の各地の海岸でターゲットのキスやベラが元気になる。キスとはシロギスのこと。ベラはキュウセンだ。ともに初夏から釣りシーズンに入る魚たちで元気いっぱい。キュンキュンと小気味よい引き味で釣り人を楽しませてくれる。キスなら混じりっけのない砂底がベスト。ベラの場合は多少砂利や石が混じっている海底が好ポイントになる。

「砂浜は朝夕……」というのは、水深がないため日が高くなるにつれキスは沖の深いところに移動してしまい、せいぜい20~30mまでが射程のライトなチョイ投げ仕掛の守備範囲外。防波堤や護岸なら足下から水深があるため日中でも期待できるのだ。

砂浜
砂浜はキス釣りの好ポイント。100m以上もキャストする本格的な投げ釣りなら真っ昼間でもOKだが、チョイ投げの場合は朝夕がよい
防波堤
護岸や防波堤なら、そこそこ日が高くなってもチョイ投げOK。ベラなら真っ昼間でも大丈夫

タックルと仕掛
リーダーの先にライトショットシリーズの仕掛を結ぶだけ

ロッド
アジングやメバリングタックなら、ロッドからリール、ライン、リーダーまで、そのままで大丈夫。タックルバランスに合わせたオモリを選べば問題なし

メバリングやアジングのスピニングタックルならロッドもリールもラインもリーダーもそのまま使える。リーダーの先にライトなチョイ投げ用テンビン、2本バリほどの短い仕掛を結ぶだけ。キスをねらうならライトショットシリーズ『かんたん投げ釣りセット 立つ天秤 2本鈎』、ポケットスタイルシリーズ『海小物セット』などがベストマッチ。すべてオモリ付きで簡単にチョイ投げOK。オモリの大きさでいうと10号ぐらいまで、ハリはキスバリ6~7号でよいだろう。

もし海底に石が多くベラをメインにねらうなら根掛かりが少なくてすむ先オモリ式のライトショットシリーズ『胴突キャスティングセット おみやげ五目』が威力を発揮する。

ライトショット
ライトショット
かんたんセット
ポケットスタイル
ポケットスタイル
ハヤブサからはチョイ投げ仕掛が多数発売されてる。テンビンオモリから仕掛までのフルセットなので、リーダーに結べばすぐに釣りができる

エサ
イシゴカイかアオイソメが500円分もあれば大丈夫

使用するエサはイソゴカイかアオイソメ。ワンパック500円分もあれば充分。短時間なら2、3人で釣りをしても大丈夫だ。ハリには短めに刺すのが鉄則で1匹丸ごと長いまま刺すと投げる時に切れてしまったりキスやベラに先の方だけを食い逃げされてしまう。頭をカットして通し刺しにしたらハリ先を少し出す。タラシは1cmほどでよい。

暑い時期なのでエサは小出しにして使用。すぐ使わない分はクーラーに入れておく。とにかく直射日光を避けること。エサが弱ってしまうと魚の食いも悪くなる。もし木製のエサ箱を持っているのならプラスチックの容器から移し替えておくと内部の温度が上がりにくくエサが長持ちする。

エサ
エサはイシゴカイかアオイソメ。ハリには通し刺しにしハリ先を出して短くカット
虫エサ
虫エサは木製のエサ箱に移しておけば長持ち。使用しない分はクーラーに入れておこう

釣り方
キスは引き釣り!ベラは仕掛を動かさずに!

仕掛をセットしハリにエサを刺したら海に向かって軽く投げる。注意点としてはジグヘッドリグを投げる時のようにクイックリーに振り抜かないこと。サオ先からのタラシを長めにし、ふんわり投げる。オモリの軌道が山なりになるのが理想だ。ライナーで海面に着水させるとエサが切れてしまったり仕掛がオモリに絡む原因になる。またオモリ着水の直前、リールのスプールに軽く人差し指を当ててラインの出にブレーキを掛けてやるとオモリの前方に仕掛が真っ直ぐ伸びるので絡みが少なくてすむ。オモリが海底に到達した直後も、すかさずリールを2、3回巻いて仕掛を伸ばしてやれば、いっそう絡みが少ない。

チョイ投げ
タラシを長めにとり、ふんわり山なりになげるのがチョイ投げの鉄則。ルアーのようにクイックリーに投げると仕掛絡みの原因になる

砂底でキスが本命の場合は、ロッドを横に構え、ゆっくりリールを巻いて仕掛を海底で引き続ける。ロッドでゆっくり引いては、その分のラインを巻き取りながらロッドを戻し、またロッドで引く方法でもOKだ。仕掛を引くスピードは人間がゆっくり歩く程度が目安だが、エサ取りのフグなどが多い場合は、多少速めに引くほうがフグが掛からずエサも取られにくい。

早朝の砂浜なら波打ち際から数mの距離でキスのアタリが出ることもある。日が高くなったら砂浜でも防波堤、護岸でもできるだけ沖に投げる。仕掛を引いてみて重く感じるところが、いわゆる「カケアガリ」で海底の斜面だ。キスには最高のポイントなのでカケアガリを見つけたら重点的に探れば釣果がアップする。

石が多い海底でベラを狙う場合は、投げ込んだ仕掛をあまり動かさないこと。キスのように引いてしまうと根掛かりばかり。しかしアタリがない場合は時折、サオであおって仕掛を浮かせてからリールを数回巻き移動させてやること。キスもベラもアタリがなければ適時、仕掛を回収しエサを点検。エサが弱っていたりかじられていたら元気なものに付け替えて投げ返そう。

アタリはサオ先で取る。キスもベラもブルブルとサオ先を震わせてくれるのですぐに分かる。砂底で仕掛を引いているときは、しばらくそのまま引き続け2本のハリにキス2尾、3本バリならキス3尾のパーフェクトを目指そう。ベラ狙いの場合は、すかさず軽くアワセを入れてから仕掛を回収し魚を取り込むべし!

釣りシーン
夜釣りの場合は置きザオもありだが、日中はロッドを横にしてリールを巻くかサオで引いて海底の仕掛を動かし続けるのがキスを効率よく釣るコツだ
釣果
キスにベラと賑やかな釣果。小ダイはもちろん河口部周辺で秋口ならハゼも釣れるし小チヌも期待できる。さて、どうやって食べよう? 楽しみ~!

これで初夏の魚、キスとベラを釣ったも同然!? もちろん相手は自然のことだから、魚たちがご機嫌斜めで全然釣れないこともゼロではないが、ライトゲーム+チョイ投げで休日を大いに満喫できること請け合い。キスは天ぷらに唐揚げ、塩焼き。大きいものは刺身でどうぞ! ベラは内臓、ウロコを落とし素揚げにしてからタマネギなど野菜と一緒に三杯酢で南蛮漬け。これ最高!