立春を過ぎ、暦の上ではいよいよ春。実際の春はもう少し先だが、季節は少しずつではあるが着実に春へと向かっている。
そんな季節の移ろいと共に、海の中も少しずつ水温が上昇すれば、春らしい釣り物が増えてくる。多くの日本人が春という言葉から“桜”を連想するように、我々釣り人は春といえば桜色の“マダイ”を連想する人も少なくないだろう。
マダイは、とくにこれからの季節は“桜鯛”とも呼ばれるほどで、その淡いピンク色が鮮やかな美しいボディはまさに桜の花びらそのものである。
さて、そんなマダイは、北は北海道から南は奄美群島と沖縄諸島以外の全国各地の海に生息している。これだけ広く分布していると、狭い島国の日本であっても、釣り方は各地で大きく異るのが日本の釣り文化のおもしろいところ。今回ご紹介するのは、そんなご当地釣法のひとつともいえる「マダイサビキ釣り」専用仕掛「無双真鯛 鱗真鯛サビキ」である。
バケと鈎のダブルケイムラアピールが効く!
マダイサビキは、主に瀬戸内海で行われている釣法で、釣り方はいたって簡単。
真鯛サビキの下部に付けたオモリが海底に着いたら、ゆっくりと一定の速度で10mほどリールを巻いてくるだけ。シャクるなどの誘いは一切必要ない。アタリがあってもそのまま巻き続けるというものだ。
したがって、釣果で他の釣り人に差を付けるための要素があるとすれば、ひとつは「仕掛」だ(もうひとつは仕掛を巻き上げる速度だが、ここでは本題と逸れるため割愛させていただく)。
そこでこの「無双真鯛 鱗真鯛サビキ」の出番。特長は大きくふたつ。
最大の特長はバケのサバ皮と鈎にケイムラ処理を施していること。
ケイムラ処理が施されたものは、紫外線を受けると青白く発光する。身近なものでいえば、バーやクラブなどで見かけるブラックライトと同じ原理である。紫外線は、可視光線の中で最も波長が短い紫よりもさらに波長が短いため、水の中では可視光線よりも深いところまで届くと言われている(海の色が深くなるにつれて青が濃くなるのは、青い光=波長の短い光ほど深くまで到達するため)。つまり、可視光線が届きにくい水深の深い場所や、朝夕のマヅメ時、そして曇天時など、光の少ない状況でもしっかりとマダイにアピールしてくれるのだ。
「無双真鯛 鱗真鯛サビキ」は、そのケイムラ処理を施した「鱗ケイムラサバ皮」と「ケイムラフック」を採用。
鱗ケイムラサバ皮は多くの魚が常食するシラスを忠実に再現し、皮の表面には鱗模様をプリント。加えて、そのなめらかな動きはより一層の生命感を演出する。それが海中で妖しく光るわけなので、アピール度は抜群だ。
鈎には、きらめき真鯛の「ケイムラフック」を使用。その名の通り、鈎の表面に紫外線に反応して青白く発光する特殊加工を施している。
つまり、バケとハリの双方にケイムラ処理が施されるという、まさに究極ともいえる仕上がりとなっているのである。
仕掛の全長は5本鈎の8mと7本鈎の11mを用意。短い8mでも使用する竿の全長の2倍以上あるので、8mは仕掛さばきに慣れていない初心者におすすめ。
11mは、仕掛の扱いに慣れたベテランや、タナをより広くさぐりたいときなどに。
このマダイサビキでヒットするマダイはそれほど大きくないので、ハリスは3号を基準に、より大型の可能性がある状況では3.5号、ちょっと食いが渋いな…と思ったときは2.5号といったように使いわけてみてもいいだろう。
まさに今シーズンを迎えている瀬戸内海のサビキマダイ。仕掛の全長が長いため他の釣り人とのオマツリや手前マツリが多いので、仕掛の予備は多めに準備していくことをおすすめする。
本格的な春の訪れの前に、「無双真鯛 鱗真鯛サビキ」と共にひと足早く海のお花見に出かけてみてはいかがだろう。