スルメという名のオリジナル
スルメイカという名前を聞いてもその姿にピンとこない人も多いかもしれませんが、スルメを食べたことが無い人は少ないのではないでしょうか?
現在ではイカを加工して干物になっている状態のものを「するめ」と呼びますが、昔は原料となるスルメイカ自体をただ「するめ」と呼んでいたのだとか。その語源はどうやら墨を吐きながら群れるという意味から「スミムレ」となり、それが段々とスルメになったそうです。
スルメイカの名前と季節
夏が旬であるスルメイカは夏イカとも呼ばれ、他にも様々な地方名があります。マツイカ、サルイカ、真イカ、シマメイカと様々で、イカをよく知らない人はかなり混乱しますよね。ちなみに筆者お気に入りのスルメイカの呼び名が「ムギイカ」。初夏に水揚げされるまだ20cm前後のイカのことをムギイカと呼び、麦が実る季節にちなんだ名前なんだそうです。
釣り物には季節にちなんだ名前が多く、その変化を肌で感じることが出来るのも釣りの魅力だと感じます。
日本で食べられるイカの半分がスルメイカ?
古くから日本では魚介類の中でも、特にイカが好まれ食べられてきました。そして現在消費されるイカの半数が実はスルメイカなんだとか。スルメイカの最大消費国・最大輸出国も日本ということで、どれだけ私たち日本人がスルメイカが大好きなのかが伺えますね。ちなみにその最大の輸出先はアメリカで、その理由としてはお寿司の人気が関係しているそうです。
釣りと漁
スルメイカも、若干使う道具に違いはあるものの、今回紹介しているケンサキイカ同様に鉛スッテやプラヅノなどを使って釣ることが出来ます。
現在スルメイカはTAC(漁獲可能量)魚種というものに指定されて、水産資源として管理がされています。集魚灯を点けてイカをおびき寄せ、そこに疑似餌を投入するという、釣りと漁の方法が非常に似ていますね。昔は天然の漁場も多く存在し、漁り火(今でいう集魚灯の役割を実際の炎が担っていた)を点ければイカの方から勝手に押し寄せてくることもあったそうです。
どの魚も、昔に比べると減った、獲れなくなったと聞くことが多いですね。今はまだ特別減少しているわけではなさそうですが、いつまでもスルメイカを美味しく食べらることを願うばかりです。
最も馴染み深い食材でもあるイカ
スルメイカがこれだけ日本人に愛され、多く食べられている理由のひとつが非常に安値なこと。
刺身やお寿司以外に、煮物・焼き物・揚げ物と調理方法も選ばないのも魅力ですね。さて、これらの料理はみなさん食べたことはあるでしょうということで、今回は釣り人ならスルメイカに限らず試してほしい食べ方を紹介したいと思います。
イカの沖漬け
毎度のことながら、新鮮なイカやお魚を手に入れられるのが釣り人の特権です。そこで一度は挑戦したいのがイカの「沖漬け」。
予め漬けるためのタレを仕込んで持って行き、釣れたイカをすぐに生きたままタッパーや瓶にタレと一緒に漬け込むというもの。酒1、しょうゆ1、みりん1の割合が一般的で、ここからお好みで味を変えてみましょう。そのまま冷蔵庫で1~2日寝かせれば完成です。そのまま冷凍保存も効くので、たくさん釣れても安心ですね。