船釣りのはじめ方 【ヒラメ】高級魚を仕留める!
豪快ファイトがたまらない!!伊勢湾「泳がせ釣り」

日頃、堤防そのほかのオカッパリをメインに釣りをするなかで、「沖に出ればもっと大物が…、もっとたくさん釣れるのになぁ」なんて思ったことはありませんか? 釣り人として「もっと釣りたい」欲が生まれるのは必然です。とはいえ、船に乗るには道具や釣り方、そもそも船の乗り方さえも分からず、少々ハードルが高いのも事実。そんなモヤモヤを抱えつつ次のステップアップを夢見るアングラーに向けて、経験豊富なHEATライター陣が優しく指南してくれる当「船釣りのはじめ方」企画。
第16回目の今回は、HAZEKINGさんが伊勢湾における「泳がせ釣り」について、一連の流れを実釣に基づいてについて解説してくれます。

02_ ヒラメ釣果

生きた小魚をエサに、大海原で大物をねらう「泳がせ釣り」。釣れる魚はどれも高級魚で、しかも豪快なファイトが魅力です。なかでも、秋から冬にかけて本格化するのがヒラメ釣り。とくにこの時期に釣れるものは「寒ビラメ」とも呼ばれ、肉厚に肥えた身は絶品ですよ。

ヒラメの「泳がせ釣り」とはどんな釣りか?

03_ 釣りシーン

海底に身を伏せるように生息する「ヒラメ」は、典型的な待ち伏せ型の捕食者です。砂地に溶け込むように潜み、潮に乗って流れてくる小魚を一瞬で吸い込む。その捕食本能を最大限に利用する釣法が「泳がせ釣り」です。

泳がせ釣りでは、ルアーではなく生きた小魚をエサとして使用します。おもにアジイワシ、ハゼなどを弱らせないよう丁寧に扱い、海中へ送り込みます。自然な動きで泳がせることで、ヒラメに違和感なく口を使わせることができるといった具合です。

04_ エサのベイト
伊勢湾ではイワシがエサの主流。そのほかにアジ、ハゼなどが使用されます

釣り場は砂地や砂泥底が中心で、水深はおおむね10~60m前後。船釣りでは、潮通しのよいフラットなエリアを流しながら広く探っていくスタイルが一般的です。シーズンは地域差こそありますが、秋から冬にかけてが最盛期。水温が下がることでベイトがまとまりやすくなり、大型のヒラメをねらえる条件が整います。

ヒラメは成長すると「座布団級」と呼ばれるサイズにまで達し、その引きはまさに強烈な重量感です。派手に走る魚ではありませんが、底から引き剥がす瞬間の重みや、巻き上げ途中に伝わる首振りは、泳がせ釣りならではの魅力といえるでしょう。

手ぶらでOK!?
まずは釣りの準備から

05_ 遊漁船

船釣りは装備が大がかりな印象を持たれがちですが、ヒラメの泳がせ釣りは比較的気軽に始めることができます

遊漁船の予約時にまとめて依頼

遊漁船を予約する際にレンタルタックルを依頼すれば、ロッド・リール・竿掛けなどの基本装備を一式借りられる船宿も多くあります。もし自前でそろえるなら、リールは電動、もしくは中型の両軸がよいでしょう。
ロッドは7:3調子前後の専用竿が扱いやすく、初心者の方にも向いています。個人的な使用感ではありますが、ヒラメに違和感なくエサを捕食させるためには、感度を優先する「先調子」よりも、柔らかい「胴調子」のものの方が釣果を伸ばしやすいように感じます。

06_ タックル
釣りが初めての方は、操作がかんたんな手巻きリールがおすすめです

船のルールを確認して消耗品を準備

仕掛やオモリといった消耗品については、事前に船宿のルールを必ず確認しておきましょう。
オモリの号数は船指定が基本で、一般的には60~80号が使用されますが、水深や潮流によっては100号指定となる場合もあります。また、仕掛の全長は1.5~2m程度が標準で、長過ぎると扱いづらく、短過ぎるとエサの動きが不自然になります。

07_ ヒラメ 固定式トリプル 2本鈎2セット(ハヤブサ)
ヒラメ 固定式トリプル 2本鈎2セット(ハヤブサ)

出船前のステップ

08_ 仕掛を乗船後にセット
出船前にはタックルや仕掛をセットしておきましょう

当日は集合時間までに船宿へ到着し、受付を済ませます。料金の支払い、ライフジャケットの着用、レンタル品の受け取りが完了したら乗船となります。
釣り座は先着順、もしくは船宿側で割り振られる場合があります。初心者の方は船長の目が届きやすい位置を案内されることも多く、安心して釣りを始められます。

そして、出船前にはタックルを組み、仕掛をセットしておきましょう。エサとなる小魚は生簀や生かし桶に入れられているため、投入直前まで丁寧に扱うことが重要です。
ちなみに、エサに関する「泳がせ釣り」特有の注意点として、エサを弱らせないことが挙げられます。素手で頻繁に触らず、必要以上に暴れさせないことが釣果に直結します。

09_ ザル
プラスチック製のザルがあると、使用するエサ(小魚)をかんたんに捕まえることができます

釣り方の手順

それでは実際のエサの付け方から釣り方までを解説しましょう。

ハリに生きエサをセットする

エサ付けは「背掛け」、もしくは「腹掛け」が基本です。
背掛けは泳ぎが安定し、底付近を自然に漂わせやすくなります。腹掛けはエサが弱りやすくなりますが、下から捕食されるのでアシストフックが掛かりやすくフッキングを決めやすいセット方法です。

10_ エサ
親バリを上アゴ、孫バリを肛門に刺した腹掛け

いざ!仕掛を投入

合図があったら、仕掛を静かに投入します。サミングしながら仕掛を海底まで落としたら、着底したあと速やかに糸フケを取り、オモリが底を軽く叩く状態を確認します。そこから1mほど巻き上げてレンジをキープ。ヒラメは底に定位する魚のため、仕掛を浮かせ過ぎないことが重要です。
フラットな砂地では3分、起伏の激しい岩礁帯では30秒を目安に底を取り直して根掛かりさせないようにしましょう。

11_ 釣りシーン2

魚が掛かったら…
慎重にアワセを入れて巻き上げよう

ヒラメは一度でエサを飲み込むことが少なく、前アタリのあとに本アタリが出ます。竿先が大きく引き込まれるまで待ち、重みを確認してから落ち着いてアワセを入れます。巻き上げは一定の速度を意識し、慌てず丁寧にやり取りしながら行ってください。

12_ ヒラメ

ヒラメねらいの「泳がせ釣り」で知っておきたいこと

13_ タモ入れ

釣行中は、仕掛の投入や回収時に周囲との距離を確認し、オマツリを防ぐことが大切です。万が一絡んだ場合は無理に引かず、船長や同船者に声を掛けて対応します。
また、ヒット後は魚を暴れさせないことが重要です。水面付近での突っ込みはバラシの原因になりやすいため、タモ入れは船長の指示も含め、周囲の釣り人と協力して行いましょう。

そしてヒラメが釣れたら、できるだけ早めに脳締め血抜きを行い、クーラーボックスで適切に冷やしましょう。上手く処置することで、最高の状態で持ち帰ることができますよ。

14_ クーラーボックス35L
クーラーボックスは35L以上の大型がおすすめ

ヒラメの「泳がせ釣り」は、静かでありながらひじょうに濃密な釣りです。エサが海底を泳ぎ、やがて訪れる一度きりのアタリに集中する時間は、釣り人の感覚を研ぎ澄ませてくれます。道具任せでは結果が出にくく、エサの状態や潮の変化、底の感触を感じ取りながら1枚を仕留める必要があります。その一連の過程こそがこの釣りの奥深さであり、最大の魅力です。

15_ ヒラメ2

初めての方でも船長や同船者のサポートを受けながら挑戦でき、1枚のヒラメを手にしたときの達成感は格別! ぜひ実際の現場で、泳がせ釣りならではの緊張感と、魚と真正面から向き合う時間を体験してみてください。

レポーターREPORTER

HAZEKING
プロフィール:HAZEKING
東海エリアを中心に活動する釣りユーチューバー HAZEKINGです。エリアトラウト、ハゼ釣り、海釣り、ロックフィッシュなど釣りジャンルは全部! 今も自身の新ジャンルを開拓しています。初めて魚を釣ったときの感動をみなさんと共有するためSNSをスタートし、HEATでは1人でも多くの方に釣りの魅力を伝え、「よし、明日釣りに行こう!」と思ってもらえるような記事を執筆したいと思います。
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