河川や湖沼、海などで多くの人が楽しむ釣り。いつでも楽しめると思いがちですが、実は釣りに行ってはいけない日があるのを知っていますか? 天気が悪い日はもちろんですが、それ以外にも釣りを避けた方がよいといわれている時期が存在します。
そこで今回は、釣りを趣味にするなら知っておきたい「釣りに行ってはいけない日・行くべきではない日」を詳しくチェックしていきましょう。
安全を第一に考えて!天気予報もしっかりチェック

まず気象条件として、荒天となる日は釣りを中止するのが適切です。釣果よりも、身の安全を第一に考えることが大切。たとえ釣りに慣れた人でも、強風にあおられて落水したり、増水した川に流されるなど、思わぬ事故につながる危険性もあります。もし釣り当日に注意報や警報が出ていなかったとしても、強風や高波、雷などの予報が出ていないか、天気予報をしっかりとチェックしてください。
また、釣行予定日の直前に地震があった際は、中止にするのが無難。大きな地震が起きると、そのあとに余震が続くことも多いため注意が必要です。とくに海釣りの場合は、津波や潮位変動が起きると大変危険なため、海に近付くことはやめましょう。
大雨のあとの海釣りは避けるのが無難

海釣りの場合は、大雨のあとは釣果が期待できないため避けた方がよさそうです。原因は大量の雨によって、河川から淡水が海に流れ込むことで起こる「水潮」。水潮は強い濁りを発生させたり、塩分濃度が下がることで魚の活性が下がるなど、釣りに悪影響を及ぼすようです。そのため、1日中豪雨だったり、数日雨が降り続いたあとは、数日空けてから釣りをするのがおすすめ。

さらに、月や太陽の引力によって生じる潮の満ち引きについても、しっかり押さえておくのがポイントです。とくに潮位の変化が一番少ない「長潮」や長潮の翌日である「若潮」は、釣果が出にくい日といわれています。
潮の動きがほとんどないことで、エサであるプランクトンや小魚があらゆる方向に漂ってしまうそう。魚にとって捕食しづらい状況となるため、活性が低下してしまうことになるそうです。釣りの計画を立てる際は、海面水位がどの程度変化しているのかを確認できる「潮見表」も合わせて確認しておきましょう。
仏教の影響だけじゃない?危険も多いお盆の海

気象条件以外で、以前から「釣りに行ってはいけない」と伝えられているのが「お盆」です。仏教の教えではお盆には先祖の魂が帰ってくるといわれており、お盆の間は殺生してはいけない期間。そのため、魚を釣るという行為自体が仏教の教えに反するとして、釣りに行ってはいけないといわれています。

お盆に釣りを避ける理由については、ほかにもいくつかの説が…。
たとえば、お盆の時期は「クラゲが多い」「大潮にあたる」といった理由で、海に行くのを避けた方がよいとする意見がよく聞かれます。また「台風が発生しやすい」時期であり、一見穏やかに見える海でも、遠くで発生している台風の影響を受けて「離岸流が起きやすい」状況になっている危険性があります。
このような現実的な内容以外にも、「海辺の霊に足を引っ張られる」という迷信もよく挙げられます。「水辺には霊が集まりやすい」ともいわれるため、お盆の時期に海へ行くことに、よくないイメージを持つ人も多いのかもしれません。
お正月の三が日に釣りをするのは縁起が悪い?

お盆と同じく、殺生を理由に「お正月の三が日」も釣りには行かない方がいいとされています。そもそもお正月の三が日には、縁起が悪い1年とならないために避けるべきとされるいくつかの行為が。そのなかに、お正月から殺生をするものではないという考え方があるため、釣りについても避けるべきとされているようです。
また、刃物を使うことも三が日にやってはいけないことの1つ。刃物を使う行為は、縁を切ることにつながるとされ、さらに1年間ケガなく過ごせることを願って、包丁を使った料理はしないものとされてきました。もし魚を釣った場合には、魚をさばく際に刃物を使うことになるため、やはり釣りはやめた方がよさそう…というわけです。
釣り好きならいつでも釣りに出掛けたいと思うところですが、避けた方がよさそうな日はグッとこらえて、条件のそろった最高の日に釣りに行くのが安心かもしれませんね。天候などの条件だけでなく、気持ちもスッキリと釣りに向き合える日を見つけて、釣りを楽しみましょう。