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世の中にはまだまだ知らない釣りがある?
新しい、そしてオモシロい釣りを探求している僕、オモシロウくん(以下Oくん)が、日々仕掛開発にいそしみ、さまざまな釣りに触れている仕掛の開発担当からユニークな釣り方を聞き出し、釣り好きのみんなにお届けする当「オモシロ釣り商会」。開発担当者だからこそ知っている情報を、あの手この手(?)で、つぶさに聞き出してみるよ!

そんな第4回の今回は、開発課の有田さんから「エレベーター仕掛でねらうブラックバス」の釣り方を教えてもらったヨ。まだまだ知らない、オモシロい釣りはあるもんだね~。
「エレベーター仕掛でねらうブラックバス」ってどんな釣り?

一般的にブラックバスを釣ろうと思えば、ルアーでねらう「バス釣り(バスフィッシング)」スタイルだと思うんだけど…。そして、“エレベーター”仕掛って…? アメリカンなスポーツフィッシングからかけ離れたワードに、何だかぜんぜんイメージできない僕(Oくん)。そのあたり、初歩の初歩から教えてほしいな、有田さん!
有田さん:
「そうだね(笑)。バス釣りといえばハードプラグやワームといったルアー(擬似餌)を巧みに操って、ブラックバスとの駆け引きを楽しむスポーツフィッシングがメジャーなスタイル。それ以外の釣り方はあまり見かけないよね。そんななかで、今回紹介する『エレベーター仕掛』っていうのは、かんたんに言えばエサ釣りなんだ」
Oくん:
「あっ、エサ釣りだったんだね。てっきりバス釣りのテクニックの一つかと…」

有田さん:
「しかもエサ釣りとは言っても、エビや虫エサ、魚の切り身などを使ったエサ釣りではなく、生きた小魚をエサに釣る、いわゆる『泳がせ釣り』の一つなんだよ」
Oくん:
「泳がせ釣り???」
有田さん:
「そう、泳がせ釣りっていうのは、『フィッシュイーター』と呼ばれる魚食性の魚をターゲットに、彼らが好む小魚をエサとして、その名の通り“泳がせ”て仕掛に食らい付かせる釣り方。ブラックバスももちろんフィッシュイーターなので、小魚をエサに釣れるんだ。しかも、ほっとくだけで結構いいサイズが釣れるから面白いんだよ!
そしてついでに言うと、エサとなる小魚はサビキ仕掛で比較的かんたんに釣れるし、泳がせ釣りならブラックバスだけじゃなく、ナマズやライギョといった大物も釣れるから楽しいんだ」


出典(写真左):写真AC
どんなトコロで釣る?

これまたかんたんそうに、“大物”という夢のある釣り方を教えてくれた有田さん。僕みたいな初心者(素人)でも釣れるのかな…? 釣り場はモチロン淡水なんだと思うけど、具体的にどんな所で釣れるのかな? 引き続き、有田さんご指南を!
有田さん:
「ブラックバスを主体にねらうので、もちろん釣り場は池や川、湖といった場所だね。バス釣りでは季節ごとにねらうポイントがさまざまで、細かい話をするとキリがないんだけど、ざっくりと言えば、小魚が集まるポイントがベスト! 流れ込みやカケアガリといった付近をまずはチェックしてみるとイイよ」

Oくん:
「バス釣りのシーズナルパターンなんかは、あまり気にしなくてもイイの?」
有田さん:
「うん。本格的にバスをねらおうと思えば、ポイントはとっても大事なんだけど…。何よりエサとなる小魚の確保が一番大事。そして、小魚を確保できれば、あとはエサとなる小魚が勝手に泳いでアピールしてくれるので、その意味で、あまりポイントにシビアになり過ぎなくてもイイかな」
Oくん:
「ナルホド! 小魚がいる場所が釣りのポイントってことだね」
タックルやエサはこんな感じ

エサとなる小魚を釣って、釣ったエサを泳がせる…。ということは、タックルはもしかして2つ必要? 有田さん、タックルや仕掛はどんなものを用意したらいいの?
有田さん:
「心配ご無用。手軽に釣りたいので、タックルは1つで大丈夫だよ。エサもターゲット(ブラックバス)も同じタックルで釣るよ。
ロッドはバス用のものであれば、大物が掛かることも想定してやや強めのものがイイね(M・MH以上推奨)。もしくは、エギングロッドなんかもオススメだよ。そして、エサとなる魚を自由に泳がせたいので、スピニングリールの2500~3000番程度がオススメだね。ドラグ調整がやりやすいリアドラグタイプのリールなんかがあると、とっても釣りやすいよ」
Oくん:
「スピニングタックル1本で勝負できるんだね。あと仕掛は?」
有田さん:
「まず、エサを釣るための仕掛なんだけど、エサとなる小魚はブルーギルやニゴイなどの小型サイズ(幼魚)をねらうよ。だいたい10~15cmくらいのサイズがねらい目。なので、アジなんかを釣るサビキ仕掛を用意しよう。小アジバリの0.5~3号くらいがイイかな」

有田さん:
「そしてメインの『エレベーター仕掛』を準備。通常の泳がせ釣り仕掛はエサの小魚を仕掛に掛けて、仕掛ごとポイントに投げ込むんだけど、エレベーター仕掛は、初めに道糸に結んだオモリだけを投げ込んでおいて、あとから仕掛(ハリスとハリ)に掛けた小魚を道糸に沿わせ滑らせながら投入するというもの。スルスル~っと優しく投入できるのと、小魚を広い範囲で泳がせることができるのが特徴だね」

Oくん:
「分かるような分からないような……。まっ、取り敢えずあと必要なものは?」
有田さん:
「あとは、確保した小魚を生かしておく『水汲みバケツ』、竿を立てかけておく『三脚(ロッドスタンド)』ってとこだね」
気になる釣り方は?

まずはエサを釣って、小魚をエサにブラックバスをねらう…。道具立てと釣り方のイメージはなんとなく湧いてきたけど、実際のステップを整理して教えてほしいな~。釣りのコツなんかも知りたいし。
有田さん:
「そうだね。ちょっと釣りのステップを一度整理してみようか」
【釣り方のステップ】
- (1)まず、サビキ仕掛でエサとなる小魚(ブルーギルなど)を釣る
- (2)エサが釣れたら、水汲みバケツに入れて生かしておく(できれば余裕を持って複数尾)
- (3)仕掛をエレベーター仕掛に付け替えて、オモリをセットしたら、ねらうポイントに投げ込む
- (4)ハリスのハリに小魚を掛け、投げ込んである道糸にスナップを引っ掛けて投入する
- (5)エサの小魚が泳ぎながらオモリのあるポイントに泳いでいく
- (6)三脚(ロッドスタンド)に竿を立てかけ、リールのドラグをゆるゆるに緩めてアタリを待つ
- (7)竿先が引き込まれるようなアタリが出たら、竿を立ててアワセを入れ、巻き上げる
Oくん:
「ナルホド~! エサとなる小魚をエレベーターのように道糸を滑らせて落としていくから“エレベーター仕掛(釣法)”なんだね!」

有田さん:
「そう、やり方が分かればカンタンそうでしょ。実際、エサを投入すればあとは待つだけなので、その間は横でルアーを投げていてもいいし、ノンビリ腰かけてくつろいでもいいから楽だよ」
有田さん:
「あとコツとしては、ブラックバスが(小魚をねらって)居そうな水通しのよいポイントや、障害物(ストラクチャー)付近をねらうことだね。ただし、小魚は自由に泳ぎ回るので根掛かりには要注意。
そして、アタリがあっても慌てずに、しっかりと食い込んでから大きくアワセを入れること(竿を持ち上げて大きくフッキング)だね!」
Oくん:
「ラインが激しく走れば合図ってことか~! ドキドキする釣りだね~」


何よりその魅力は…
のんびりスタイルなのに、大物が釣れるトコロ!!

ブラックバスをルアーでねらう(=ルアーに食わせる)駆け引きとは違った、新しいアプローチ。エサでバスを釣るといった、ルアーマンにとって一見すれば“邪道”とも思える釣りだけど、その魅力って…?
有田さん:
「この釣りの魅力はまず、『デカいのが釣れる!』この一言に尽きるね。もちろん、ルアーでビッグサイズを釣るのがバス釣りの魅力ではあるけど、実際のところそうカンタンにはいかない…。でも、イージーに良型が釣れれば、その引き応えや醍醐味を楽しめるし、次にルアーでねらうモチベーションにもつながると思うよ。
そして、バスフィッシングの合間にのんびりとトライできるから、息抜きにもなるね。釣れない時間帯にちょっと一息って感じで楽しめるのも魅力だよ」

Oくん:
「へえ~。休憩がてらにビッグサイズを…っていう面白さかぁ。プロセスを楽しむルアー釣り(バスフィッシング)と、心身をリラックスさせながら釣果を楽しむ泳がせ釣り(エレベーター釣法)をセットにすれば、結果的に退屈せずに釣りが楽しめるね」

といったワケで今回の「オモシロ釣り商会」は、有田さんに「エレベーター仕掛でねらうブラックバス」の釣り方と、そのアレコレを教えてもらったよ。
池や川、湖など、身近な場所で楽しめるこの釣り。GWくらいから10月上旬まで、エサとなるブルーギルが岸際に見える間はシーズンということで、長く楽しめるのもオススメポイントだそうなので、チャンスがあればトライしてみては?
さて、まだまだ世の中にはきっと知らない、オモシロい釣りモノがたくさんあるハズ。これからも僕、オモシロウくんが独自の調査と聞き込みで探求を続け、みんなに届けていくので、ぜひ楽しみに待っててね!