釣り入門にピッタリな釣りって?
初心者に「チョイ投げ釣り」をススメたいワケ

暑かった夏も終わり、ようやく日中の時間帯も動きやすい季節になりましたね! 最近は「夏が長く、秋がほとんどない」なんてこともいわれていますが(今年の夏もハンパなく暑かった!)…、秋は海水温も下がり始め、ねらえる魚も増えたりと、釣りが楽しくなってくる季節ですね。
そんな今回は、「これから海釣りを始めてみたい」といった方に向けた「釣り入門」のお話です。

当記事では、河口や堤防、砂浜などの身近な海で楽しむことができる、「堤防釣り」の入門にピッタリな釣り方を紹介します!

身近な海で釣りを始めたい!どんな釣りの種類があるの?

海で堤防釣りが楽しめる身近な場所というと、河口堤防、砂浜があげられます。また、地域によっては海釣り公園などの施設でも楽しむことができます。

01_ 身近な海で
身近な河口や堤防、砂浜で楽しむことができる堤防釣りですが、ルールやマナーには注意して楽しみましょう

そんな堤防釣りで代表的な釣り方といえば、「サビキ釣り」「胴突釣り」「投げ釣り」「ウキ釣り」などでしょう。たとえばサビキ釣りは、堤防からアジをねらう定番の釣り方で、「サビキ」という専用仕掛とエサ(アミエビ)を使って釣ります。
堤防釣りの場合、釣れる魚や釣り場に合わせて仕掛やタックルを変えることで、さまざまな釣りを楽しむことができます。

02_ サビキ釣り
堤防からのアジ釣りといえば「サビキ釣り」。サビキ仕掛を使った定番の釣り方です

しかし一方で、釣り方の種類が多く、仕掛の選択肢もひじょうに多いので、「どの釣りから始めたらいいの?」と頭を悩ます入門者も多いのではないでしょうか。

釣り入門にぴったり!オススメは「チョイ投げ釣り」

そんな悩みを抱えている入門者にオススメの釣りが「チョイ投げ釣り」なんです。
そもそも「投げ釣り」という釣り方は、テンビン(天秤)とよばれるオモリを使って、仕掛を遠いポイントに飛ばし広範囲を釣る方法。そんな投げ釣りをライトタックルで手軽に、チョイッと投げて楽しむのが「チョイ投げ釣り」というワケです。

ここからはチョイ投げ釣りについて深掘りしていきたいと思います!

03_ チョイ投げ釣り1
釣り入門にぴったり! 入門者にオススメの釣り「チョイ投げ釣り」

チョイ投げ釣りってどんな釣り?

チョイ投げ釣りは従来の本格的な投げ釣りと比べ、ライトな仕掛やオモリ、タックルで楽しむ釣り方のことです。基本的には「仕掛を遠くに飛ばして広範囲に釣る」という点は投げ釣りと同じですが、手軽に誰でもかんたんに始められる釣り方になります。

04_ チョイ投げ釣り2
本格的な投げ釣りと比べると仕掛やオモリ、タックルの「ライトさ」が特徴

ねらえる魚はキスハゼ、カレイなどが定番ですが、仕掛やエサを変えればベラカサゴ、チャリコ(マダイの幼魚)など、さまざまな魚種をねらうことが可能なのが、「チョイ投げ釣り」の面白いところです。

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チョイ投げのターゲットはキスやハゼが定番ですが、さまざまな魚種がねらえるのも魅力

また、釣り場も河口や堤防、砂浜、海釣り公園など、足場のよい身近な海で楽しむことができます。仕掛を振りかぶって投げる釣り方なので、障害物や人が多い場所では後ろ(背後)の安全を確認しながら釣るようにしましょう。

チョイ投げ釣りの釣り道具を紹介

投げ釣りをライトにした釣り方が「チョイ投げ釣り」というわけですが、ここからはチョイ投げ釣りで使用する釣り道具を紹介します。

まずは竿リールといったタックルについてです。
竿は投げ釣り専用竿などではなく、バスロッドやエギングロッド、ライトゲームロッドなどの「ルアーロッド」がオススメです。ルアーロッドは身長や取り回しのしやすさなど、自身の技量に合わせて長さを選ぶことができ、本体もひじょうに軽いので扱いやすいメリットがあります。

08_ エギングロッド
チョイ投げ釣りには扱いやすいルアーロッドがオススメ

ルアーロッドに合わせるリールは2500~3000番の小~中型スピニングリールがオススメです。

09_ リール
ルアーロッドに合ったスピニングリールをチョイス。メインラインにはナイロン2~3号、PEラインであれば0.6~1号がオススメ

最近では、ルアーロッドとリールがセットになったエントリーモデルも販売されているので、入門者にとっても選びやすくなっています。

さて続いては仕掛オモリについてです。

チョイ投げ釣りでは「テンビンオモリ」と呼ばれるアームの付いたオモリを使用します。このオモリを使うことで仕掛を遠くに飛ばすのですが、アーム部分のおかげで仕掛も絡み辛く、さらに魚の食い込みをアシストしてくれます。
オモリの号数は釣り場や使用する竿に合わせて使い分けますが、最初は無理なく投げられる号数から始めてみましょう。

10_ 天秤
仕掛を飛ばすためのテンビンオモリ。アーム部分は仕掛を絡み辛くし、さらに魚の食い込みをアシストしてくれます

次に仕掛ですが、チョイ投げ釣りではハリ数も少なく、扱いやすいショートタイプを使用します。通常の投げ釣りで使用される仕掛はハリ数が多く、仕掛の全長も2m前後とルアーロッドでは扱い辛い長さ(全長)のものがほとんどです。「ルアーロッド対応」「ショート仕掛」といった表記がある仕掛を選ぶようにしましょう。

11_ 仕掛
チョイ投げ釣り専用の仕掛。ハリ数が少なく、仕掛の全長が短いのでルアーロッドでも扱いやすい

最後に紹介するのがエサです。
チョイ投げ釣りでは「イシゴカイ」「アオイソメ」などの虫エサを使用しますが、こういった虫エサは釣具店で購入することができます。また最近では、こういった虫エサを模した人工のエサ(常温エサ)で代用することも可能です。虫エサが苦手な人や短時間の釣行の場合はオススメです。

12_ 虫エサ
チョイ投げ釣りのエサといえば虫エサです。ハリに直接刺して魚を誘います

また、虫エサだけでなく、魚やイカの切り身などをエサにしてみるのもよいでしょう。予想外の魚が釣れる(?)かもしれませんよ!

チョイ投げ釣りは釣りの「永字八法」

さて、ここまでチョイ投げ釣りについて紹介してきましたが、なぜこの釣り方が海釣りの入門としてオススメなのでしょうか? その理由について(私独自の観点で)解説してみたいと思います!

突然ですが、みなさんは「永字八法(えいじはっぽう)」という言葉を聞いたことがありますか? 永字八法とは、書道における「止める」「跳ねる」「はらう」といった筆運びの基本が漢字の「永」に含まれていることを表した言葉で、永の字を練習することで書の基礎を学べるというわけです。
「その永字八法とチョイ投げ釣りにどんな関係があるの?」と思う方もいることでしょう。ところが、チョイ投げ釣りはまさに、釣りにおける“永字八法”なのです!

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チョイ投げ釣りは釣りの“永字八法”? 釣りの基礎となる要素を学べる釣り方なのです

釣りでは、竿やリールを使って仕掛を動かしたり、止めたりするのですが、実際のところチョイ投げ釣りには釣りの基礎となる要素が詰まっています。
チョイ投げ釣りの動作を細かく見てみると、仕掛を「投げる」、竿を使って「誘う」、「魚を掛ける」、リールを「巻く」といった多くの動作が含まれています。つまり、この釣り方で釣りの基礎となる要素(=動作)を学べば、ほかの釣り方にも活かすことができるうえ、ステップアップにもつながる! これがチョイ投げ釣りが入門者にオススメの理由です。

チョイ投げ釣りからいろいろな釣りにチャレンジしてみよう!

釣りの基礎を学ぶことができ、ステップアップにもつながる「チョイ投げ釣り」。入門者にはオススメの釣り方ですが、この釣り方を通していろいろな釣りにチャレンジすることも可能です。

14_ イカ
ルアーフィッシングのなかでも人気の高いエギング。チョイ投げ釣りのタックルでそのまま楽しめちゃいます

たとえば、ライトゲームエギングといったルアーフィッシングのなかには、「投げる」「誘う」「掛ける」といった、チョイ投げ釣りと共通する要素が含まれています。陸からのルアーフィッシングであれば、タックルもそのまま流用できるので、ぜひチョイ投げ釣りをきっかけにいろいろな釣りにチャレンジしてみてほしいと思います。

今回は海釣りの入門者に向けたオススメの釣り方ということで、「チョイ投げ釣り」を紹介してみました。
チョイ投げ釣りは従来の本格的な投げ釣りをライトにした釣り方ですが、実は釣りの基礎となる要素が詰まった釣り方なのです。まずはこのチョイ投げ釣りを楽しむなかで、竿の動かし方やリールの使い方を学んでみてほしいと思います。そして、その先にある新たな釣りにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか? 当記事をぜひ参考にしてみてください!


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レポーターREPORTER

鷲見 大地
プロフィール:鷲見 大地
1998年岐阜県生まれ /岐阜県在住
「海なし県」育ちということもあり河川で釣りを覚え、渓流ルアーフィッシングや鮎の友釣りをメインに釣りを楽しむ。釣具メーカー・ハヤブサに勤務し、最近は堤防・磯釣り・船釣り、SWルアーフィッシングなどに触れながら、日々勉強中。