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暑さもピークを過ぎたこれからの季節、身近な釣り場で俄然盛り上がってくるのがハゼ釣り。初心者でも家族連れでも手軽に楽しむことができ、食べても美味しいおススメの釣りモノです。
今回はシンプルで確実な「ミャク釣り」をご紹介しましょう。
身近で人気の秋のターゲット「ハゼ」をミャク釣りでねらう
今年の夏も暑かったですね。連日の猛暑はとどまるところを知らず、気温30℃以上は当たり前、体温を超えて36℃以上になることもしばしばありました。あまりの暑さで釣りに行くのも控えていた、という方も多いのではないでしょうか。
そんな猛暑もようやく終わり、いよいよ秋の釣りシーズンが到来、なかでもハゼは、1年で最も楽しい季節を迎えます。

ハゼ釣りのよいところは釣り場が身近なこと。船に乗って沖に出る必要もなく、川の河口や水路で手軽にねらうことができる点です。第2に釣果が手堅いこと。釣りのキャリアに関わらず、初心者もベテランも一緒に楽しむことができます。そしてなんといっても食べて美味しいこと。てんぷらをはじめ、釣ったハゼを食すこともこの釣りの大きな楽しみですね。
そんなハゼ釣りですが、身近で人気者であるがゆえ釣り方もエサからルアーまで多岐にわたり、それぞれの釣りのなかにもさまざまなバリエーションがあって、入門者にとってはかえって分かりにくいと感じてしまう部分もあるようです。
そこで今回はいろいろな釣り方をご紹介するのではなく、最もシンプルで最も手堅い「ミャク釣り」についてQ&A形式でまとめてみました。

Q1.そもそもミャク釣りってどんな釣り?
ミャク釣りにもさまざまなスタイルがありますが、ここでいうミャク釣りとは、ウキも目印も使わずオモリのみでダイレクトに底を攻めていく釣り方を指します。道具立てもシンプルで、竿、道糸、オモリ、ハリス止め(またはヨリモドシ)、ハリがあればOK。道糸にオモリを通してからハリス止めまたはヨリモドシを結び、そこにハリを結べば出来上がりです。

Q2.竿はどんなものが適している?
のべ竿、リール竿どちらも使えます。
のべ竿の場合は「清流竿」または「万能竿」と呼ばれるもので、長さは3m~4.5mくらいが扱いやすいでしょう。長ければ長いほど広く探れますが、そのぶん重くなるのが難点です。

リール竿の場合は1.5m~2.4mくらいで穂先の柔らかいもの。ハゼ用、チョイ投げ用とうたっているものなら間違いありません。ほかにはライトアクションのルアーロッドでも代用可能です。

Q3.糸は何号くらいがよい?
ハゼはそれほど引きが強い魚ではないので太い糸は必要ありませんが、逆に糸を細くしないと釣れないということもありません。ナイロンラインの1~2号、PEラインなら0.6号~1号くらいがおススメです。
Q4.オモリはどんなものを使うの?
基本は中通しタイプのもの。ナツメ型が一般的です。中通しのものがなければカミツブシオモリでも大丈夫です。号数は1号を基準に、水深が深かったり流れが強かったりするときは重く、浅ければ軽くというように調整します。底が取れる範囲でなるべく軽いものがベターです。

ちょっと変わったところでは、オモリの代わりに管理釣り場用のスプーンを使うのもおススメ。集魚効果抜群で、水が濁り気味のときでもよく釣れますよ! オモリ1号が約4gですから、スプーンもそのくらいを基準に選んでみてください。

Q5.ハリはどんなものがイイ?
ハゼバリやキスバリのような、流線型の細長いハリがおススメ。万能型の袖バリも使いやすいですね。ハリス付きで市販されているものを使うのが手っ取り早いです。ただ総体的にハリスは長いため、5~10cmにカットして使うようにしましょう。
号数はハゼバリなら7号が基準。初期で小型のハゼが多いときは5~6号、大型が多く交じるときは8号を使うこともあります。袖バリなら4~6号が標準です。どちらも予備とともに、いくつかのサイズを持っていると安心です。
ハリの数は1本または2本が一般的。市販の仕掛は2本バリ仕様のものが多いですが、自分で仕掛を組むなら1本バリのほうがかんたんで、手返しもよくなります。

Q6.竿や仕掛のほかに持って行くべきものはある?
糸を切ったりイソメをカットしたりするための「ハサミ」、ハリを飲み込まれてしまった場合の「ハリ外し」、釣ったハゼを生かしておくための「水汲みバケツ」、ハゼを持ち帰るための「クーラーボックス」といったところでしょうか。ほかには「竿立て」があると、仕掛を交換するときなどに竿を置いておけるので便利。置き竿でアタリを待つのにも使えます。

Q7.エサは何がおススメ?
無難で確実なのは各種イソメ類やキジ(ミミズ)などの虫エサ。ミミズは食いがよいうえ、自分で掘ればエサ代の節約にもなるスグレモノです。
虫エサが苦手という人には、スーパーで売っているボイルホタテや人工のイソメ(ワーム)もおススメです。


Q8.エサはどうやって付けるのがベター?
イソメやミミズの場合はハリの軸に沿って真っすぐに刺し、余った部分を1cm~2 cm程度にカットします。これを「垂らし」と呼びます。
ボイルホタテを使う場合は貝柱の繊維を数本、ハリに引っ掛ければOKです。
Q9.いよいよ実践!ポイントはどんなところ?
ハゼの釣り場は河川の汽水域やそこに流入する水路、干潟など。水深が浅く流れが緩やかな場所で、砂地のなだらかな地形が適しています。岩場でも釣れますが、根掛かりがあったり足場が不安定だったりするのが難点。安全面からも平坦な釣り場を選ぶことをおススメします。

ねらうのは主に岸から流心までの範囲。カケアガリや水門周りのほか、杭などの障害物があるところもねらい目になります。

Q10.釣り方のコツはある?
ミャク釣りはウキ下の調整などの準備が要らず、オモリを底に沈めるだけの釣り。エサを付けて振り込んだら、軽く糸を張ってアタリを待つだけです。
しばらく待ってもアタリが出ないときは、仕掛を動かして誘ったり、いったん上げて入れ直したりするのも手。要はハゼに気付いてもらうように工夫することです。それでもウンともスンともいわない場合は仕掛を入れる場所を変えてみましょう。
Q11.アタリはどんなふうにくるの?
アタリは手元に直接ブルブルッと伝わります。ハゼのアタリはけっこう強烈なので、初めての人でもすぐに分かると思います。アタリがあったら軽くアワセてください、強いアワセは必要ありません。

Q12.アタリが分からない、アタリがあるのに掛からない…どうして?
アタリが分からないときは糸がたるんでいないか確かめてください。理想的なのは「張らず緩めず」のテンションを保つことですが、難しければオモリを少し重くするのも効果的です。
アタリがあるのに掛からないときは、ハゼに対してハリが大き過ぎるか、エサが大き過ぎることが考えられます。エサの「垂らし」を短くしたり、ハリのサイズを落としたりすることで解決するはずです。
ということで、初めての方もなんとなく釣れる情景をイメージしてもらえたでしょうか。前述のような点に注意してもらえれば、ハゼは確実に釣れるはず。いきなり大漁ということも珍しくありませんが、まずは家族分の天ぷら確保を目標に、秋晴れの1日をのんびり過ごしてみてください。

レポーターREPORTER
1960年東京都出身。釣り媒体の編集・ライティングを経て現在はフリーランスで活動するライター。得意な釣りは、淡水・海水のルアーゲームをはじめとした身近なライトゲーム全般。間口が広く奥の深い釣りがとくに好き。「釣りは釣れなくても楽しい」がモットー。