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最近は釣り人に対して「マナー」という言葉をよく聞きます。ごみ問題や迷惑行為など、アングラーに求められるマナーは多くあります。みんなが気持ちよく釣りを楽しむためには大切ですね。
しかし、現実には残念な出来事も起きています…。最近私の行く釣り場でよく耳にするのが「釣り具の盗難」。大切な釣り竿や道具から目を離した隙に…なんてことがあるようです。なんと、釣り具を専門にねらっている窃盗団もいるとのこと…。
といったわけで今回は、私が実体験した内容も含め、釣り場での防犯のアイデアを紹介したいと思います。
実際に盗難に遭ってしまった私の話
気が付けばロッドがない!
盗難に遭った状況とは…
ちょうど今くらいの季節でした。ねらいはタチウオと青物の2本立て。夜中からエントリーしていました。そして持ち込んだロッドは、青物のロッドではタチウオは少し釣りにくいため、妻に相談してシーズン前に誕生日のプレゼントとして買ってもらっていた、ワインド用のロッドとリールでした。
タチウオを釣っているときは、ショアジギング用のロッドはタックルボックスのロッドスタンドへ。自分の後ろにタックルボックスを置いて、前のテトラポッドからキャストしていました。目視で道具が見える位置です。
少し早いけど、そろそろ青物をねらおうとタチウオ用のタックルを一旦片付けて、ショアジギング用のロッドに持ち替えました。代わりにタチウオ用のロッドはいつも通りロッドスタンドへ…。
後ろの堤防にはヘッドライトを点灯している人がウロウロしていましたが、青物ねらいのアングラーが動き出す時間です。ヘッドライトの光を直視すると目がくらんで危ないので、「人が通っているなぁ」くらいにしか気にしていませんでした。人が通って明るくなったり、離れて暗くなったりの繰り返しでした。
ジグを投げていざ青物ねらい。前を向いて集中モードで釣りを開始しましたが、ふと気になり後ろを見ると、「あれっ????? ロッドがない…!?」確かに先ほどロッドスタンドに置いたはずのロッドがありません!! 一瞬なにがなんだか分からず…。釣りを中断して何度も周りを見渡しましたが、無情にもさっきまで使っていたロッドはもうそこにはないのです。ふと我に返り、盗られたことに気が付きました。まさか自分が被害者になるとは…。
結局、せっかく楽しみにしていた釣りを中止して警察署へ。生涯最低な気分で過ごした1日になったことを、今でもはっきりと覚えています。
もしもの盗難に備えて…
もしも釣り場で盗難に遭ってしまったら、所轄の警察署へ盗難届けを出しに行きましょう。そのときに、現場の状況や時間、盗難に遭ったものなど詳しく聞かれると思います。説明のためにも、日ごろから被害に遭うと困るもの(ロッドやリール)の写真を、携帯電話などで撮って保存しておくといいと思います。
自分の持ち物と判断できる特徴を写真に撮っておくのです。たとえば、カスタムした箇所や、使っているうちにできた判別しやすいキズなどの特徴、製造番号などです。
一般に売られているロッドやリールは、よほど高価なものでない限り製造番号などはなく、正直見分けがつかないと思います。ですので、キズや特徴などの判別できる証拠があれば、もし現物が出てきたときには、自分のものかどうかの判断材料となります(転売などされた場合、盗難品として捜査もしてくれるそうです)。ただし、「手元に戻ってくる事はまずないでしょう」と言われましたが…。
暗闇の一瞬の隙がねらわれている!
夜の釣りは明かりが必須と思います。前述したように目がくらむので歩いているアングラーのヘッドライトは直視しないようにしているのですが、明かりを見た直後はどうしても暗闇がすごく見えにくくなります。
私もヘッドライトを使いますが、必要なとき以外は消灯しています。ほとんどのアングラーは釣っているときや必要のないときは点灯していないと思われます。
ところが、歩いて釣り場に入ってくる人(アングラーとは限りません)は足元を照らしながら近づいてきます。そして、まずはポイントを見つけるために、釣り人がいるかどうかを確認する意味でも、水辺を照らしてしまうことがあります。自分が釣りをしていて後ろから照らされたことってないでしょうか?
ずっと暗い中にいると目が暗闇に慣れてくると思いますが、一度眩しい光を見てしまうと、また目が慣れるまでに時間がかかってしまいます。
そんな直後にライトを点けていない人が後ろを通っても、暗闇に溶け込んで気付きにくいのです。また、釣りをするのに前を向いて集中していることや、当然背中に目は付いていないので背後は分かりづらい…。その一瞬の隙を犯人はねらっていると思われます。
ひと工夫でできる盗難対策
大切な釣具を守るために、私がしているかんたんな対策を4点紹介したいと思います。
ロッドの置き方をひと工夫
タックルボックスにロッドスタンドを取り付けているアングラーは多いと思います。サブロッドの扱いをみなさんはどうしていますか? 1本は使って1本は置いておく。そんなとき、ロッドを畳んだままロッドスタンドに差して置いていませんか?
すぐ後ろにタックルボックスがある場合は、キャストの邪魔になることがあるので、そのまま差し込んでおくこともあります。しかし、タックルボックスから少し距離がある場合は、できるだけロッドを組み立てて置くようにしています。短い状態(畳んだ状態)だとコンパクトなため、その存在に気付きにくいのです(盗難に遭っても気付きにくい)。
少しでも目立つ状態にしておくことで、抑止効果はかなりあると思います。
リーシュコードの活用
ロッドの抜き盗りが容易にできないように、リーシュコードでリールフットとロッドスタンドをつないでおく方法も効果的かと思います。カラビナでかんたんにつないでいるだけですが、同じように、タックルボックスやクーラーボックスも一体化しておくのもいいかもしれません。
道具の整理整頓も大切ですが、かんたんに持ち去れない状態(=ひと手間掛かる状態)にしておくことが大切です。
明かりを置いて目印に
タックルボックスや道具類を暗闇の中に置いたままにしないために、タックルボックスに明かりを取り付けておくことをおススメします(いわゆる防犯灯ってやつです)。
私はタックルボックスやクーラーボックスの後ろ側(アングラーから見て直視できないところ)に明かりを置いています。ちょうど間接照明のようにぼんやりと照らせば、ほかのアングラーの邪魔にならないといった具合です。目印にケミホタルなども使用するのもいいですね。
こうすることで、ロッドスタンドに置いたロッドや道具類を、暗闇でも確認しやすくなります。
周りのアングラーの目も借りて
私は釣り座を決めるときに、左右にいるアングラーに声をかけるようにしています。「お隣よろしいですか?」などのかんたんな挨拶なのですが、なかにはそこから話が弾んで仲よくなる方もいます。
挨拶をすることで、何かあればお互いに協力しやすくなるものです。自分1人の目だけでなく、周囲のアングラーの目も借りて互いに協力すれば、隙が生まれにくくなります。
釣り道具には、みなさん1つ1つ思い入れがあると思います。
「大きな魚を釣った」「魚に逃げられた」「お小遣いでやっとのことで手に入れた」「プレゼントにもらった」「寒いときも、暑いときもこの釣り具と一緒だった」などなど。お金では買えない想いがたくさん詰まっているでしょう。
釣りに集中している間は、どうしても道具の管理に隙ができてしまうと思います。しかし本来はそんなことを気にせずに楽しめるのが何より。いろいろな対策や工夫のなかで、個人的には周囲のアングラーとのコミュニケーションが防犯に最も有効だと感じています。
今回はややネガティブな内容でしたが、私と同じような思いをしてほしくないので、少しでも防犯に役立てばと記事にしてみました。読者のみなさんが、これからも楽しく釣りができますように…。
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レポーターREPORTER
大阪府在住
小さいころから父親の影響で釣りが大好き。「釣り」と付くものはなんでも 1度はチャレンジしてみたい! 釣った魚は美味しくいただくがモットーです。夢は「自分の体重以上の魚と格闘して釣り上げる」ことです♪