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今回メインで紹介するのは「エサで遊ぼう」シリーズの3アイテム。その名前から察するに、エサ釣り用の仕掛の類なんだと思い込んでいたのだが…。「エサで遊ぼう」と誘っておきながら、どう見ても“ルアー”なんだが!! どういうコト!?
ということで、その名前と見た目の矛盾をしっかり納得できるように、商品開発を担当する田中氏を小一時間問い詰めてみた(なごやかムードにね)。
ルアー釣りとエサ釣りのオイシイとこだけをガッチャンコ!
「ルアー釣りとエサ釣り、当然ですがそれぞれ長所がありまして。ルアーはゲーム性が高く、アングラー自ら積極的にアクションさせて魚をダマす釣りです。一方でエサ釣りは実釣の確実性が高いと同時に、ルアーでは難しいような魚もたくさん釣れます。ならば分けて考えるのではなく、融合させてみればもっと楽しく、もっとたくさんの魚が釣れるのではないかと思い、シリーズ化にこぎ着けました」と、田中さん。なるほど一理ある。
加えて、釣り人の趣向の変化も影響しているという。
「比較的新しめの釣り人のなかにはエサ釣り用の竿を持っていない人も結構多く、代わりにエギングロッドやアジングロッドならば持っているという方々が目立ちます。だから仕掛も既存の長いモノでは使いづらいだろうと思い、できるだけコンパクトにしたかったというのもあります」。
確かにエギングとアジングはソルトルアーのなかではビギナーもチャレンジしやすく、タックルも比較的リーズナブルな価格からそろえられるだけに、持っている釣り人も多いということか。そんなタックルでも使える「エサで遊ぼう」シリーズとは…? 早速、順を追って解説してもらう!
クネクネアクションで誘いエサで食わせる「エサスプーン ブレード」
まずは「エサスプーン ブレード」から。スプーン本体の後ろにブレードが付いていて、さらにその後ろにフックが付いているという、ジョイントルアー的な構造と表現すべきか。
「実は本体は鉛製でサイズの割にはウェイトもあり、軽い力で遠投することもできるし、深場まで早く沈めることもできます。ご指摘の通りスプーン本体とブレードがジョイント構造となるので、ただ巻きでは通常のスプーンより“クネクネ”としたなまめかしいアクションになり、フォールさせれば木の葉が舞うように“ヒラヒラ”と落ちていきます。そして、いずれの使い方でもホログラムを貼り付けたブレードがフラッシングと波動を拡散して、広範囲の魚にアピールできます。
エサはイカや魚の切り身がオススメです。細めに切った方がクネクネと泳ぐアクションをより活かせます。もちろんイソメなどの多毛類もOKです。魚の反応次第では、長さを調節するとハリ掛かりがよくなります」。
また、思っている以上に根掛かりしにくいのも、特長のひとつだと言う。
「スプーン形状なのでえぐれている方を上に、出っ張っている方を下にして沈み、着底します。このときハリ先が上に向くように設計されているので、根掛かりはしにくいですね。この特長を活かせば、ボトム中心にネチネチ攻めても安心です」。
ボトムで立つ&根掛かりしにくい「エサヘッド スピナベ」
今度は「エサヘッド スピナベ」だが、ソルトゲーム用のスピナーベイトってタマに見かけるけど、どういうわけか定着しない…。実際、バス用のスピナーベイトをソルトで使ってみると、ロックフィッシュやらシーバスやら結構釣れるんだけど…ナゼだ?
「そうなんですよ、ソルトでもスピナベって十分な釣果を出せるルアーなんですよ。ならば、エサと合わせればもっと釣れるハズだと考え、ショアからの使いやすさを重視した結果、この形(アームを短めにした可能な限りコンパクトなフォルム)になりました。
また、ハタ類やガシラ(カサゴ)などのロックフィッシュをターゲットに想定したこともあり、ボトム付近を舐めるようにテンポよく引いてこられるよう、ヘッドもスリ抜け重視の形を採用しています。そして、何よりこのスピナベ、ボトムで立つんです」。
え…スピナベなのに、ボトムで立つ? どぅいうコト??
「仮にバス用のスピナベを使って磯の深場に沈めた場合、アームが長くて重心が高いのでボトムに着いたら倒れてしまうんです。磯の深場のボトムは淡水では考えられないほどガチャガチャした地形も多々あるので、スリ抜け性能が高いスピナベとはいえかんたんにスタックしてしまいます。
そんなトラブルを抑制すべく、まずは徹底的に低重心化したヘッドを採用しました。加えて短いアームにすることで重心が分散するのを防ぎ、着底しても倒れずに立ったままなので根掛かりが大幅に軽減しました」。
重さは一番軽くても10g、一番重いと30gと、コンパクトな割にはなかなかヘビー。
「海は潮流も淡水と比較して強いので、流されることなくボトムまでスムーズにフォールさせることを考えると、このラインナップになりました。とくに先述の磯の深場などは一気に沈めてしまわないと、根掛かりはもちろんライントラブルの原因にもなります。だから30gという重めのウェイトも必要なんです」。
ブラクリ仕掛のさらなる進化版!?「エサスプーン 小鈎遊動」
そして、もうひとつのスプーンが「エサスプーン 小鈎遊動」。確かに形はスプーンなんだが…全体的な構造はブラクリ仕掛っぽい?
「お察しの通りです(笑)。ただ、メインターゲットに据えたのはキスやカワハギといった、口が小さい魚たちです。名前の通りハリスが半遊動式になっているので、魚はスプーン本体の重さを違和感として感じることなく、スムーズにエサを吸い込んで食べることができます。ただ、コレがオモリとフックが一体化したジグヘッドだと、わずか2~3gの重さであってもキスの場合は極端に釣果が落ちるという実証結果が出ました。エサを食ってもヘッドの重さが邪魔をしてフッキングに至らないことが多く、けっこう難しい釣りになってしまうんです」。
それゆえの遊動式というわけか! でも…それだとスプーンはタダのオモリ?
「もちろん『エサスプーン ブレード』同様、釣れるのならばそういう使い方もアリでしょう。ただ、スローに巻いてスプーンらしいユラユラとしたアクションで誘ったり、ヒラヒラとフォールさせたあとのステイで食わせの間を演出したりする方が、よりアクティブに攻められるのでゲーム性が増して面白いですよ」。
シリーズ中もっともシンプルな「エサヘッド」にはサイズ追加
最後は「エサで遊ぼう」シリーズのキッカケともなったエサ釣り用ジグヘッド「エサヘッド」のサイズ追加だ。
「2gと2.5gが新しくラインナップされ、フックサイズも8号と小さくなりました。イシゴカイなどの細い虫エサなどにはピッタリとフィットします。小さめの魚で遊ぶとき、アタリはあるけどフッキングまで持ち込めないときには、新サイズが活躍するはずです」。
エサを付ければルアーオンリーより確実に「アタリが増える&魚は釣れる!!」
以上、ルアー釣りとエサ釣りの融合で、これまで以上の楽しさと釣果を追求する「エサで遊ぼう」シリーズの新商品を田中氏に解説してもらったが、最後にどうしても開発担当として言いたいことがあるそうなので、シメの言葉として大いに語ってもらおう。
「とくにルアー釣りはその傾向が強いんですが、ライトでスマートな感覚がカッコよかったり、フィッシュイーターとのファイトは派手に見えたりするだけに、ビギナーの数も多いんです。ただ、昨今はフィールドのハイプレッシャー化もあり、かんたんには釣れないのはみなさんもご存じでしょう。だから、釣れるまで続けられずに止めていく人が多いのも実情なんです…。
そんな“釣りを止めてしまうかも予備軍”の方々にこそオススメしたいのが、この『エサで遊ぼう』シリーズです。ルアーオンリーより確実にアタリの数や釣れる確率はアップするはずなので、ぜひ使ってみてください。やっぱり、釣りは魚が釣れないと面白くないですからね(笑)」。