船釣りのはじめ方 【アジ】釣れれば40cmオーバー!!
鴨居沖の深場でねらう「ビシアジ釣り」

ビシアジ釣りの釣り方
やってみなければその日のパターンは分からない…

ポイントに到着し、船長の合図があればいよいよ釣り開始です。まずは、ビシカゴにコマセを詰めます。詰めるコマセの量はだいたいビシカゴの8割程度にとどめましょう。ギッシリ詰めてしまうと海中で上手くコマセが出ない場合があるからです。コマセを詰め終わったら、最初に仕掛から海に投入し、そのあとビシカゴを投入します。

ここでのポイントは、仕掛とビシカゴがまだ海面に見えている状態で、仕掛が絡まったりせずにキレイに漂っているかを必ず目視で確認することです! また、お隣さんのラインが自分の目の前まできていたりするとオマツリの原因にもなり兼ねません。そういったところも確認が必要です。
周囲の状況を確認しとくに心配ないようでしたら、リールのクラッチを切って仕掛を海中に落とします。

22_ 釣り座

誘い方にもいろいろある

この釣りで最も重要なのは、コマセで作った煙幕の中にエサの付いたハリを入れるということ。海中に落とした仕掛が着底したら、素早く糸フケを巻き取ります(底ダチを取る)。

そして、タナは「底から3m」が基本です。
まず底から1m巻き、竿を1回振りビシカゴに詰まっているコマセを海中に撒きます。そのあとさらに1m巻いて底から2mのところでもう一度コマセを撒きます、そして底から3mのところまで巻き上げアジを待つといった具合です。

しかしこれは、数ある誘い方のほんの一例! 誘い方は人それぞれ、釣る人によって違いますし、海域によっても違ってきます。もしくは乗っている船の船長さんによっても違うかもしれません。
たとえば、「着底後、一気に3mまで巻いて竿を細かく振り続ける」「底でコマセを撒き、リールひと巻きごとに撒いて3mで待つ」「底から1mでコマセを撒き、50cm単位で刻みながら2.5mまで撒き、3mで待つ」「底から2mでコマセを撒いて50cm単位で刻みながら3mで待つ」などなど…。これは私が友人にアンケートを取ったときの回答です(笑)。

その日の当たりパターンを見極める

数ある誘い方のなかで、どれが正解なのか? それはズバリ「その日の海による」といったところでしょうか。海の水温や潮の流れ、ほかのいろんな要因が組み合わさることで、アジの食いつき方が変わってくるといっても過言ではありません。そのため、どの誘い方でも釣れる日もあれば、どの誘い方を試してもアジが口を使ってくれない日もあります。
残念ながらこの日は後者…。いろんなパターンを試してみましたが、「これが今日の当たりパターンだ!!」とはなりませんでした。

それでもなんとか7尾! しかも釣れればアベレージ40cm! とりあえずでっかいアジフライは作れそうです。

11_ アジ1

釣れたアジの取り込み方

アジ釣りは取り込む際にも気を付けなければならないことがあります。アジは口が薄くて切れやすいので、雑に取り込もうとするとバレてしまうことが多いのです。

12_ アジ3
アジの口は薄いので切れやすい

アジが掛かったら電動リールのスイッチを押して巻き上げます。設定にもよりますが、残り10mくらいで自動での巻き上げが止まるので、残りは手巻きで上げていきます。
海面にビシカゴが現れてきたら巻くのを止め、竿を立ててまずビシカゴをキャッチ。コマセ桶の中にビシカゴを入れ、それから仕掛をたぐります。大きく手を仕掛に伸ばし、アジの近くの仕掛(ハリス)をつかんで一気に船内に取り込みます。
アジが宙に浮いている状態が長いとバレる可能性が高いので、できれば手で取り込むよりもタモを使ったほうが確実です。

アジを取り込みたい気持ちが先走りますが、まずはビシカゴを回収することが大事。ビシカゴがぶらぶらしている状態でアジを取り込むのは大変危険ですし、そもそも取り込みにくい。なので、「まずはビシカゴを回収してからアジを取り込む」ようにしましょう。

船中のコマセが一極集中か!?

ところで、釣り当日の主役は私の友人Sさん! 船中ファーストフィッシュを決め、そのあともアジだけでなくサバカサゴに多彩なゲストをゲットしていました。みんなのコマセがすべて彼女の足下に集まったのではないかと思うほど(笑)。

しかし実は彼女、初めてのビシアジ釣りで道具もオールレンタル! やはり釣りは道具ではなくセンスなのか? それとも私のような欲を出さず、純粋に「釣りを楽しもう!」という気持ちのたまものなのでしょうか?

釣りにタラレバは付きもの!?

今回の釣行を経て、「後悔先に立たず」とまではいきませんが、実はあとになって気がついた反省点があります…。

今回の「反省点」は、「コマセの出具合」を事前に確認しなかったこと。釣り終了間際、コマセを詰めたビシカゴを海底に落としている最中に、船長からの合図(沖上がり)があったのでコマセを撒くことなく仕掛を回収してみたら…。「コマセが予想以上に減っている」ではありませんか!? 1回も竿を振っていないのに???

どうやら、私が使っていたビシカゴは網目が若干大きかったようです。なので、海底に落としている最中にコマセが出てしまっていたのではないかという疑いが…。よって、アジのいるタナで十分な煙幕が作れていなかった可能性があるのです。気がついたときはもう沖上がり時間だったため、立て直すこともできず…。う~ん! 痛恨の極み!!
投入前に、使っているビシカゴからどれくらいコマセが出ていくのか、海面付近で事前に確認していたら…。もう少し網目の細かいビシカゴを使っていれば…。タラレバは尽きません。上手く深場にいるアジのタナにコマセを届けるため、みなさんは事前の確認をお忘れなく。

15_ クーラーボックス
あなたはいつもタラレバが多いにゃ!

アジを寝かせて美味しく味わう!
ウイスキーとの相性も抜群!!

16_ まないた

さて、数は少ないもののアベレージサイズのよかった今回の釣行。釣り上げたアジはもちろん自宅で美味しくいただくことに。まずは釣れたアジはすべて3枚におろし、キッチンペーパーでしっかり包んで冷蔵庫で3日ほど寝かせることにしました。
(ペーパーは毎日取り換えます)

そんななか、「明らかに脂の乗りが違う」個体を発見! 皮を引いたあとの身はテカテカに輝き、包丁にも脂が付くほど…。「こ、これは美味いやつに違いない!」ということで、この1尾だけはその日のうちにお刺身にして堪能することに。これは透明なお酒がすすみますね!!

17_ お刺身
アジのお皿でアジをいただく

寝かせたアジはアジフライともう1品、最近ハマっているレシピでいただくことに。特別にOKをもらった近所のウイスキーバーに持ち込んで、アジ料理を楽しみました。

アジフライとヘーゼルバーン10年

今回の目的は「でっかいアジフライ揚げる」こと! ふわふわ食感で食べたかったので、あえて皮を引いて揚げました。写真では分かりづらいかもしれませんが、アジフライというよりもはやトンカツです!!

18_ アジフライ
大きなフライパンで揚げたアジフライ

自宅から徒歩1分ほど、まさに「アジフライの冷めない距離」にあるお店にアジフライを持ち込み、「アジフライに合うハイボールをお願いします!」という私のむちゃぶりに答えてもらいました。そして出されたのは…。ヘーゼルバーン10年」を使ったハイボール!
ヘーゼルバーン10年は一般的なウイスキーと違って3回蒸留しているため、より雑味のないキレイな原酒になり、ハイボールにしたときのスッキリさが増すとのこと。それによって「青魚独特の風味ともケンカしない…」というのがマスターのおススメポイント。確かにスッキリしていて飲みやすい! アジフライの味を邪魔しないので、自分で釣ったアジをじっくり堪能できました。

やみつき!ガリしそ巻き

アジフライともう1つ、絶対に作ろうと思っていたのが「ガリしそ巻き」。最近レパートリーに加わったイチオシのアジ料理です。

寝かせたことにより旨味がグンと増し、ひじょうに濃厚な味わいになっているアジ。そのままお刺身として食べてもじゅうぶん美味しいのですが、こうやって巻くことにより香りと歯ごたえのアクセントも加わるので、酒のアテにぴったりな1品になります。

19_ ラガヴーリン16
濃厚な味わいのガリしそ巻きを、少し個性的なウイスキーでいただきました

作り方はとってもかんたん! 名前の通り、「アジ」と「ガリ」「しそ」を海苔で巻くだけです。今回はたまたまワケギがあったので一緒に巻きましたが、なくてもOK。ガリはよく絞ってからたっぷり乗せてくださいね。
ガリはスーパーで売られているショウガの甘酢漬けでもよいのですが、私はいろいろ試した結果、テイクアウト専門のお寿司屋さんで、単品で売られているガリのほうが甘過ぎず好みでした。

ちなみに、この「ガリしそ巻き」にラガヴーリン16年」のロックを合わせてみました。友人の好きなウイスキーで興味本位で飲んでみたのですが、スモーキーさとほのかに塩味を感じるとても個性的なお味。ガリしそ巻きとラガヴーリン16年の両方が口の中で交互に主張してくるという感じでした(笑)。

今回は深場の大きいアジをねらう「ビシアジ釣り」を紹介しました。
船釣り歴が長くなり、ねらう魚種が増えてくるとご無沙汰になってしまうアジですが、やっぱりアジは名前の由来通り「味がいい!」魚です。初心者向けの「LTアジ釣り」に比べると難易度は上がりますが、「LTアジ釣り」に慣れた人のネクストステップとして、ぜひチャレンジしてみてください。そして、もしビシアジ釣りに挑戦する際は忘れずに確認してくださいね、「コマセの出具合」を(笑)。