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デメリットを上回るパフォーマンス!?
まずはリールハンドルのカスタムがおすすめ
カスタムパーツの使用に関して注意すべきこともあります。
メーカーから市販されているリールに違うパーツを組み込むことは、メーカーのリール使用の想定からは外れたものになります。カスタムパーツを使用して無理な使い方をすればリールの歯車に想定外の負荷がかかって、最悪リールが破損してしまうことも考えられます。リールに対して不釣り合いなハンドルを装着して乱暴な魚とのやり取りをするなど、そもそもリールの使用方法に問題のある使い方をしない限り破損することはありませんが、こうした可能性も理解したうえでカスタムパーツを扱うことが大切です。
とはいえ、カスタムパーツを取り入れることで得られるメリットを考えれば、リールをカスタムしないのはもったいない! 十分におすすめできると思います。
ここではビギナーさんでも取り扱いやすいカスタムパーツ「リールハンドル」を中心に解説します。
ノーマルの状態で装着されているハンドルは一般的な使用状況に対して過不足ないサイズとして選択されていますが、裏を返せば汎用なサイズであり、リールの持つパフォーマンスを最大限に活かし、それぞれの釣りモノに応じた使いやすさを求めたサイズではないことも多いものです。そのためやや感覚的に使いにくかったり、身体的な負担が大きくなってしまうこともあります。
そうした点を踏まえ、カスタムハンドルの装着はノーマルハンドルのサイズより若干大きめのサイズを選択するのが一般的です。
目的に応じたサイズ選び
ノーマルサイズのハンドルからワンサイズ大きめのカスタムハンドルに替えた場合(ハンドルのロング化)、リールの初動トルクを軽減して回転の立ち上がりが軽快になります。軽減度合は微々たるものですが、1日の釣りで何度もリール回転させ、巻く止めるを繰り返すストップアンドゴーやトゥイッチなどのリールアクションを繰り返す釣りでは使用感はかなり違ってきます。
ロング化のメリットはそのほかにも、魚とのファイト時、リールに負荷がかかる場面でも力負けしないこともポイントです。ファイト時の抵抗が強い大型魚、潮がよく効くポイントでの魚とのやり取りなど、リールを巻く際の負担軽減はひじょうにありがたいものです。
一方、ハンドルをロング化するデメリットとしては、回転半径が長くなることで高速でリールを巻くのにはやや不向きとなることです。またリールを巻くパワーが向上する一方でリールから伝わる微小な巻きトルクの変化がかき消されやすくなり、リーリング(=リールを巻くこと)での感度が若干、鈍くなってしまうのは否めません。
このような理由から、一般的なサイズを上げる(大きくする)カスタムとは逆に、リーリングでの巻き感度向上をねらって、ショートハンドルに替えるカスタムもあります。巻き感度の向上は巻き上げパワーの向上と反目する要素ですので、どちらに重きを置くかによりカスタムの方向性は違ってきます。
身体の負担軽減
リールの巻きと止めを繰り返す釣りでは、意外に身体への負担が大きいものです。前述したようにハンドルのロング化で得られる負担軽減は計り知れないモノがあります。魚とのやり取りで軽くリールを巻けるだけでなく、1日を通して釣りをする場合など、集中力の維持にもとても有効です。
ビギナーさんや女性アングラーでも魚のパワーに負けずにリールを巻けるのはアドバンテージであり、ファイトに余裕をもたらしてくれます。
リール性能を特化させる
もともと、ノーマルハンドルはバーサタイル(汎用)な設定ですので、カスタムハンドルを使用することで、より釣りモノに対応し特化させることが可能になります。
特化するとはアングラーがリールに求める1番大切なメリットをより高いレベルで求めるために、リールの性能をカスタムパーツで引き上げることをいいます。極端にいえば、1番に求める性能をより引き上げ、そのほかの性能を犠牲にすることとも言えます。あるいは、ある釣りモノのためにリールの性能を高めること、その釣りモノの一部のシーンでの使いやすさだけをリールに求めることなども含まれます。
【参考】実際の使用例
私が実際に使用しているリールを例に、具体的なリールハンドルのカスタムを見ていきましょう。アングラーごとにねらいや好みは異なると思いますので、あくまでの一例としてご参考に。
【イカメタル仕様】
イカメタルに使用するためにカスタムしたリール。ベイトリール100~300番に120mmのダブルハンドルを装着しています。
イカメタルで大型のイカがダブルで掛かるとその抵抗感は相当なものがあります。巻き上げ動作を楽にするためにハンドル長さを長く、そして、ロッド操作するのにリールのバランスは大切なのでダブルハンドルとしています。
スピニングリールもノーマルハンドル(55mm)よりも長いハンドル(57mm)に変更しています。巻き上げ力の向上がハッキリと感じられます。
使用したカスタムハンドル:
ベイトリール GOMEXUS社 CH-P27 120mm
スピニングリール CJ-AS30 57mm
【タチウオテンヤ・タイラバほか仕様】
300番サイズのベイトリールにダブルハンドル120mmのハンドルを装着しています。
ノーマルハンドルはシングルハンドル75mmですが、巻きやすさとバランスの向上をねらってダブルハンドル120mmに交換しています。タチウオテンヤ、タイラバなどの巻きの多い釣りモノに対応したカスタムとなっています。
使用したカスタムハンドル: GOMEXUS社 CH-T30 120mm
【ジギング仕様】
ジギング用ベイトリールに装着したカスタムハンドル。ノーマルハンドルのサイズはそれぞれ75mm、87mmですが90mm、95mmのカスタムハンドルに交換しています。
スロー系ジギングでの使用を考慮したカスタムとなっています。水深のあるポイントでの釣りやジグの操作に、巻き上げ力の向上で対応しやすくなっています。
使用したカスタムハンドル:
GOMEXUS社 LMパワーハンドル 95mm /LCパワーハンドル90mm
リールハンドルを大型化(ロング化)することでリールの巻き始めが本当に変わります。とくに女性アングラーや非力な方にはおすすめです。(ワンピッチジャークをするなど)タックルバランスが釣りのしやすさに大きく関係してくるような釣りモノでは、ハンドルをカスタムするだけで見違えるほどスムーズなロッド操作が可能になることもあります。
リールを巻きながらのロッド操作がギクシャクして上手くいかない…と悩んでいるアングラーさんは、ハンドルのカスタムをぜひ検討してみてください。
ちなみに、ご自身のリールに適合するカスタムハンドルの選定はメーカーHPや販売店で確認してください。パーツの取り付けが苦手な方は販売店のスタッフに相談したり、YouTubeなどで作業方法を確認しながらトライしてみるのもいいでしょう。
ハンドルの取り付けには「逆ネジ」を使用していたり、品番ごとに交換方法が違ったりといったこともあります。事前にカスタムパーツメーカーに問い合わせしておくのもよいと思います。
最近の傾向として、メーカー純正のカスタムリールが市販されたりとリールのカスタム化が広まっています。「ほかのアングラーとリールの差別化を図りたい」「もっと使いやすいリールにしたい」といったアングラーの要望に応えた形だと思います。
今回ご紹介したものは取り付けも難しくありませんので、かんたんに取り付けできるパーツを使ってリールカスタムを楽しんでもらえたらと思います。
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レポーターREPORTER
フライフィッシング、バス、シーバス、ロックフィッシュ、フラットフィッシュ、エギング、鮎釣りまで、さまざまなジャンルを釣りこなすマルチアングラー。現在はスーパーライトからヘビークラスまでジギング全般と、メタルスッテを中心としたイカ釣りに取り組む。
東北エリアの面白い釣りを発信することで、震災復興に繋げていきたいという熱い想いのもと活動中。
GOMEXUS社フィールドテスター /tamaTV社フィールドモニター /キーストン社フィールドサポーター などを務める。
ブログ:Anglershighごめのブログ