INDEX
釣り道具において「仕掛」は、ロッドやリール、ルアーほど脚光を浴びるわけではないが、魚に直接触れるアイテムとして、また、仕掛の良し悪しによって釣果が左右されるなど重要なアイテムだ。そんな仕掛を扱うメーカーならではのプチ知識を、開発担当者に聞いてみる当企画。「これ知ってたらお得」「釣果アップにつながる」「釣りが快適になる」…といったアイデアを紹介しよう。
今回「小物アイテムの賢い収納方法」について教えてくれたのは、エギングやショアジギ、ライトゲームからスノーボードまで(?)、幅広く外遊びを楽しむ小南さんだ。
まずは「釣りモノ」「アイテム」「釣り場」に合わせたジャンル分けから
釣りにおいて釣り竿やリール以外にも、仕掛はもちろん、オモリやライン、ルアーに至るまで、さまざまな小物が必要なのは周知の事実。目的の魚をねらうには、アレやコレやと専用の道具を準備しなくてはならない…。結果、釣り場に持って行くタックスボックスやバッカンの中はごちゃごちゃになってしまってはいないだろうか?
長年釣りをたしなむアングラーは一体どのように小物アイテムを整理・収納し、フィールドで手返しよく釣りをしているのか? 小南さんにそのコツを教えてもらった。
「ある一つの釣りモノで考えた場合、(ロッドやリールは除外して)さまざまな小物アイテムが必要になります。それらをまとめて1つのケースやバッグに収納するのは困難かつ、入ったとしても『どこに何があるのか?』分からなくなってしまいますよね。なので、まずはアイテムのジャンルごとに分けて考えることが大事です。
オモリ、スナップ、リーダー(ライン)、ルアー、周辺アイテム(プライヤーやハサミなど)といった具合に、分けて準備しましょう!」
ジャンルごとに分けて準備(物を集める)すると、それぞれの物量がまず把握できる。そのうえで、ケースのサイズを選んだり、逆に手持ちのケースサイズに合わせた物量にアイテムを絞り込むのがよいと、小南さんは教えてくれた。まずはアイテムの全体量をつかむというワケだ。
「もし、一度の釣行で2つ以上の釣りを楽しむ場合は、それぞれに先のようにジャンルを分けて考え、釣りモノごとに準備しましょう。また、場合によっては一箇所に腰を据えて釣りをすることもあれば、ランガンすることもあるかもしれません。それらを考慮して現場で小分けできるように、ウエストポーチやショルダーバッグも準備しておくと便利です」。
なるほど! フィールドで釣り場に合わせて携帯するアイテムをチョイスできるように、バッグも活用する。そのためにも、各アイテムは小分けにしておくと便利ということだ。
小分けの際のポイントはコンパクトにまとめるコト!
では、各アイテムを小分けにする際のポイントとは?
一目で分かりやすく、そしてコンパクトに!
「ルアーやオモリなどはとくにですが、重さやカラー、サイズを一目で分かりやすく収納するのがポイントですね。ケースの外側から見て分かりやすいように並べたり、重さやサイズ別にシールを貼っておくのも手です。さらに、それら小物アイテムをバッグやバッカンに収納することも考え、できるだけコンパクトにすることが大切。必要な物だけに絞り込んで収納しましょう。なんならポケットに入る程度のサイズにまとめることができれば、ランガンの際も楽ですね」と小南さん。
「また、小分けにするためにはいろいろなサイズのケースが必要になりますよね。釣り専用のケースだけでなく、100円均一ショップのアイテムも重宝します。キッチン用品やピルケースなど、日用品のコーナーを探せば、望み通りのサイズのケースを探すことができますよ!」
今どきの100円均一アイテムは本当に多種多様。釣り専用アイテムほど耐久性に優れていないかもしれないが、サイズを選ぶという意味ではありがたい。そして、アイテムを小分けにするクセを付けておけば、普段からの整理整頓にもつながるので、必要アイテムの買い忘れや重複も防げるだろう。
ケース・イン・ケースでまとめる
「それから、ジャンルごとにアイテムをまとめて、さらにそれらを釣りモノごとにまとめておけば、現場での対応も楽です。いわゆる『ケース・イン・ケース』的な発想でまとめておくんです」。
大量の釣り道具をバッカンなどに詰めて出掛ける釣り。バッカンの中を釣りモノごとに分け、さらにその中をアイテムごとに小分けにしておけば、都度、必要な物だけを取り出せる。「小分けにする・まとめる」というステップを大小(場合によっては大中小)の2段階くらいで考えればまとめやすいというワケだ。
ちなみに、アウトドアである釣りなので、衛生用品や薬なども、万が一を考慮して小分けに持っておくと安心だそうだ。
釣行後のメンテも考えておくと◎マル!
収納について大体のポイントは分かったが、ついでのアイデアとして「空のケース」を持っておくと便利だとも小南さんは教えてくれた。どういうコト?
「釣り具の収納を考える際、『持って行くこと』だけを考えてしまいがちですが、『持って帰ること』も考えておくとさらにマルです。
ルアーやオモリなど、海水や汚れにさらされるアイテムを、また元の収納場所に戻してしまうと、まだ使っていないアイテムも汚れてしまいます。なので、使った物だけを収納する空のケースを持っておいた方がよいといった話なんです。自宅に持ち帰ったら使った物だけスグに洗えますしね」。
ナルホド~。なかには洗うことを前提に、底面に穴の開いたケースもあるそうで、収納したまま水道水を掛けて洗い流せるそうだ。手持ちのケースを自ら加工してケースの底に穴を開け、DIYするのもアリだろう。
いずれにしても、釣行後のメンテナンスも考えて収納する。または、予備の空ケースを持っておくのが一歩差が付く収納術だ。
小物アイテムの収納方法として、「ジャンルを分ける」「小分けにする」「使用後のメンテナンスも考える」というのがポイント。ちょっとしたことだが、普段から工夫してみるのはいかがだろうか?
といったわけで今回はココまで。釣りに詳しいエキスパートなら「な~んだ」な知識かもしれないが、釣りを快適に、スムーズに楽しむための知識としてお役に立てれば幸いだ。
仕掛のスペシャリストとして日々開発に携わるなかで、きっとアングラーのタメになるアイデアがいろいろとあるはず! そんな目から鱗なプチ知識を発掘し、引き続きお届けしていこう。