海に囲まれた日本は数千種におよぶ魚類が棲息し、そんな恵まれた環境が世界でも有数の釣りが盛んな風土を育んだのは間違いない。そして魚種の数だけとは言わないまでも釣り方のバリエーションはほかに類を見ないほど豊富である。ということで久々の「ブラクリチャレンジ」は磯釣り番外編。昨年末から年明けにかけての磯釣行のお供に“ちょこっと”ブラクリ仕掛を持参。短時間だけど磯際に探りを入れてみた。
防波堤や護岸と同セオリー
磯際の深みでアタリが出た
【沼島・五合バエ】11月25日
昨年春~夏に3回シリーズで兵庫県淡路島、京都府丹後半島の防波堤での「ブラクリチャレンジ」をお届けしてから約半年。一応の決着をみた? 本企画だったが、レポーターにはどうしても心残りがあった。それが磯というフィールド。そこに潜む根魚は絶対に「防波堤より大きく数も多いはず」と想像できるからだ。
しかし、なかなかタイミングが合わず。ようやく磯に出ることができたのが11月25日。場所は淡路島の南に浮かぶ沼島(ぬしま)の「五合バエ」という足場が低い磯。フカセ釣りの釣果は40cmクラスのイサギを頭にまずまず納得できるものとなったが、フカセでアタリが出だしたのはお昼を過ぎてからだった。
ということでフカセ釣りのアタリが遠かった午前中に“ちょこっと”ブラクリチャレンジ。潮が高く磯の突端を時折、波が洗う状態だったので、数歩下がった足場から磯際に4号のブラクリにサンマ切り身のエサでガシラ、ササノハベラが数尾ヒット。ここでも過去3回のシリーズで確信した「周囲よりできるだけ深いスポット(穴など)に仕掛を落ち着かせる」というセオリーは生きていた。
この日は試しにバス用のワームも使ってみたがアタリなし。これは私自身の(ゼロに等しい)ルアースキルの問題だろう……たぶん。あるいはフレーバー付きのワームだったら? と思わないでもない。
大敵は波と速い潮流!
ヘビーなブラクリ仕掛の必要性を実感
【宍喰・沖ジャクシ&大バエ】12月28日&1月20日
2回目は年の瀬12月28日。場所は徳島県最南部の宍喰。磯は「沖ジャクシ」という、これまた足場が低い磯。フカセ釣りの本命グレは30~38cm5尾と、まずまず納得の竿収めができたわけだが、「“ちょこっと”ブラクリチャレンジ」は、これまたガシラがちょこっと。
釣り方は沼島釣行時と変わらず4号ブラクリにサンマの切り身エサ。やはりアタリが出たのは磯際のなかでも、できるだけ水深があるピンスポット。しかし、根掛かりを恐れず沖に仕掛を投げ入れてボトムを叩いてみてもアタリは出なかった。ナゼ?
実は年明け1月20日にも同じ宍喰に初釣り釣行。磯は高知県境が目の前の大バエという磯。この日は潮が悪かったのか、フカセ釣りの釣果も全体に低調で“ちょこっと”ブラクリもササノハベラだけ。
ただ一つ収穫があったのは、磯でねらうならかなり重いブラクリも用意する必要があるというのが分かったこと。この大バエでは波があり潮の流れもかなり速く4号のブラクリではまったく底が取れなかったのだ。持ち合わせがなかったのでブラクリ上にガン玉4B~5Bを複数打ち、なんとかベラのアタリは取ることができたが、磯で釣る場合は10号ぐらいのものを持参するほうがよいだろう。
貝類や甲殻類をエサに
夏場のイシダイやハタ類に期待しよう
磯でねらう場合はエサも考えたほうがよさそうだ。防波堤のガシラねらいでは絶対的な威力があるサンマの切り身にこだわりすぎるとよくないのかもしれない。たとえば磯に付着しているジンガサなどの貝類や磯を這っているカニやフナムシなどを捕まえてブラクリに刺してみると思わぬ好結果が出るかもしれない。また大型魚にはエサのボリュームも必要と思われるのでブラックタイガーなどの食用エビなどで試してみるのもよいだろう。
とにかく磯では良型のイシダイなど石物やハタ類に期待したい。ただし、それ相応の頑丈なタックルが必要だが…。
今回は晩秋以降の釣りしかできなかったのが残念だったので、できれば磯の石物やハタ類の活性が高い夏場に試してみたい。マジ暑いのはつらいけど……。