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三陸で釣れるロックフィッシュというとアイナメ、ベッコウゾイ(タケノコメバル)、ムラソイ(オウゴンムラソイ含み)、クロソイ、マゾイ、メバルなど。そのなかでも三陸のロックフィッシュといったらアイナメが主役です。
シーズン的には10月後半から早い場所では釣れ始め、11月後半~12月前半にハイシーズンを迎えます。この時期はアイナメがスポーニング(産卵)のために浅場に接岸しシャローエリアでねらって釣れるようになります。
今回はハイシーズンをむかえる三陸ロックフィッシュのなかでも、ボートからアプローチするボートロックについてお伝えしたいと思います。
ボートロックとは?
基本的にはソフトルアーを使ったルアーフィッシングで船からロックフィッシュをねらうわけですが、おもに遊漁船、ガイド船を利用しての釣りになります。陸からねらうのとは違って、船で移動しながらポイントを撃っていくラン&ガン(ランガン)でねらっていきます。
船長も釣り好きの方が多くロックフィッシュを熟知していますから、その時々でよいポイントに案内していただけるので安心。もちろんロックフィッシュ初心者の方には釣り方も教えてくれますから、「ロックフィッシュってどう釣るんだろう?」といった初めての方にとくにオススメです。
ボートロックでのタックル
タックルはベイトタックルとスピニングタックルの2種類あり、それぞれに長所がありますが、初心者の方には扱いがカンタンで汎用性の高いスピニングタックルをオススメします。
スピニングタックル
長さ7ft(フィート)前後のロックフィッシュ専用ロッド、またはML(ミディアムライト)以上のバスロッドと2500番以上のスピニングリール。ラインはPEラインの1号前後にリーダーはフロロカーボンラインの12lb(3号)~20lb(5号)。
スピニングタックルは「扱いがかんたんで軽いリグが扱いやすい」「ロングキャストできる」といったメリットがありますが、反面パワーが足りずアイナメに根に潜られたりする場合が出てきます。しかし食いが渋いときなどは軽いリグで食わせたり、小魚を追ってるときなどはスイミングで食わせたりと活躍の場面は多いです。
ベイトタックル
長さ7ft前後のロックフィッシュ専用ロッド、またはMH(ミディアムヘビー)以上のバスロッドにベイトリールの組み合わせ。
リールはバス用の物でOKですが、ロックフィッシュはパワー勝負になりますのでボディ剛性の高いモデルで100mm前後の長めのパワーバンドが付いていると楽です。ラインは12lb(3号)~20lb(5号)のフロロカーボンライン、最近は「感度がよい」「根掛かりを外しやすい」などの理由からPEラインの1号~2号を選ぶ方も多くなってきました。
ベイトタックルはピンポイントへのキャスト精度が高く、巻き取りパワーが強いのが特徴。
ボートからのロックフィッシュではキャスト精度が釣果を左右すると言っても過言ではありません。的確にロックフィッシュが居そうな岩礁やテトラの隙間などをねらう必要があるからです。また、ヒットしたアイナメを素早く根から引きはがすにはパワーも必要です。その意味で、ベイトリールでのタックルがオススメなんです。
仕掛(リグ)
根掛かりしやすい岩礁帯を主にねらうので、根掛かりしにくいテキサスリグがメインとなります。
重さは10g~28gの中通しのシンカーで、素材は「鉛→ブラス→タングステン」の順で硬さと値段が上がります。それぞれに特徴がありますが、「硬い」=「感度がよい」といった具合。硬いほど感度がよく着底が分かりやすい、また根掛かりを回避しやすいので、高価ですがタングステンのシンカーが1番のオススメです!
ルアーはロックフィッシュ専用、またはバス用のソフトルアーを使います。形状はいろいろありますが私のなかでは基本的に3タイプを使い分けます。
①.クロー系ホッグ系ワーム
アイナメのメインベイトであるカニを意識して使用します。この時期1番出番の多いルアーです。
②.シャッド系ワーム
小魚を意識して使用します。クロー系に反応が悪いときやイワシなどが回遊していたら出番です!
③.グラブ系ワーム
万能タイプ。使い方でカニにも小魚にも化けてくれるのでグラブ系だけでもなんとかなります(笑)。いろいろ揃えると予算も高くなりますから、始めはグラブ系がオススメですね!
ルアーのアクション、
どう動かしたらいいの?
アクションの基本はリフト&フォール!
ねらいの場所にキャストして着底させてから、ロッド操作でリグを持ち上げまた底まで落とす。この繰り返しが基本動作になります。
アイナメの場合はエサを見つけてから追いかける射程距離が広いので、リグを高く持ち上げで広くアイナメにアピールすることが釣果アップに繋がります。アタリはだいたいフォール中。とくに着底直前に明確に出ますので、アタリがあったら糸フケを巻き取り思いっきりアワセます。この瞬間がロックフィッシュ1番の醍醐味です!! あとはアイナメに隙を与えずゴリ巻きです。
小魚が群れで泳いでいたら巻き巻き。
アイナメは小魚なども盛んに追いかけ捕食します。もし小魚が群れで泳いでいたり、アイナメのバイトが回収中にあれば、シャッド系ワームのスイミング(巻き巻き)が有効です。この場合は着底したら、あとはタダ巻きするだけ! やる気があれば途中でガツンとバイトしてきます。
基本的なこととしてはこんな感じでしょうか!
2020年シーズンは?
2020年11月某日。様子見がてら、シーズン初のボートロックに行ってきました。
いつもなら、アイナメがスポーニングに備えミドルレンジで荒食いをしていてもよい時期なのですが、当日はまばらでちょっと早い感じでした。やはり温暖化の影響なのか、年々シーズンがズレ込んでいっている感じがします。
それでもコンディションのよいアイナメが顔を見せてくれたり、ゲストのクロソイ、黄金ムラソイ、マゾイ(キツネメバル)、ベッコウゾイ(タケノコメバル)とロックフィッシュ五目を達成するなど、今後に期待を感じさせる釣行でした。
これからハイシーズンをむかえる三陸ロックフィッシュ。今年はシーズンのズレ込みこそあれ、水温も順調に下がってきているので例年並みに楽しめそうです!
手軽に楽しめるボートロックにチャレンジしてみてはいかがでしょうか!
レポーターREPORTER
東北は宮城県気仙沼市在住
宮城・岩手を中心に陸っぱりからオフショアフィッシングまで、季節ごとに魚を追いかけるハヤブサフィールドスタッフ。ライトゲームやジギングを得意とし、幅広く活躍するソルトルアーのエキスパートだ。