人生で一度は体験してみたい!車中泊で巡る旅と釣り
【後編:九州一周の旅】

【佐賀県】この旅最大の目的!
ライギョの聖地でトップカバーゲーム!!

028 ライギョ(雷魚)

実は、九州の旅の最大の目的は数年前から中毒化している「ライギョゲーム」にあった。
例年夏休みを利用して1週間弱の滞在をしていたが、今回は時間にとらわれずにライギョゲームを楽しめる。夏本番前のため活性は少し低かったが、長期滞在(約10日間滞在)したおかげで、過去最高の本数をあげることができた。やはりトップカバーゲームは中毒性があって楽しい!!

物干竿のように硬い竿をフルキャストし、カバー(ヒシやハスなどの水面に浮く水草)の上をフロッグを通していく。いつ水の中からライギョがアタックしてくるか分からないドキドキ感は、ほかの釣りとは違う興奮が待っている。フッキング(魚が口に掛かること)した瞬間の達成感と、取り込むまでの不安感。これがライギョ沼にハマってしまったキッカケであった。

私が使用したタックルは、クリーク(小川・小運河など)対応の7ftのロッド、6000番前後のベイトリール、10号のPE ライン、ルアーにはライギョ用のフロッグ(バーブレス)という組み合わせ。
カバーの上を通す釣りで、大量の水草ごと引き上げることがあるため、確実に釣り上げるためにも太い糸(PEライン10号前後)を使用する必要がある。また、魚を釣り上げたあとは草むらなどにそっと置き、オープナー(魚の口を開ける器具)とプライヤー(ペンチ)でルアーを外し、優しくリリースすることがライギョ釣りのマナーとなっている。
ライギョだけでないが、魚のためにも、釣り人のためにも、マナーやルールは必ず守って楽しんでほしい。

※ライギョの歯はものすごく鋭利なため、絶対に素手でフックを外すことはNG。そしてライギョのためにも、必ずバーブレスフックのフロッグを使用することがマストである

029 カバー
030 ライギョ
カバーと外道のナマズ。思いのほかナマズのバイトも多い

佐賀では数日カプセルホテルに宿泊。身体が伸ばせる部屋と布団のありがたみを感じつつ、夜は漁港でのナイトゲームにいそしんだ。
夜にエギングとワームで遊ぶと、カサゴとコウイカをものの数分で釣ることができた。佐賀県は本当に魚が素直だ。カサゴはリリースしたが、釣ったコウイカはその場でさばき、美味しく刺身でいただいた。自ら釣ったイカを刺身に飲むビールは格別としか言いようがない! これこそ「釣り人最大の特権である」と毎度ながらに感じつつ、釣りと食を堪能したのであった。

032 カサゴ
033 コウイカの刺身
夜に近くの漁港でライトフィッシング
031 カプセルホテル
佐賀で利用したカプセルホテル。布団のありがたみに身体の疲れも若干取れ、ナイトゲームを楽しめる余裕も生まれた

【長崎県】坂の町は異国情緒あふれる街並み

034 平和祈念像
平和祈念像

約10日間過ごした佐賀を離れ、次に訪れたのは長崎県。まずは「平和公園」に足を運んだ。
日本人として忘れてはならない悲しい歴史、その歴史を学ぶためにも個人的に一度訪れたいと思っていた場所である。公園内にはさまざまな戦争時のメッセージが残されており、戦争の愚かさ、そして悲しさに、改めて胸が締め付けられた。

私が言うのも恐縮であるが、絶対に忘れてはならない事柄は繋いでいかなければならないと思う。時間が経つと風化してくるが、やはり日本人が忘れてはいけない歴史がここにはあった。実際に現地に赴かないと感じることができない、知り得ない物事はやはり多い。
平和公園に訪れたことは私の中で大きな経験となった。

035 長崎県
036 長崎の街並み
長崎の街並み

平和公園

住所:〒852-8118 長崎県長崎市松山町
HP:https://www.city.nagasaki.lg.jp/sumai/630000/632000/p005153.html

名残惜しいが帰宅する時を迎える

長崎県を周り、もう一度佐賀県に戻り数日またライギョゲームを堪能したあと、帰路に着く時期がやってきた。思いのほか九州に長期滞在したため、当初予定していた日本海エリアに行くことが難しくなってしまったが、これもまた無計画な旅ならではの最後らしいと感じていた。

名残惜しさを引きずりつつ、最後は九州から神奈川県まで高速を利用し、一気に約2日で自宅へ…。あっという間に帰宅し、旅は終わりを迎えたのだった。

037 走行距離
最後に、今回の旅の走行距離! 6410km

見えてきた車中泊の旅の良し悪し

038_ 車中泊の車内

3部にわたって紹介させていただいた旅の記事は今回で幕となる。そして、車中泊の釣り旅を終えて振り返ると、釣り人目線で「よい点と反省点」が見えてきた。

039_ 車中泊の車内2

よい点は、車の天井部にロッドホルダーをつけたことは大成功であったということ。そのおかげで数多くの釣り竿が全く邪魔にならずに積めた。セッティングしたまま収納もできたため、釣り場に着くとスムーズに釣りが行えた点はストレスフリーでよかった。さらに、寝床を常時セットしていたことで、釣りが終わってすぐに仮眠が取れたのは大変ありがたかった。

反省点は、釣り具の収納と荷物の量であった。タックルボックスの中をもう少し細かく分けて収納すれば、もっとスムーズだったと思う。そして、「足りないかも…?」と考えて過剰に持っていった釣り具の量は、結果、室内を圧迫していたように感じる。現地の状況次第で仕掛は変わるため、もう少しセーブして荷物を持っていけばよかった…。結局現地で補充(購入)してしまうことが多かったからだ。

 

いずれにしても、今回の時間にとらわれない自由なバケーションは、私の中で忘れられない思い出となった。そしてこれからのライフスタイルに影響する出来事になったと感じている。
楽しいこと、感動することが多かった車中泊の旅。しかしながら夜中に迷い込んだ山道、寝床に困った道中、そして時折襲ってくる寂しさ…。正直楽しいだけではなく、キツイと感じることもあったが、終わってみると全てがよい思い出となっている。
私にとって財産となったこの度の経験を生かし、次は北海道の旅を行おうと思案中だ…。

みなさんも人生で一度、長期の「車中泊の旅」に出掛けてみてはいかがだろうか? 釣り竿をもって。

 

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レポーターREPORTER

JP
プロフィール:JP
長年にわたり釣り業界のメディアに携わり、現在はフリーランスとして活動。時間ができれば釣りをはじめキャンプなどのアウトドアの趣味を楽しんでいる。
釣りは川釣りから海釣りまで、さまざまな釣りを経験してきたが、最近はブラックバスやスーパーライトフィッシング、マダイの一つテンヤといったジャンルを好んで釣行する、フリーランスアングラー。