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思い通りに釣れないときは
醤油屋さん巡りでキマリ!
1杯釣れはしたものの、そこからはなかなか厳しい時間が流れます。アチコチとめぼしいポイントをランガンするも全くの気配なし……。いつ捕食スイッチが入るか分からない春イカなので、もちろんこういった状況でもキープキャストでねらい続ける必要はあるのですが、今回は醤油ロードの趣旨もあるということで、思い切って醤油屋さんへ伺うタイミングとしました。
ポイント移動する際に偶然にスマホのマップで見つけた「藤野醤油醸造元」さん! お店の前を通ると、これはこれは、なんとも趣のある店構えではありませんか。はやる気持ちを抑えつつ、専用駐車場に停めていざ突撃でございます。
店内も素晴らしい雰囲気です。歴史の詰まった空間がヒシヒシと伝わってきます。そして、女将さんと言葉を交わしつつ、いろいろと教えていただきました。
創業は大正9年。厳選された国内産丸大豆、小麦で麹を造り、原塩を那智山連峰の伏流水で溶解して仕込水とし、昔ながらの技法でじっくりと熟成させた天然醸造。このくだりだけで、もう完全に胸キュンでございます。醤油のラインナップも多く、農薬不使用、遺伝子組み換え原料不使用、そんなオーガニックを基軸としたこだわりの品揃えはどれもこれも魅力的で、どれを購入しようかひじょうに迷います。
しかし先ほど釣れたアオリイカには、とりあえずは再仕込み(たまり)醤油の「さしみかけしょうゆ」でしょうか。熟成期間は約1年半、そこから再びまたしぼって麹を加えて仕込むこと約1年半。もう奥深さが食べる前からビンビンと伝わってきます。
奥の方では長年のキャリアが見てとれる方々が作業をされていました。そして、別室には一升瓶たちがズラリと積み上げられています。どれもこれも、まさに長きに渡ってこだわりが詰まっている空間そのもののパワーを感じます。飛び込みで失礼ながら、心優しい女将さんから貴重なお話も聞くことができて満足! 美味しいお醤油を数本購入させていただきお店をあとにしました。
ありがとうございました!
あとは納得の春サイズを釣るだけ!
さて、ここからは一気にはしょっていきます(笑)。要するに釣れませんでした!
釣り場をウロウロしているとさまざまな情報交換がでできるわけですが、昨日はここで数人の方が2桁釣ったとか、2kgアップがあそこで釣れたとか…。もちろん期待を膨らませつつ真剣にシャクリ倒しました。
夕マヅメにはドラマがやってくる! そう信じつつ、日は静かに暮れていきました。夕焼けが美しく「ここはロサンゼルスでしょうか?」的な美しい空間にも癒されましたが、後半戦の結果はノースクイッド! 完敗でございます。引き上げる周囲の釣り人たちからもイイ声は聞けませんでした。昨日と今日で海に、アオリイカ界に、何が起こったのでしょうか? これも春イカツンデレあるあるの恐ろしい一面。でもまあ、その心は豊かなのです。
デイゲームに的を絞ってのチャレンジ、一生懸命頑張りました。そして何より素晴らしい醤油にまた出会えたことに感謝でございます。
思い返して噛みしめる旨味は、
口の中に広がり続ける
ということで、無事帰宅をすませ、早速お土産のアオリイカをさばきます。お風呂に入るよりも、寝不足で布団に潜り込むよりも、一刻も早く「藤野醤油醸造元」さんのたまり醤油で食べたくてしょうがないのです(笑)。
手際よくマッハでさばきつつ、チョンと醤油をつけて口に頬張ります。「ブッハー! 旨い! これこれこれこー!」と一気に謎の安堵感や喜びや幸福感が、旨味とともに込み上げてきます。味わいはお店で説明を聞いていただけに、深みや奥行き、味わいの背景までも舌で探してしまいました。
たまり醤油は、甘くて美味しいネチッとしたサイズのアオリイカにひじょうにマッチします。さらに、好みという次元を超えた正当な旨味、王道の旨味、これを感じざるにはいられません。ひとしきり刺身を食べ終え、古くからアオリイカの聖地で愛され続けた味を十二分に堪能させていただきました! 感謝の気持ちを込め、ご馳走様でした!
ということで「醤油ロード 第2章」これにておしまいでございます。醤油あるところに追い求めるターゲットあり。次回はまたどんな出会いが待っているのか、想像するだけで、すでに今からワクワク状態です(笑)。
それではみなさん、また醤油片手にお会いしましょう。
レポーターREPORTER
幼いころより釣りに傾注し、さまざまなジャンルの釣りを愛してきたマルチプレーヤー。兎に角、自然と対峙する遊びが大好物。でも…気が付けばもう四十路後半、目指せ中年の星をモットーに日々精進中。普段は自身が手掛けるオリジナルブランドNUTS&VOLTZにて、サブフィッシングギアのデザインに奮闘する日々。
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@yochiyamax (URL: https://www.instagram.com/yochiyamax/)