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もうエギングも長いことやってると、ある程度のことは想像がついてくる…。「この時期に、このタイミングで、このエリアに春のアオリイカたちは差してくる。ならばあの場所をねらってみるか」なんて……。
とは言いつつ、毎シーズン新たな発見があるのも確か。そして、醤油もそうだ(笑)! と無理やりこじつけてみましたが、通い慣れた場所の近くにもこんな醤油蔵元があるんだ! といった具合で、またまた素晴らしい醤油と出会いました。
といったわけで醤油ロードの第2回目は、和歌山県那智勝浦にある藤野醤油醸造元さんをクローズアップ!
今回はもちろん春イカねらいで訪れたんですが、アオリイカも醤油も古くより聖地的なメッカである和歌山エリア。アオリイカ釣りの歴史も長いのですが、醤油の歴史もまた長い。ま、当たり前っちゃ当たり前のことですが、その昔も海にはアオリイカがウヨウヨしてたに違いなく、グルメな御仁(ごじん)たちは、アオリイカを藤野さんのところの醤油で舌鼓していたに違いないと想像できます。そんな思いを馳せつつ、「時代は変われど、変わらない味わいがある!」的なロマン釣行気分でスタートです。
まずは聖地のアオリイカたちにご挨拶
基本的に南紀エリアは昔から年中アオリイカが釣れる聖地的な場所であります。古より漁師さんのメインターゲットでもあり、釣りでは、生きアジを使用したヤエン釣りがエギングよりも造詣は深く、人気が高い釣りモノとして賑わっていました。もちろんエギの伝統も古く、30~40年前までは長い磯竿にエギを付けて上下に動かしながら磯際をねらって探るという釣法も盛んだったと話を聞いたことがあります。
また、紀伊半島も西側と東側で黒潮の影響からか状況が違います。水温が安定するまではなおさらで、春先はとくに西側と東側のどちらに行くか毎回ひじょうに悩みます。今回は藻の発育がよいかなという印象もあり、東側に周り竿を出してみました。
まずはワンド形状になっているシャローエリアに的を絞り、産卵を意識して接岸する親イカをねらいます。ポイントは無数にあると言っても過言ではないこのエリア、しかしながら、イカの群れが今どこに寄っているのかを当てるのはひじょうに難しい作業なのです。ランガンしながらフィールドの状況を観察しつつ、気まぐれな春イカのスイッチが入るまで辛抱強くシャクリ続けないといけません。
もちろん昨日釣れたからといって、今日も安心して手堅く釣れる! といったこともありません。ツンデレで読みにくい春イカ攻略、気合を入れてデイゲームに全力を注ぎつつ取り組みました。
藻のキワからひょっこりコンニチワの1杯
「とりあえず釣ってやる!」と、意気込み過ぎると空回りするのが春イカのツンデレな部分。なので、じっくりと風光明媚な空間で心の洗濯をしつつエギをキャストです。
藻場ねらいの鉄則、切れ目やポケットといった回遊コースとなるエッジ部分を重点的にねらっていきます。このストラクチャー際という状況が強ければ強い程タイトに攻めて、テンポやフォールスピード、ボトムステイの間隔などを調整しつつ誘っていくのです。もちろん、目視で確認できる範囲はイカが浮いていないか、エギの後ろを追尾してきていないかなどを、集中力を切らさず確認していきます。
そうして丁寧に探っていると、とある藻の切れ目から茶色い影がスッと現れてエギの方向へ一目散。すかさずフォールを入れてやると、迷うことなく「ムギュッ」と抱いてくれました。スゥイープにアワセを入れると、クイクイと小気味よい釣趣で抵抗するアオリイカ。ねらいのサイズには程遠い300g程度の個体ですが、とりあえずのウエルカムフィッシュに安堵したのでした。