(※当記事は緊急事態宣言前に実釣されたものです)
みなさんは「のべ竿」をご存知ですか? のべ竿とは竿先にそのまま糸を結んで使う竿のことです。のべ竿といえば、渓流釣りやコイ釣り、ヘラブナ釣りなど淡水の釣りもので使うイメージが強いですよね。
そんな「のべ竿」を使って何か楽しい釣りはできないか…と思い、「堤防サビキ釣り」にチャレンジしてみました。
小さな子どもから大人まで手軽に楽しめる「堤防サビキ釣り」。一般的にはガイドのついた万能振り出し竿や投げ竿を使用するのが主流です。最近ではルアーロッドなどのコンパクトロッドでサビキ釣りを楽しむ人が増えているようで、専用仕掛も登場しています。
ガイド(糸を通すリング)のついた竿にはリール(糸を巻き取る道具)を取り付ける必要があり、基本的には「リール+ロッド」のセットで使用します。
「リールの使い方がイマイチ分からない…」「ルアーロッドは持っていないけど、のべ竿なら…」という方、今回はリール不要! のべ竿だけで楽しめる堤防サビキをご案内します!
必要なものはコレだけ!?
だから手軽に楽しめる!
まずはどんな道具をそろえたらよいのか、サクッと紹介させていただきます。
私の堤防のべ竿サビキスタイルは「バケツ」に詰め込むのがこだわりです。使用するバケツは取っ手付きの水汲みバケツです。取っ手があれば持ち運びも楽ちん、仕掛やエサなどすべてひとまとめにできるので移動もカンタンです。魚が釣れてキープしたいときにはキーパーバケツとして使ってもよし! クリア仕様のバケツも販売されているので、魚の観察にもピッタリです!
肝心な「のべ竿」ですが、選び方がポイントになります。のべ竿の種類と硬さ、長さは慎重に選択しましょう。
まず種類ですが、渓流用などの「専用(のべ)竿」と「万能のべ竿」があります。堤防でサビキ釣りをする際には、いろいろな釣りものに対応している「万能のべ竿」をオススメします。価格も渓流竿(専用竿)と比較してリーズナブルに購入できます!
次に硬さですが、ある程度の負荷(重さ)が背負える調子を選びましょう。サビキ釣りでは仕掛の下にオモリ付きの「エサカゴ」をセッティングします。また、魚が掛かればその分、重みも加わります。硬さとしては「中硬調子」がオススメですが、分からない場合には対応魚種にアジやサバが含まれているもの、「サビキ釣り対応」と明記されているものを選択すると間違いがないと思います!
最後に長さです。長さはのべ竿の「最大の弱点」と言ってもよいかもしれません…。その理由は、「のべ竿の長さ=仕掛の長さ」だからです。基本的にのべ竿の釣りでは、仕掛を短くすることはあっても、のべ竿の長さ以上の仕掛は取り回しが悪く使いません。釣りはタナ(魚が釣れる層)が合っていないとなかなか釣れないため、水深が深い釣り場で、タナも深いとなればのべ竿の釣りは難しくなります。また、堤防の足下ではなく、少し遠いポイントで釣れることもあります。
そんなことから、釣り場の水深やポイントにもよりますが、4m~7mの長さの竿を選ぶとよいでしょう。さらに、より多くの釣果を求めるのであれば、より深く、遠いポイントまで探れる長い竿が有利になります。
のべ竿のほかには、「道糸」「仕掛」「エサカゴ」「エサ」があればすぐに堤防サビキがスタートできます。
まず、道糸はナイロンラインの1号~2号を使用します。そして、道糸の長さは仕掛の全長に合わせて調整しましょう。たとえば仕掛の全長が1m、竿の長さが4mの場合、「竿の長さ―仕掛の全長=必要な道糸の長さ」となりますので、この場合に必要な道糸の長さは3mとなります。
ちなみに、釣り場で長さを測るときには、「1ヒロ(ひとひろ)」を用いることで必要な道糸の長さをおおよそ測ることができます。「1ヒロ」とは人が両手を広げた長さのことで、「1ヒロ=約150cm」といわれています。しかし、当然ながら1ヒロの長さは人によって若干違うため、自身にとって1ヒロがどれぐらいかあらかじめ測っておくとよいでしょう。3mの道糸が必要であれば2ヒロ分の道糸を取ってカットします(1ヒロ約150cmの場合)。
道糸がカットできたら、竿先に道糸を結びます。竿先には「リリアン」というヒモのような部品が取り付けられていますので、そこに道糸を結びます。道糸の結び方は「チチワ結び」をオススメします。チチワ結びなら初心者でもかんたんです!
道糸が結べたら、「仕掛」をセット。サビキ仕掛はエサに似せた擬似餌(ぎじえ)バリがいくつも付いた仕掛で、堤防でアジやサバなどを釣る定番仕掛です。擬餌(ぎじ)の種類やハリの本数など、種類はさまざまですが、お好きな擬餌や直感で「コレ!」というものを選んでみてもよいかもしれませんね!
ここでおさらいですが、竿先から「道糸」「仕掛」を結んだので、最後に仕掛の一番下に「エサカゴ」を取り付けて、のべ竿サビキのセット完了です! あとは釣るだけ!
のべ竿ヨシ!仕掛もヨシ!セット完了…
あとは釣るだけ!
道具のセットが完了したら、実釣スタートです。この日(季節は秋です)のターゲットはアジ。夕まずめ(夕方の時合)にアジが回遊してくると予想し、夕暮れどきに竿を出してみました。ある程度水深のあるポイントを選び、仕掛を投入。竿を上下に動かしてエサカゴからマキエを出します。
サビキ釣りのポイントは「魚のいるタナ(魚の釣れる層)でエサと擬似餌を同調させる」ことです。魚たちは擬似餌を本物のエサだと間違えて食べにくるので、サビキ釣りで釣果を伸ばすためにも押さえておきたいポイントです!
座り込んで魚からのアタリを待つこと数分…「トトンッ」と竿先から手元に伝わる反応。ようやくアジが回遊してきてくれました! 魚が食いついたことを確認して、ゆっくりと釣り上げます。
「釣れた!」
この日1尾目のアジが釣れてくれました。マキエが効いてくるとたくさんのアジがエサに寄ってくるので入れ食い状態に! これだからサビキ釣りは面白いんですね~。のべ竿はアタリがダイレクトに手元まで伝わってくるのでアタった瞬間がクセになります!
のべ竿の曲がりを味わいながら、日が暮れるまで堤防のべ竿サビキ釣りを楽しむことができました!
今回は、堤防のべ竿サビキ釣りの楽しみ方を紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
冒頭にも書いたようにこの釣りはルアーロッド、リールを必要としないシンプルな釣りです。のべ竿を持っている方は、ぜひ今すぐチャレンジしてみてください。また、持っていないという方も、のべ竿1本あれば今回のような堤防サビキ釣りも楽しめますし、川や池といった淡水の釣りや、その他さまざまな釣りものにも使えちゃいますのでオススメです!
「シンプル」「かんたん」という魅力もありますが、ダイレクトに伝わる竿の曲がりや魚の引きを楽しめるのも、のべ竿ならでは。近年ではのべ竿で大型魚をねらう釣りも流行っているようで、ブーム到来の予感!? 初心者から、子どもさんや女性の方でも楽しめる堤防のべ竿サビキ釣り。ぜひ、試してみてください!
(※当記事は緊急事態宣言前に実釣されたものです)
レポーターREPORTER
1998年岐阜県生まれ /岐阜県在住
「海なし県」育ちということもあり河川で釣りを覚え、渓流ルアーフィッシングや鮎の友釣りをメインに釣りを楽しむ。釣具メーカー・ハヤブサに勤務し、最近は堤防・磯釣り・船釣り、SWルアーフィッシングなどに触れながら、日々勉強中。