知っていれば快適!フィールド豆知識 No.16 まだまだ肌寒い季節
釣り場で効率よくお湯を沸かす方法

長年釣りをしていると当たり前のことでも、釣りを始めて間もない人にとっては「目から鱗!」「そうだったのか!」という、ちょっとしたノウハウをお届けするのがこのコーナー。釣果に直接かかわることではないけれど、アナタの釣りが快適になるかもしれない!? ほんのちょっとの工夫とアイデア。
今回は釣り場でお湯を素早く沸かす方法。春真っ盛り、汗ばむ陽気の日もあるけれど、まだまだ朝夕は肌寒いし夜間は冷え込むことも。そこで嬉しいのが温かいお茶やコーヒー、味噌汁などなど。おなじみのアウトドア用コンロから、シンプルだけど火力抜群の方法まで!

01 仲間と温かいコーヒーで一息
温かいコーヒーやお茶でほっと一息。釣りがますます楽しくなる

手軽なアウトドア用コンロは
強風が泣き所!

釣りに限らずアウトドアでお湯を沸かす際、もっとも手軽なのがツーバーナーなどアウトドア用コンロを使う方法だろう。専用ボンベ上部に五徳(ごとく)付きのバーナーをセットし、コッヘルや小さな目のヤカンに水を入れて着火。五徳は折りたたみ式、バーナー部は分解できるようになっているので軽量コンパクト。だからアウトドアで重用される……というより、もともとがアウトドア用に開発されたものだろう。

02 ガスバーナー
03 鍋焼きうどん
アウトドア用のコンロ。軽量コンパクトで荷物もかさばらない。お湯を沸かすだけでなく鍋焼きウドンなども熱々が味わえるが風には弱い

したがって釣り場でも、たいていはこのバーナーで事足りるのだが……。問題は風が強い場合だ。そよ風程度なら大丈夫だが、そこそこ風が強いと火が消えてしまうことが多く、なかなかお湯が沸かせない。そこで専用の風防などを利用し風対策をするのだが、荷物が多くなってしまう。キッチン用アルミ製の油はねガードでバーナーを囲う手もあるが、軽いので上手に固定しないと間違いなく風で飛ばされる。

04 風がなければお湯が沸かせるが
04b_ 風防
風が弱ければ、この状態で問題なくお湯が沸かせるが強風時は風よけ対策が必要だ

そこでカンタンな方法としてタックルバッグやクーラーボックスなどで少しでも風が入らないよう周囲を囲ってしまうのがオススメ。でも、やはり……完全には風を防ぎきれない。「ちょっと目を離したスキに火が消えていた」ということがよくあるのだ。

ポットのお湯を再沸騰させれば
時間を大幅短縮!燃料も節約!

そこで少しでも湯沸かし時間を短縮、弱い火力でも沸騰させられるように、あらかじめキンキンに沸かしたお湯を持参すればよいのだ。自宅で沸かした熱湯をステンレス魔法瓶、ステンレスポットで釣り場に持ち込もう。

05 ステンレスポット
コンロに加えてステンレスポットも活用すれば効率よくお湯が沸かせる。ポットはできるだけ容量の多いものほどお湯が冷めにくい

時間とともに温度は下がるが、ある程度冷めてしまっていても、常温の水から沸かすよりも断然沸騰までの時間が短縮できるし燃料の節約にもなる。自宅出発から時間が経っていなければ当然そのままでホットなコーヒーやお茶はOK。日帰り釣行ならポットとコンロの二段構えが効率的だ。

軽量コンパクト!
ハンディーバーナーが威力抜群!

06 ジェットボイル
風に強く便利な「ジェットボイル」だが一式そろえるとなると……

風に強く火力もあり燃料消費も少ない……ということではバーナー部とクッカー部が一体化された「ジェットボイル」が有名だが、モデルによってはそこそこ本体が大きく意外とかさばるし、何よりお値段も……。

 

そこで意外や意外! 釣り場でお湯を沸かすだけなら! とうことでオススメなのが、調理で素材表面に焦げ目を付けるときなどに利用するカセットボンベ用のハンディーバーナーだ。燃費はあまりよくないようにように思うがガス全開での火力はかなり強く風にも結構強い。

水を入れた小型のヤカンなどの横っ腹に火を当てる。これだけで一般的なアウトドア用コンロよりも沸騰までの時間はかなり早い。防波堤では平らなところで、磯などでは岩の窪みを上手く利用し、ヤカンとバーナーを安定させよう。くれぐれも周囲に火が燃え移らないよう充分に注意してほしい。

07 ハンディ―バーナーで沸かす
カセットボンベとハンディーバーナーでヤカンの横っ腹に火を当てるだけで素早くお湯が沸かせる。火の管理には充分気を付けて!

 

昨今のアウトドアブームで河川敷の草むらなどの小火(ぼや)騒ぎ、キャンプ場の火の不始末での山火事などが大きな問題になっているので、火の使用には細心の注意が必要だ。もちろん火の使用が禁止されている場所ではコンロもバーナーも絶対御法度だ。