知っていれば快適!フィールド豆知識 No.12 刃物の切れ味カムバック
【第1回 フィッシングナイフを研ごう!】

出典:写真AC

長年釣りをしていると当たり前のことでも、釣りを始めて間もない人にとっては「目から鱗!」「そうだったのか!」という、ちょっとしたノウハウをお届けするのがこのコーナー。釣果に直接かかわることではないけれど、アナタの釣りが快適になるかもしれない!? ほんのちょっとの工夫とアイデア。
前回まで魚を美味しくいただくために現場での締め方をお届けしたわけだが、締め具として欠かせない刃物は切れ味鋭いほうがよいに決まってる! ということで今回からは刃物の研ぎ方。第1回はフィッシングナイフだ。

釣り場でカンタンに!
オイルストーン1個で研ぐ方法

準備するのはオイルストーンなどハンディータイプの砥石1個だけ。ナイフの刃を手前にし動かないよう防波堤や磯にしっかり押さえ付け、刃の角度に合わせ、その角度をキープしながらオイルストーンを何度も手前に引くように刃全体(切れ味が落ちた部分だけでもOK)を研ぐ。ほとんどのフィッシングナイフは両刃(出刃など和包丁は片刃)なので片側を研いだら、ひっくり返して反対側も同様に研ぐ。研ぎ時間にもよるが、これだけで多少なりとも切れ味がアップするはずだ。

ナイフを手前に引くように研ぐ
ナイフをしっかり固定しオイルストーンを手前に引くように研ぐ。刃先角度のキープが大切
ナイフ反対側
両刃ナイフは反対側も同様に。研ぎ方は同じ。ナイフの向きを変えるだけ

とにかくフィッシングナイフは料理に使用する出刃包丁や刺身包丁のように美しく仕上げる必要はない。魚の急所を突いたりエラを切ったり、腹を割いたり。さらに身エサを切ったりするだけなので荒々しく刃が付いていればよいのだ。ノコギリのような刃のほうが、かえってザクザクよく切れる。

自宅でじっくり!
砥石でしっかり研ぐ方法

自宅では包丁用の砥石を準備しよう。砥石には粗砥、中砥、仕上砥と目の粗さに段階があり、料理用の出刃や刺身包丁は段階を追って研いでいくわけだが、フィッシングナイフなら粗砥だけで充分だ。とくに美しく仕上げる必要はなく、釣り場でかんたんに研ぐときと同様にザクザク切れる粗い刃の方が使い勝手がよい。

砥石には和包丁用とナイフ用のオイルストーンがあり、どちらでも普段家庭で使用しているものでOKだ。和包丁用の砥石なら水、オイルストーンなら専用オイルを砥石表面に。なければサラダ油でもかまわない。

ナイフ用専用オイル
ナイフ用の砥石なら専用オイルを。サラダ油でもOK。和包丁用の砥石なら水をしっかり含ませる

研ぎかたの基本は刃を手前に背を向こう側に倒し、刃先の角度をしっかりキープ、ブレードに対し直角になるよう手を押すときに力を入れて研ぐ。両刃なので片側を研いだら反対側も同様に。手の左右が逆になると研ぎにくいという人は砥石を横に向けナイフを横に動かすようにすると持ち手を変えずに研ぐことができる。

ナイフを研ぐ
ナイフを研ぐ
刃が手前。一定角度になるよう注意しながら押すときに力を入れる
砥石を横に向けてナイフも横向きに研ぐ
反対側の刃を研ぐときに手が逆では難しい場合は砥石を横に向けてナイフも横向きに研ぐと作業しやすい

難関はブレード先端の刃がカーブしている部分。この部分だけは逆に手を引くときに力を入れ、砥石全体を大きく使い向こう側から手前へブレードの角度に合わせるイメージで曲線を描くように引く。このときも刃の角度を一定に保つことが大切だ。

洋ナイフ
多くのフィッシングナイフは刃の先端がカーブした洋ナイフ。ここを研ぐのにはコツがいる
ナイフを研ぐ
ナイフを研ぐ
ナイフを研ぐ
砥石全体を使い刃先のカーブと合わせるイメージで曲線状に引いて研ぐ

これで刃先はきれいになった。しかしブレード表面に浮いたサビや汚れが気になる……。そんなときは研磨用の耐水ペーパーで磨くとよい。このとき手を切りやすいので、細い木片と同じ幅にカットした耐水ペーパーを、その木片に巻き付け、先端部で磨けば力が入りやすく何より安全だ。

耐水ペーパーを巻き付ける
ブレード表面のサビや汚れを落とすときは木片に耐水ペーパーを巻き付けると楽で安全

 
 
まとめ。ナイフでも包丁でもよく切れるもののほうが安全なのだ。切れない刃物を使用し無理して力を入れて刃が滑って手を切った……という話もよくある。次回は家庭用の出刃包丁の研ぎ方。お楽しみに!