念願の初上陸!アジングの聖地『祝島』の魅力

00_ IMG_5034.JPG 祝島の漁港風景

ついに時合到来!『聖地』と呼ばれる所以

16時、日もだんだんと傾くころ。そろそろかとアジングタックルを手に取り、漁港の先端の方でアジングを開始します。

まずは1gのジグヘッド単体に3インチほどのワームといったド定番のリグをチョイス。しかし、最初は全くアタリません…。
メンバーの1人が、ボトムでかすかなアタリがあったと言っていたため、2gのジグヘッドにチェンジし、ボトム付近をフォールで誘います。すると、ラインが少し揺れたような違和感があり、もしやと思いフッキングしてみると、ロッドに魚の重みが乗りました。アジです! 待ちに待ったアジの重みを堪能しホッとしたのもつかの間、突然アジは底へ向かって走りだしました。グリグリと慎重にリールを巻き続け、無事抜き上げに成功。祝島のファーストアジとご対面です。島に上陸以来、初めてのアジは20cmをゆうに超えており、丸々と太ったコンディションのよいマアジでした。

ここからラッシュが始まりました。メンバーの全員がヒット!! 次々と竿が曲がり、夢のような時間が続きました。たまに突っ込みが強すぎてブレイクしてしまうあたり、尺クラスの回遊も始まっているみたいです。漁港の中でグッドサイズが連発するなんて!? まさに「聖地」といっても何ら差し支えない、その理由を実際に体感することができました。

09_IMG_5075.JPG アジ釣果
夕マズメの時合スタート! 祝島ファーストアジとご対面です

 

しかし、夢のような時間はそう長くは続きませんでした。
1時間ほど釣れ続けたあと、嘘のように全くアタリがなくなってしまいました。やはり大型のアジは回遊性が強く、時合も限られています。その時合にどれだけ釣るかがカギになりそうです。

そうこうしているうちに、この日最後の定期船が到着。するとなんと!? ものすごい数の釣り人が一斉に降りてきました。自分たちはすでにベースキャンプを作っていたのでよかったのですが、堤防はすぐさま釣り人で溢れ、もれた方はポイントへ入れなくなるほど…。島の人気とアジングの盛り上がりに驚かされました。

これぞ釣りキャンプの醍醐味
至高のディナータイム!

釣り人がかなり多いハイプレッシャーな状況のなか、黙々とキャストを繰り返しますが、アタリがないまま時間だけが過ぎていきます。お腹も空きだしたころ、待ちに待ったディナータイムが始まりました。

料理長が2週間前から仕込みをしていたと聞き、期待が膨らみます。
まず目の前に出てきたのは、たっぷりと味がしみ込んだ熱々のおでん。寒空の下で食べるおでんは最高に美味しくて、全員テンションは最高潮です。さらに、その場で揚げて食べる本格的な串カツまで出てくる有様。外でこんな料理を食べるのは初めての体験で、ついつい食べ過ぎてしまいました(笑)。
みんなでご飯を食べながら火を囲むと、今日の釣りの話や仕事の話、何の変哲もない話でも、すごく楽しく感じます。こういった夜のキャンプといった独特の雰囲気が、気持ちを高揚させるのかもしれません。おかげで、寒空の下ではありましたが、身も心も温まる至高のディナータイムとなったのでした。

10_ IMG_5048.JPG ズラリと並ぶ美味しい料理
11_ IMG_5043.JPG みんなで食べると心身が温まります
釣り、キャンプ、バーベキュー。まさにアウトドアな休日です

再び時合到来!アベレージ25cm前後が連発!!

お腹がいっぱいになり、またもや竿を握りしめ、今度は違うポイントへと向かいます。
キャストしたのはベースキャンプから徒歩10秒の一番近い場所へ(笑)。するとなんと、1投目でヒット! しかも20cmオーバーのグッドサイズです。その後、夕方の時合の再来かのように1投1匹が続きます。表層で頻繁にライズがあり、着水と同時に巻き始めるとおもしろいように食いついてくるのです。

12_P1013054.jpg アジ釣果 時合は突然に!
写真のアジのサイズは小ぶりですが、この直後からラッシュに突入しました!

さらに、今度は外向きの堤防で20cmを超える良型のアジです。しかも、またもや1投1匹釣れる緊急事態。楽しすぎます(笑)。これも時合は短かったですが、他では味わうことのできないラッシュを体験することができました。

いつか必ずリベンジ!

13_ IMG_5052.JPG テントで就寝
テントの中は優しく光るライトに照らされ、なんとも居心地のよい空間を作りだします

さすがに体力に限界がきたため(実は前日に取材があったため、睡眠時間は2時間ほど)、23時、みんなより早めに納竿しテントにて就寝することにしました。テントの中でシュラフに身をくるむと、寒さと疲れから解放されすぐに夢の中へ……。

 

午前6時。夜明けと同時に目が覚め、体力が回復した私は、テントから出た瞬間ショアジギングタックルを持って海へと向かいます。起きてすぐ釣りができる環境があまりにも素晴らしくて、こんな生活が続けばいいのに…と思ってしまったほどでした(笑)。

この日はショアジギング、エギング、アジングと試しましたがノーフィッシュ。12時には帰りの船も到着し、ついに島を離れます。船が出るタイミングでは、島のおばあさんたちがこちらに手を振ってくれる姿も…。いつか必ず、もう一度リベンジに来ると心に誓いながら、島を後にしたのでした。

14_IMG_5031.JPG 島の風景
船が出航してすぐに撮影した島の風景

 

今回、初めて祝島での釣りを体験しました。グッドサイズのアジが入れ食いになった時間もあり、『聖地』の威力を体感することができました。しかし、釣り人がかなり増え、プレッシャーが高くなってしまっているのも事実。時合以外は全くアタりがない時間もあり、時間帯によるムラが目立っていたように感じます。今年は季節の進行が遅く、海水温が下がりきっていないことで、アジの活性がまだまだよくないことも一つの要因だと考えられます。

釣果は乏しかったといえども、『祝島』の魅力を十分すぎるほど堪能することができた今回。瀬戸内の離島ならではの風景、街並み、情緒、そういった釣り以外のさまざまなこと全部含めて、完全に祝島の虜になってしまいました。
1泊2日と短い時間の中で感じた祝島の魅力を、できる限り詰め込んでみた当記事。みなさんに少しでも祝島の魅力が伝われば幸いです。

 

レポーターREPORTER

橋本 翔大
プロフィール:橋本 翔大
1993年大阪生まれの兵庫育ち。
周りが野池に囲まれた環境で育ったため、暇さえあればバス釣りへいく幼少時代を過ごす。大人になっても釣りへの熱は冷めず、現在は釣具メーカー・ハヤブサに勤務。年間釣行回数は仕事、プライベート含め150日を超える生粋の釣りバカ。