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これまではほぼ「アーバンフィッシング=都市型の釣り」、すなわち都会での釣りと定義づけて連載してきた当コーナー。しかし「アーバンなスタイル=気軽に釣りを楽しめるスタイル」というとらえ方のもと、少しその足を伸ばしてみるのもいいのでは? と考え、今回は気軽に楽しめるアウトドアフィッシングと題し「管理釣り場」へ行ってみました。
ご存知の方も多いとは思いますが、最近の管理釣り場をただの釣り堀と呼ぶのは大間違い。大人の外遊びに持ってこいなフィールドも多いんです。
アーバンに楽しむアウトドアフィールド
両極端に位置していそうなアーバンとアウトドア、実は既にファッションやアウトドアシーンではクロスオーバーしていて、アウトドアブランドのウェアを街着に取り入れたり、スマートな道具でキャンプなどを楽しむのも十分「アーバンスタイル」といえると思います。そしてエリアフィッシングとも呼ばれたりもする管理釣り場、通称「菅釣り」は、そんなアーバンスタイルととても相性がいいのです。
今回お邪魔したのは栃木県鹿沼市にあるフィッシングリゾート上永野さん。晩秋から冬にかけて、毎年必ず遊びに行く管理釣り場で、都心からのアクセスもよく、都内の友人ともよくここで集まって釣りをしたり、過去にはロッジで打ち合わせをしたこともありました(笑)。
フィッシングリゾート上永野
住所:〒328-0211 栃木県鹿沼市上永野1314
HP:https://kaminagano-fishing.com/
トラウトフィッシングと聞くと、まずはウェーダー(渓流釣り専用の胴長)をそろえたり、なかなかにハードルの高いイメージを持っている方が多いと思いますが、管理釣り場の装備はよっぽどの悪天候か、自然河川や湖をそのまま釣り場として営業している場所を除き、ライトなウェアで十分楽しむことができます。寒い秋冬は暖かいブーツをオススメしますが、スニーカーやクロックスでもOKですし、普段なかなか街中ではポテンシャルを活かしきれないアウトドアウェアたちの性能をフルに活用できるいい機会なので、”お気に入り”を着ていくのか一番。逆に管理釣り場でさえ使い物にならなかったら、本気で外遊びをする際はやめておこう、なんていうテストにもなるかも?
オススメしたいスタイル
さて、釣りの方はというと、養魚場のニジマスのようにはいきません。しかも遊びに行った12月中旬は、まだ秋の台風の影響もあってか、少し濁りも残っている様子で魚たちはスローな感じ。しかし投げれば釣れてしまうような状況だと1時間で飽きてしまうものですが、なかなか釣れないと没頭してしまうものだから不思議です。あの手この手を使い1匹をねらいます。
しかし管理釣り場は管理釣り場で、何色もカラーをそろえたり、ウェイトの違うスプーンをたくさん用意するようなイメージがあるのも事実。通常の(?)トラウトフィッシングとはまた違ったハードルが….なんて思われるかもしれませんが、そんな人にオススメしたいのがミノーとダート系プラグオンリーなライト&ファストなスタイル。カッコよく言ってみましたが、少ない手玉でできるだけ魚に触るために僕がよく実践しているスタイルです。
スプーンのカラーやウェイトのローテーションよりもまず形から入りたいアーバンアングラー(※皆がそうではない)は、表層から中層がメインの横の釣りをミノーで、ボトムや岸際を中心としたリアクションの釣りをダート系のルアーで試してみましょう。これはアーバンフィッシングや旅の釣りの楽しみ方につながってくる部分でもあるのですが、限定されたタックルや条件のなかでベストをつくすというもので、”あるものでやり通す”ことにより、ブレずに釣りきることができるメリットもあります。口を使わない大勢の相手をせず、釣れる魚をライト&ファストにねらっていく。これ、ちょっとアーバンチックでしょう?
水温が下がってくる寒いシーズンこそアツい
冷水を好むトラウトたちは冬も元気にルアーを追っかけます。むしろ暑い夏、自然の河川に比べると水温の上がりやすい管理釣り場の釣りは少しシビアになります。それはそれで面白くて、それこそさまざまなスプーンをローテーションするようなテクニカルな釣りを楽しむ人も多いのですが、アーバンスタイルで攻めるカントリーポンドフィッシング(もう何が何だか分からなくなってきましたね)は寒い時期こそオススメです。
まずミノーのトウィッチやダートを多用する釣り自体への反応が、水温が下がった方がグッとよくなること。実は今回お邪魔した12月半ばの栃木はまだ冷え切らない感じで、水中は秋を引きずっている感じ。これからの時期の方がどんどんよくなると思います。
ちょっと休憩がてらコーヒーを入れたり、薪ストーブのあるロッジで一休みしたり、普段味わえない空気を味わうのにも、僕は冬が一番なんじゃないかなぁと思うのです。
見慣れない美しい魚たちに癒される
数ある管理釣り場のなかでも、FR上永野さんの魚たちのクオリティは折り紙つき。栃木の名物ともいえる「ヤシオマス」などの大型レインボーがねらえるだけでなく、僕が特にオススメしたいのはイワナ、カワマス(ブルックトラウト)、タイガートラウトにブラウントラウトなど、管釣り用語で「色物(いろもの)」と呼ばれている魚たち。
彼らの婚姻色や尖った鼻先など、通常自然下だと繁殖期を迎え、禁漁期間にあたるため見ることのできない姿を見ることができるのは僕は何より好きなのです。食べるのが好きな方にはヤシオマスをぜひ試してみてほしいです。ムニエルやフライは絶品ですし、お刺身もとても美味しいです。
ということで、今回は都市型の釣りを飛び出した内容でしたがいかがでしたでしょうか?
今後はアーバンフィッシングでは物足りなくなってきてしまったというみなさまに(!?)、気軽に楽しめるアウトドアや釣りもお届けできたらなと思います。外に出るのが億劫になってしまいがちな冬こそ、ギア選びからその季節ならではの方法で、外遊びを楽しんでほしいです。
アーバンフィッシング ギア紹介
レポーターREPORTER
栃木県在住。国内のトラウトフィッシングから海外の釣りまで、人生を豊かにするライフスタイルとしての釣りを日々模索し発信しているフィッシングピーターパン。PIKE STREET MARKETディレクター。ひと×コト×Sakana栃木PRアンバサダー。
サポートメーカー:Huerco、BIGFISH1983、Rマジックテスター。VARIVASフィールドモニター、Patagoniaプロセールスプログラム。
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