INDEX
根気のない私はイカメタル
庄山プロすみません…
普段であれば、マダイが釣れなくてもレンコダイその他、何かしらの反応があるはずですが、この日はなかなかに厳しいよう…。他のお客さんも苦労されていたようです。
庄山プロや他のお客さん以上にキッカケのつかめない私は、先日からの夏風邪と当日の暑さも手伝って、水平線を眺めながら「ボー」っと、次第に考えることさえ忘れてしまいそうな状況…。ついでに若干の船酔いで胃腸の具合も悪くなる始末……。ダメダメです。しかし、その間も周りの状況を見ながら適度に探り方を変えていく庄山プロ。途中、他のお客さんがケンサキイカを釣り上げる場面もありましたが、タイラバタックルを手放そうとはしません。
私はというと、釣り上げられたケンサキイカを目にし、すっかり心はイカに奪われてしまいました。タイラバタックルからイカメタルタックルに持ち替え、20号のメタルスッテ「超攻撃型メタルスッテ タングスッテ」を海中へと落としていきます。水深80m前後ですが20号のメタルスッテで十分に底がとれてしまう…。やはり潮があまり効いていない状況のようで、少々この日の魚の活性は低いのかもしれません。
庄山プロの隣でケンサキイカを狙い、海底に落としたスッテとエギをフワフワと漂わせる私。ときおり軽く持ち上げて誘います。ケンサキイカを誘うのと同様に、冗談半分、本気半分で庄山プロにも「ケンサキ狙いましょうよ~、美味しいイカを釣りましょうよ~」と甘い誘惑(?)で誘い続けてみます。しかし、迷いながらもなかなかタイラバタックルを手放さないプロ。すると、庄山プロの竿先に待望の魚からの反応がっ! タイミングを見計らって、庄山プロは得意の横スウィープフッキングを決めました!
ようやく訪れた手ごたえに嬉しそうな庄山プロ。なかなかの大物らしく、竿がほどほどに絞り込まれます。いつもの慣れたやり取りでリールを巻き続けるプロ…。ところがっ! なんと途中でスッ…と魚の手ごたえとテンションが抜けてしまいました。痛恨の極み、庄山プロはがっくりと肩を落とし、悔しそうな表情で「なんで!?」と繰り返していました。
悔しさいっぱいで回収したタイラバには、なんと! 魚の胃の内容物と思われる長い物体が!? 恐らく海ウナギかアナゴか何か、とにかく長い物体が引っ掛かっていました。船長曰く、浅場で捕食したエサを消化しないまま、当日の海域(深場)に移動してきたマダイが、タイラバに食ってきたのだろうとのこと。マダイからはフックアウトしてしまいましたが、胃の内容物はフッキングしたまま回収したとのことで、これだけ大きなエサを食べていたマダイは、かなりのサイズだったのではないかと予想されます。
ところがついに!?
陽も高くなり、ますます暑い船上での先ほどのひとコマ。体力だけでなく精神力も奪われ、さぞ悔しかったことと思われます。隣でのんびりケンサキイカを釣りながら、少々会話の糸口に困る私…。しかし、庄山プロはさすがプロ! 小休止をはさみつつではありますが、その後も気持ちを途切らすことなく、淡々とタイラバを巻き続けていました。
お昼を迎え、船長からは「今日は暑いので、13:00納竿ね~」とお知らせが入ります。「あぁ、今日の釣りももう少しかぁ」と、庄山プロとの釣行を振り返ろうとした12:15。庄山プロの竿に強烈なアタリがっ!!
前触れもなく唐突に訪れたアタリにドラグは「ジャーー」と鳴り響き、船中の視線をくぎ付けにします。「おぉっ!」と思わず声が漏れながらも、いつもの慣れた竿さばきで対応していく庄山プロ。その引きはまるで青物のよう。「青物? ヒラマサ…? いや、タイやね」 船長と庄山プロはそんな会話を交わしながら徐々に魚との距離を詰めていきます。そして、やり取り10分をかけて上がってきたのは…、なんとこの日最大82cmの大ダイでした~!
魚を引き上げた後、船長とガッチリ握手を交わす庄山プロ。「無双真鯛フリースライド TGヘッド」の90g・アピールオレンジに、同シリーズ「ツインカーリー」の桜カラーをセットしたタイラバで、マダイの上顎にジャストフッキングさせていました。
庄山プロ曰く、「あえて潮上にキャストして流れに同調させる形でタイラバをドリフト。そして、潮にタイラバが馴染んだところで、ひったくるようなアタリがあった」とのこと。最後までわき目もふらず、タイラバにこだわって試行錯誤を繰り返した結果の賜物! この食わせのパターンを狙っていたということで、流石としか言いようがありません!!
結局のところ…プロはいつでもプロフェッショナル!
プライベートとはいえ、庄山プロの釣り方の戦略や魚へのアプローチといった釣りへのスタンスは、結局のところ取材のときと何ら変わりありませんでした。
(おこがましくも)私が素直に感じたのは、根っからの釣り好きであることがその最大の理由だということ。しかし、よくよく考えると、普段からこのように釣りと向き合っているからこそ、プロスタッフとして活躍されているのだ…ということです。当たり前のようで実は難しい姿勢。釣り好きであると同時に、探求心と向上心が人一倍強いうえ、物事をブレイクスルー(=攻略し乗り越える)する強い精神力があるからこその姿。何だかフラ~っとついてきた私が恥ずかしくなってしまいました。恐れ入ります…。
長年お付き合いさせていただいていますが、プライベートの現場だからこそ改めて見ることができたプロの姿。そして夏の暑さに負けないくらいの熱い釣行でした。ぜひまたご一緒させていただきたいと思います!
ところで…、とはいえ帰省にかこつけて釣りに出かけた私。庄山プロのお隣でわずかに釣ったケンサキイカは、実家で美味しくイカ刺しに…。両親へのいいお土産になりましたよ~。
庄山プロ、ご協力ありがとうございました!!