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一般のアングラーにとって、釣具メーカー社員のイメージはどのようなものでしょうか…? メーカー社員のプライベート釣行にお邪魔する企画の第3弾は、「番外編」と題して日頃商品プロモーションの取材などでお世話になっている、釣りプロスタッフのプライベートにお邪魔!? ご協力いただいたのは、タイラバの第一人者・庄山英伸プロです。
たまたま、私編集スタッフDの実家が庄山プロのお住いの北九州市ということで、お盆の帰省に合わせてご一緒させていただくことに。貴重なプライベートで少々恐縮ですが、せっかくなのでどんな風に釣りを楽しまれているのか覗かせていただきましたよ。さて、プロのプライベート釣行やいかに…?
まぁ、のんびりやりましょう!
8月のお盆真っただ中、予想通りの帰省ラッシュに巻き込まれながらも、なんとか無事に実家へとたどり着いた私。台風の影響で出船が微妙な状況でしたが、釣りの当日のみ上手く天候が安定し、出船できるとの連絡をいただくことができました。今回お世話になったのは、博多から出船する「MALIBU EXPLORER(マリブエクスプローラー)」さん。船が大きいので馬力も安定感もあり、なおさら波の心配は少ないようで、これは優雅に釣りを楽しめそうです。
港への集合時間は早朝の4:30。途中、九州自動車道と福岡都市高速を走りつつ、高速のサービスエリアで庄山プロと落ち合います。久しぶりにお会いした庄山プロは早朝にもかかわらず元気いっぱい! 北九州から博多までの1時間半ほどの道のりを順調に走り、定刻前に港に到着しました。
前情報では、釣りをするポイントは港から1時間半ほどの沖合、水深80m前後のラインだそうです。メインの釣りモノはもちろんタイラバですが、イカメタルでケンサキイカを狙うことも可能だということ。まだ夜明け前の暗がりの駐車場で、タックルの準備を手際よく済ませる庄山プロ。それにしても、相変わらずのタックル量に驚かされます。私はタイラバとイカメタルのタックルを1つずつの2タックルですが、庄山プロは数えきれません…(笑)。真剣さが違いますね。
そんなこんなで夜明け前に出船。福岡ヤフオク!ドームとヒルトン福岡シーホーク、福岡タワーといった「ももち浜」周辺の、いかにもベイエリアといった都会の夜景を見ながら船は高速で進んでいきます。普段見ることのできない優雅な光景にしばしウットリ…。そして夜明けとともに水平線の空が紫からオレンジに変わる様は、何度見ても美しい光景です。
そして久し振りにお会いした庄山プロとは、釣りや仕事他、お互いさまざまな話が尽きません。せっかく豪華なキャビンがあるにもかかわらず(笑)、外で語らい続けたまま、6:15にポイントへ到着しました。
海面は小さなウネリがあるものの、空は快晴! 台風の影響で空気中のホコリがとばされたのか、遠くの景色までよく見えます。
庄山プロは、遠くに見える島や陸地にある山々を指さして、「あれが壱岐でこっちが(宗像)大島。おぉ、今日は皿倉山まで見えますね~」といった具合に、細かく私に見える景色を解説してくれます。「何でそんなに詳しいんですか?」と私が尋ねると、普段から海の上で陸の地形を見ながら「山立て」しているとのこと…。ちなみに「山立て」とは、目標物が乏しい海上で陸地や山、島などの目印を頼りに自分のいる位置をおおよそ把握する技術。過去に釣れたポイントや、シーズンごとに狙うポイントを「山立て」で判断し、釣りの戦略に活かしているという…。いやはや恐れ入りました。
そんな庄山プロの話に感心しつつ、「まぁ、のんびり楽しみましょう!」と言われるがまま、ノープランでタイラバをセットし、竿を出す私…。えらい違いです(笑)。
言葉どおり、お魚からの反応ものんびり…
大きな船上に釣り人は10名前後でゆったり。ほぼ右舷からみなさん竿をだします。船長は大海原の真ん中で船のエンジンを止め、いわゆる「ドテラ流し」で船を流してくれているといった状況です。なかにはジギングをされている方もいらっしゃいますが、大半がタイラバを落としているこの日。玄界ならではのきれいな水色に、1投目から誰か釣れるのでは? と期待しましたが、残念ながらみなさんスロースタートのようです。
まだ朝早いというのに日差しはすでに暑く、ただただ真正面からの夏の太陽がわれわれを照り付けるばかりでした。
そんななか、ほどなくして上がった船中ファーストフィッシュは、いいサイズのマダイ。ジギングをされていた常連の方が、船のミヨシで釣っていました。ところが、その後もポツリポツリと何かしらの魚が釣れるものの、なかなかラッシュとはいきません。庄山プロも時間とともに変わる光量や潮の強さにあわせて、タイラバを変更していましたが、いま一つ手掛かりがつかめないようです…。
当然ながら私の竿には何の反応もありません。