私が釣りを始めたきっかけは「美味しい魚を食べたい」というシンプルな思いからでした。ときどき鮮魚店に足を運びましたが、金銭的にカツカツだった当時の自分。なかなかのお値段がついている鮮魚を買えるほど金銭的余裕はない状況でした。
そんなときに仕事で「礼文島」へ出張に行くことになりました。
安いライトタックルを持参し堤防でイソメを垂らすと、ソイにメバルにカレイが釣れる釣れる!! 釣れた魚はルンルンで持ち帰り、自身で初めて一から魚をさばいてみる楽しさ、そして鮮魚の美味しさに感激! すっかり「海釣り」にハマってしまったのでした。
釣った魚を快くもらっていただくには、
鮮度を保つ下処理と保存方法が大事!
釣り天国の離島ではビギナーの私にもたくさん釣らせてもらえましたが、離島から戻るとなかなか魚を釣ることができません……。しかし、長い年月釣りを続けたおかげでここ数年は狙いの魚を手にできることも増え、魚保存用に冷凍ストッカーと真空パック機を導入するほどになりました。
5人家族のわが家は3人の子供が居まして、子供たちが食べ盛りのときは釣った魚は余すことなくいただいておりましたが、その3人の子供たちも今は巣立ってしまいわが家はとうとう夫婦2人きり。ストックした魚もなかなか減らない状況になりました…。
そこでよく飲みに行くスナックや居酒屋に「魚欲しいかい!?」と聞いてみると「欲しい!!」と二つ返事(笑)。
私は釣果魚をその日のうちにウロコや内臓を除去し下処理を済ませ、必ず真空パックして保存しております。なので、鮮度が保たれてさらに手間が掛からない材料を無料で仕入れられると大変喜ばれました。
そんなわけで、北海道石狩市のとある居酒屋に、私はよく自分で釣った魚を料理してもらい一杯やっています。ただでさえ自分の釣果は美味しく感じるものですが、さらにプロの料理人の手に掛かればこれまた最高の肴となるわけです!
釣り人だけの特権!「ハチガラ」の煮付けは白出汁で
今回持ち込んだ魚は地方名で『ハチガラ』、標準和名は「オウゴンムラソイ」というソイの仲間です。(メバル科メバル属に属す)
北海道で主にショアから狙えるソイ類はクロソイ、マゾイ(キツネメバル)、シマゾイ、そしてこのハチガラ。前者3種のソイは比較的水深が深く潮通りのよい釣り場で狙えるのですが、このハチガラは好んで浅瀬を棲み処(すみか)にしています。したがって漁船で獲れる魚ではないので市場に出回っておらず、釣り人にしか味わえないひじょうに価値の高い魚だと思います。
その味も4種のソイのなかで群を抜いておりまして、身の締り、出汁の深み、ほどよい脂…、刺身はもちろん、煮ても焼いても全て美味となる魚なのです。
実はワタクシ、投げ釣り、ルアー、サビキ釣り、ときに船釣りまで、幅広いジャンルの海釣りを行っていますが、なかでもロックフィッシュスタイルで狙うハチガラを専門分野とするほど得意としております!
釣りにおける引き味も最高なハチガラ。普通に食べても美味しいのですが、お店に持ち込めば、料理人の手によってさらに美味しくしていただける…。まさに、釣り人(私)がハチガラを引き寄せ、ハチガラの究極の味を料理人さんに引き寄せていただくといった感じです!
基本、魚の煮付けは「醤油」で味付けするのが一般的かと思いますが、こちらの居酒屋では「白出汁」で味付けされています。ん~~ハチガラ独自の出汁も引き出し、大変優しい味に仕上がっております。また強い身の締りで煮崩れは起きにくく、煮付けとは思えないほどの食感と歯ざわりが楽しめます。
さらにこのハチガラ特有の出汁を味わうには「アラ汁」が最高でございます。お酒を呑んだ後の締めとしてほどよい塩味の効いたハチガラのアラ汁は、たくさんのお客様に喜んでいただけましたよ。
料理はおまかせで楽しめる、秘密の深夜食堂?
さてこのお店は開店時間や閉店時間が不規則で、店主の気まぐれでございます。平均的には開店時間がひじょうに遅く、閉店は朝方になることも。他の居酒屋やスナックに行った後に「締め」で来られるお客さんが大半です。料理は店主のお任せ~もしくは、こちらからリクエストしたりもできます。
これって漫画やドラマでお馴染みの「深夜食堂」に似ていると思いませんか(笑)!?
店主曰く、深夜食堂が連載される前からお店をオープンさせているのでこちらが先とのこと。さらに深夜食堂では強面の男性がマスターとして切り盛りしておりますが、こちらのお店は美人女将が切り盛りしております。(強面という意味では共通しているかも…???)
美人女将の顔写真を載せたいところでしたが、写真はNGとのことで、あごから下のセクシーショットでご勘弁を。
気になるこのお店の場所と名前は…?
ここですぐに紹介するよりも、少しミステリアスにして読者さんたちの気を引かせる作戦でいこうかなと私は考えました(笑)。
というわけで、今回第1弾として「ハチガラ」を紹介させていただきましたが、さまざまな釣果をこのとある居酒屋に持ち込みさせていただいておりますので、今後の続編をぜひご期待ください!
レポーターREPORTER
1974年生まれ /北海道夕張市出身、札幌育ち、石狩市在住
オカッパリによる海釣りを好み、なかでも、投げ釣り、サビキ釣り、ロックフィッシュ、エギング、サーモンフィッシング、ワカサギ釣りを得意としている。ブログやSNSを通じ釣友たちとの釣行を楽しむ日々。
日本釣振興会北海道地区支部役員、小樽海上保安庁指定フィッシングセーフティーリーダーも務めている。