東京湾の定番といえば…やっぱりシロギスは外せない!
ついでにカサゴもね(笑)

2019年GW。世間は平成最後だの令和最初の何ぞと、盛り上がりをみせていた。そんな人たちや時代にお構いなく、今日も東京湾の魚は悠々と泳いでいる。

とりあえず新元号のお祝いムードに便乗して、平和に釣りができる幸せを嚙みしめようと、筆者は定番のシロギス釣りに出かけてきた。夏に向けて数釣りが狙える人気の魚種だ。しかも魚体のわりに引きが強く、釣り味もなかなかよい。
昨年は前年の台風の影響からか、ハゼやカワハギを含め小型の魚種はかなり厳しかった。さて『令和』はどうなるか…。

午後便なら…あの船宿がある♬

お世話になったのは、川崎の釣り船『つり幸』さん。釣りものの種類も多く、駅からの送迎やウェアのレンタルまであり、初心者にも人気の宿だ。午前と午後の2便制も、朝早く出れない人にはありがたい。

ゆっくり自宅を出て11時過ぎにつり幸さんに到着。想像以上の客数に驚いた! 初心者であろう姿の方、親子連れなど、老若男女でごった返すとはまさにこういうことか、と痛感する。「以前はもっと船数出してたよ」と社長が教えてくれた。関東の釣り文化は、船だろうと陸だろうと 大衆に染み込んだ娯楽なのだろう。北陸出身の筆者には、「凄い!!」としか表現できない光景だった。

いよいよ釣り開始

01_釣り座風景

12時30分に午後船は出漁。朝の曇天が嘘のように晴れ渡り、風は冷たいが日差しは初夏の眩しさだ。海も凪いでおり、「これなら釣果も期待できるかも」と、内心ニヤニヤしながらポイントの中ノ瀬まで移動。30分程で到着した。

02_釣りポイント風景

景色から察するに、富津寄りのポイントのようだ。胴突仕掛と天秤仕掛、どちらに分があるのだろう…。
船長は「底周りにもアカクラゲが多いから、胴突仕掛の方がいいかもね」と言う。
悩んだが、ココは自分の定番をパイロットにして模索しようと、ショート仕掛の天秤からスタートした。

して反応は……、

なかなか厳しい。他の釣り人も微妙な感じ。釣れれば25cm級も多く、型はかなりよいのだが…。

03_シロギス釣果 右隣のお兄さん
右隣のお兄さんは、ポツポツとだが良型を釣り続ける。仕掛は同じく天秤だから、やはり腕の差か…

 

左隣は親子連れだった。息子さんはまだ初心者のよう。よしっ! コレはチャンスと、扱いやすいショート仕掛を渡し試してもらう交渉をする。するとお父さんの方が「釣りますよ! コレで!」と何故かヤル気満々になってくださり、早速釣りあげてくれた。普段はバス釣りなどもされているとかで、なかなかの腕前だ。

04_シロギス釣果 お父さん

結局、アカクラゲもかなり手強かったので、息子さんは胴突仕掛のみで釣り続ける。最初はリールの扱いもお父さんに言われながら、聞きながらといった感じだったが、終盤にはなかなかどうして、スムーズにやり取りしていた。

05_シロギス釣果 息子さん

その甲斐あってか、根気よく釣り続けた息子さんにも無事にシロギスが釣れた。型は小さいが、メモリアルフィッシュになったはず。

だがしかし…、

どうにも食い気が芳しくないのでポイントを移動。

06_ポイント移動

流し変えたり移動したり、その後も船長は厳しいながらも模索してくれたが、かなり厳しい状況のまま半日が終了…。

諦めきれないこの思い

数も型も残念な結果になり、意気消沈していると、
「今晩、夜カサゴでコレから出るよ」と、シロギス船の船長が「乗れよ!」と言わんばかりに煽る。

乗るしかない! このビッグウェーブに! とチャンスを感じ、「お願いします!」と乗船。ついつい乗せられてしまった…(二つの意味で)。

さて、夜カサゴは17時30分出船。まだまだ空は明るい。
船長は羽田沖に向かうと言う。川崎周りでの夜根魚は経験済みだが、羽田の夜釣りは初めてだ。

07_カサゴ釣シーン

ポイント到着。少し波っ気があるが、魚っ気もいい感じ。ここは、シーバスポイントとしてもメジャーな場所だ。
タックルはカワハギ用の感度のよいモノを使用した。魚にハリ飲みさせず地形を感じたいなら、やはりベイトリール&カワハギ用の竿が秀でているからだ。

1投目から良型が顔を出す。

少しずつ暗くなるなか、同船した親子連れもコンスタントに釣りあげる。

08_カサゴ釣果
このサイズが、当日のアベレージサイズ

だが夕方の風はソコソコ冷たく、移動中の揺れもあってか、大ドモの息子さん2名は船酔いで早々に撃沈。夜釣りの難しさはコレなんだなぁ…竿先ばかり見ていると、船酔いしやすい。ただでさえ周りが見えない夜は酔いやすいのだ。しかも身体(特に耳周り)を冷やすと、さらに船酔い率アップ…かくいう筆者も幾度となく経験済み。だからこそ酔わないコツを習得した。未だに外房のウネリは、まだまだ苦手ではあるが。

打って変わってイイ感じ!

09_夕暮れの釣り場風景

昼のシロギスと打って変わって、カサゴは活性上々♬ オモリ10号の胴突仕掛でカワハギタックルという選択も悪くなかった。感度がいいから根掛かりもある程度は回避できる。

しかも飛行機が大好きな筆者は、「おお! ANAが! カンタスが!」と釣りをしながら旅客機が間近に見れるしで、最高のロケーションだった。

10_夕暮れの飛行場

20時を過ぎるとディズニーランドで打ち上げ花火が始まった。少し左を見ればスカイツリー。さらに左に東京タワー。空を見れば離発着の飛行機たちが何機も…。
もちろん、目につくランドスケープや飛行機たちだけでなく、都会のキラキラしたネオンもこれまた美しい。移動中なんて、ちょっとしたクルージング気分だ。こりゃあ夏場に涼みながらのデートにもオススメできちゃうなぁ♪

肝心のカサゴはといえば、30cm近い良型が出たり、中盤からは20cm以下はリリースしまくるという贅沢ぶり。
結局、昼から計8時間ほど船上に居たわけで、それなりに疲れたがなかなか面白い1日だった。

11_当日の釣果

 

これから最盛期を迎えるシロギス&夜根魚
奥深いが、東京湾では定番と呼べるメジャーな釣りだろう。なぜ定番なのか。その理由は、現場に行ってみれば理解していただけるのではないかと思う。ぜひ出かけてみては?

 

レポーターREPORTOR

プロフィール:森本 トド美
北陸出身の自然児育ち。九頭龍川のほとりで18歳まで過ごし暇さえあれば日本海の浜辺をウロついていた。大学では日本画専攻。社会人になるとペットのオカメインコを肩に乗せ渓流釣り。
現在、釣りインストラクターのかたわら、本業は「ゲージツカ」と言い張る。