ちなみに防寒を考えると指切りグローブもいいが、濡れてしまうと途端に不快になってしまうので、記者はよほどの寒さでない限り使っていない。代わりにアウターのポケットに貼らないカイロを一個入れておき、手がかじかんだらポケットに突っこんで温めている。
また、極力手を濡らさない方法のひとつとして、こんなアイテムがある。写真はNANUKのクリップワカサギハズシ(900円)。
これをバケツの縁に挟み、並んだ棒の間にワカサギの下がった糸を挟み持ち上げると、魚を触らずして自動的にワカサギが外れるという便利アイテムだ。
これ、よく見ると、金属製の鉛筆のキャップにそっくり。バケツに直接穴を開け、通したボルトをナットで締めて、もうひとつナットをボルトの先につけ、鉛筆キャップを被せれば同じ働きをする物が作れる。
いずれにせよ、ワカサギを棒と棒の間に引っかけたままムリヤリ引っぱって口を切る、という仕組みなので、口が柔らかい小型には向くが口の堅い大型で無理にやるとハリスが切れることもある。また、エサの虫がそのまま口に残ることもある(手ではずせば、まずほとんどエサの虫はハリについたまま出てくる)。一方で、ワカサギは群れがボートの下を通ったときに連続して釣れるので、さっと外せてすぐに仕掛を再投入できる利点は大きい。ここらへんは使い方次第、だろうか。
そもそもなぜ、釣った魚を水を張ったバケツに生かしておくのかというと、その間に食べたエサを吐いたり、フンをしたりすることで、少しでも魚をきれいな状態にするためだ。ワカサギは丸ごと食べられるため、たいていの場合、水洗いすればそのまま食材となる。そこで少しの間、水の中で泳がせてデトックス効果(?)も期待するというわけ。
釣った魚をクーラーボックスに入れるまでの手順は
1.水を張ったバケツに泳がせておく。
2.ある程度たまったところで水を切り、ジッパー付きのビニール袋に入れて氷の入ったクーラーボックスに入れて冷やす
というもの。
今回、使った道具はすべて100円均一ショップ(ダイソー)で購入した。
水張りバケツはカラーライフ/ランドリーバスケットソフトタイプ(200円)。ソフトタイプだから水汲みも片手で楽にでき、道具を持ち運ぶ際にも役に立つ。
取っ手付きのザルはフレスコ/ニュー手付ザル・ボウル(100円)。バケツのワカサギをすくって水を切るために使う。取っ手が付いているので手が濡れない。付属のボウルはエサの虫をつけるときに一時的に入れておいたり、水汲みとしても使える。
ジッパー付きビニール袋は冷凍用フリーザーバッグM。ワカサギ50匹が余裕を持って入るサイズだ。
ちなみにクーラーボックスは、ダイソー/クーラーボックス!〈インナー付〉(300円)。350mlの缶が6本ぴったり入る小型の発泡クーラーで、ワカサギ釣りにはぴったりだった。
体の中からも温める
下からの防寒に備えて、極力濡れたままにしないだけでも、ワカサギ釣りはだいぶ快適になる。それに加え、最後にオススメしておきたいのは熱湯を入れた魔法瓶。アウトドアに慣れた人ならジェットボイルで湯を沸かし……なんてこともできるのだろうが、いずれにせよ、熱湯があれば温かいコーヒーや紅茶、カップラーメンなどで冷えた身体を内側からポカポカと温めることができる。たとえインスタントだろうが、船上での1杯は最高なのだ。
竿とリールがワンセットあればOK。
気軽に手軽にワカサギ釣りを楽しもう!
だれにでも手軽に楽しめるワカサギ釣り。実はのめり込むほどに奥深く、専用竿がわずか数ミリ震えるほどの小さな魚信をわき目もふらずに逃さず取って、手返しよく数を伸ばす玄人的なスタイルもある。そうなると専用の道具が色々と欲しくなってくるが、一方で、手持ちの釣り道具で仲間とワイワイ横に並んで話しながら、それこそお花見のように気軽にやるスタイルでも、条件がよければたくさん釣れる。
今回、私が使ったのは6ft6inの管理釣り場用トラウトロッドとPE0.8号の糸が巻かれた、普段はシーバス(スズキ)を釣るときに使っているスピニングリール。
これに限らず、6ft前後の竿と、それに付けるリールがあれば、手軽に始められるのがワカサギ釣りのよいところ。事前確認は必要だが、ボート屋さんには仕掛とエサを販売している所も多い。高滝湖では5本鈎の仕掛が1枚200円、オモリが1個30円、エサの紅さしが170円だった。釣り場によっては竿とリールをレンタルしてくれるところもある。
今回は12時から午後3時半までの短い時間だったが40匹の釣果に恵まれた。ワカサギのほか、ブルーギルやモツゴ、オイカワ、ニゴイなども釣れ、楽しい半日を過ごすことができた。
手漕ぎボートを漕ぐと汗ばむぐらいの陽気だったので、インナーソール付きの長靴は履かなかったが、そんな日でもクッションなしで座っていると身体全体が冷えてくる。何はなくてもお尻に敷くクッションは忘れるな……そんな思いを再確認した晩秋の一日だった。