また、読者の皆さんのなかには、磯やテトラ帯などで釣りを楽しむ方もいらっしゃるのではないでしょうか? 磯やテトラ帯は、堤防などに比べて足場が悪く転びやすいところ。「ヒヤッ」とする体験をした方もいらっしゃるのではないですか? 足場が悪いところに行く際には、必ず固定式ライフジャケットを着用しましょう。落ちたり転んだりした場合、浮力材がクッションになり衝撃を和らげてくれます。
なお、膨張式は岩などに擦れて破れてしまう可能性があり、磯やテトラ帯での使用には不向きです。何度も言いますが、磯・テトラ帯など摩擦が多いところでは必ず固定式を着用しましょう。
ここで、ちょっと寄り道…
ライフジャケット、皆さんは何を基準に選びますか? 値段? デザイン? いやいや、最も大事なのは「もしものときに命を守ってくれる」ことです。そのためにはまず、自分の体格に合ったサイズ(大きすぎないもの)を選びましょう。また、国土交通省が承認したライフジャケットは、浮力7.5kg(“浮力7.5kg”であれば、だいたいの人の頭は水面から出た状態になると考えられています)など厳しい基準をクリア。安心感抜群です。桜マークが基準クリアの証。選ぶ際にはぜひ参考にしてください。
なお、マークがない場合は、浮力の表示を確認してください。国土交通省の基準と同等以上であれば、安心です。
もしもに備えて、自分の身は自分で守る!
海上保安庁では、先ほど述べたライフジャケットの常時着用を含む「自己救命策 3つの基本」を推進しています。自分の身を守るため、常に頭の中においていてください。
1.「ライフジャケットの常時着用」
2.「連絡手段の確保」
水中に落ちたとき、もしくは落ちた人を目撃したときには助けを呼ばなくてはいけません。最近では、耐水もしくは防水パックが市販されていますので、必ずこちらに入れて携帯電話を身につけるようにしましょう。「私の携帯には防水機能がついているから、防水パックはいらない」という方、それでは少し不安が残ります。むき出しの携帯は水中に落ちるとすぐに沈んでしまいます。パニックになったとき、水中に携帯を落とさないと断言できますか? 防水パックにいれておくと、空気の層ができるので水中でも浮きやすくなります。ライフジャケットのポケットに入れておくと出しやすくて安心です。さらに防水パックのヒモの先をライフジャケットのどこかに結んでおけば、より安心です。
3.「もしものときは 118番」
118番は、海上保安庁専用の緊急電話番号。海で事故にあったり、事故を目撃したときはこちらの番号に連絡してください。その際「いつ」「どこで」「なにがあった」か、落ち着いて簡潔に説明できるようにしましょう。なかなか難しいことですけどね。でも、事故にあった(目撃した)際は、とにかく落ち着いて行動することが大切です。
釣りを楽しむためには、「自分の身は自分で守る」ことが基本です。水辺に出かける前には必ず、家族全員で上記の項目を確認しましょう。
特にライフジャケットは、平成30年、つまり来年2月から、すべての小型船舶の乗船者にライフジャケットの着用が義務付けられます。それだけ、ライフジャケットは大切だということです。船への乗船に限らず、水辺にいる際には必ず着用を!
さぁ、カタい話はおしまい!今年も思いきり夏を楽しみましょう!