From HEAT the WEB DIRECTOR おさかなさんとの出会い -子供にとっての釣り-

子供にとっての釣り_text-photo岳原雅浩

 

ところで、初めての釣りでどんな魚が釣れたのだろうか? アンケートによると、「アジ(小アジ)・サバ・イワシ」といった堤防サビキの定番の魚が全体の39%を占めていた。「堤防での海釣り」が多かったことに準じた結果である。次いで、「カサゴ(ガシラ)・ベラ・フグ・キス」と続き、「カワハギ・メバル」「ブルーギル・ブラックバス・ニジマス・タナゴ」といった魚が釣れたようだ。いずれも子供たちが相手にしやすい比較的小型の魚が多い。あまり大きな魚は急には難しいですよね。

アジ

どんな魚が釣れたにしろ、当然ながら釣れると子供たちは大喜び!! 生き物を目にし、実際に触れた感触は子供たちにとって新鮮で、皆同様にいきいきとした反応を示すようだ。アジが釣れて「キャーキャー!」言いながら釣れた魚をバケツに入れて喜んだり、バケツにいれた熱帯魚やミノカサゴ(危険な魚なので注意!!)をずっと見ていたり、なかには、釣れた魚を見て大喜びはするものの、触らせようとすると後ずさりするなど、純粋で子供らしい反応。親からすれば「最高の笑顔」を見ることができる素晴らしい瞬間であったことが想像できる。

カサゴ

何ごとも初めての体験・経験は貴重。その初めてをどれくらい楽しめるかがその後の将来に大きく影響を与えることは間違いないだろう。できる限り楽しめる環境やシチュエーションを準備してやることは、単に「魚(モノ)を与える」というヘルプではなく、「どうやったら魚(モノ)に出会えるか」をサポートすることであり、子供たちが自発的に考えながら成長するための手助けにもなる気がする。
釣りデビューをした後、われわれ釣りを好む親としては、「釣り好きになってほしいなぁ」と思ってしまうところだが…。アンケートによると、その後続かない(23%)、たまに行きたいというレベル(23%)、釣りを楽しんでいる(46%)と嬉しい結果に。比較的その後に続くケースが多いようだが、やはり最初に楽しい思い、よい思いをしたかどうかが影響しているようだ。残念ながら続かないケースもあるが、他にのめり込める楽しみ(部活やゲーム、楽器など)が見つかったり、やや釣りで苦い思いをした結果のようで、釣りがすべてではない子供たちの人生にとって致し方ないところだ。いずれにしても、初回に強制的に連れて行ったか、自発的に行きたがったかはあまり関係ないようで、先にも述べたように「親が環境を準備した」「そのシチュエーションを子供たちが楽しんだ」ことの方が大切なようである。

浜辺と親子

なかなか自然と触れ合う機会やきっかけが見つけにくくなっている昨今。家族で少しだけ楽しみながらアウトドアに出かけてみてはいかがだろうか。

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