医学と釣りとイカ先生
まさにイカ先生というテーマから富所さんに迫っていきたいと思います。職業がお医者様ということで、職業病と呼んでしまっては語弊があるかもしれませんが、釣りに対する目線や姿勢にも、やはり医学的・哲学的な考えなどが影響しているのでしょうか?
そうですね。やはり医学には理由や結果が大切で何となくこうかな?では務まらない仕事なんですね。すると釣りに関しても、きっとこうではないのか?というある意味ファジーなアプローチよりも、もっと生態や習性を知った上でのアプローチにはなっていますね。
例えば1年の中でイカがいつ産卵をするのか、何を食べているのかといった、どんな生活史を持っているのかを先ずは考えます。これはイカに限らず、すべての釣りにおいてですが、私は釣り雑誌から情報を得ることは多くありません。どちらかというと県や水産試験場、漁協などが公開している論文などから情報を得ることが多いんです。それらを国立図書館などから集めて、生態などの部分から知識を得ているので、そのような意味では釣りに関することを話す時、より説得力があるのかもしれませんし、私自身も説明がしやすいんです。
なるほど。普段から論文や医学的な資料に目を通す機会が多いという面も、大いに釣りに活かされているんですね?
あると思います。読み慣れていると、図鑑の様な膨大な資料を目の前にしても、必要な情報から先ずはピックアップしていくことが出来ます。そこからさらに必要な情報を引き出すために他のページへ進む、という感じです。必ずしもすべてに目を通す訳ではないんですよ。そういう風に釣りにアプローチする人間がいてもいいのかなと思っています(笑)
イカ先生と呼ばれる理由、そのきっかけ
独自の理論にも説得力がある理由を垣間見た気がします。そんなイカ先生ですが、いつ頃からそう呼ばれる様になったんでしょうか。イカに詳しいからイカ先生?お医者さんだから先生??
いつ頃からでしょうか、10年ぐらい前になると思いますね。医者になってからだったと思います。最初は自分で自分を先生なんて呼んでる、なんて言われたりもしました(笑)でもそうではなくて、最初に僕をイカ先生と呼んでくれたのは漁師さんなんです。その頃はまだ遊漁でのイカ釣りの船はほとんどなくて、よく漁師さんに乗せてもらってよく釣っていました。そしてよくイカを釣る先生(医者)だ、ということになってイカ先生と呼ばれる様になったんです。違う地域に行ってまた船に乗せてもらっても、何も言っていないのによくイカを釣る先生だ!という具合にその名前が広がっていきました。それと先生ってきっと誰もが呼びやすいんでしょうね。
僕の名前なんて覚えていなくても、皆さんイカ先生と呼んでもらえる様になりました。
Hayabusaとの出会い
私は実家が釣具屋でして、そこに昔からHayabusaさんの営業で来ていた方と知り合ったのがきっかけですね。その方とは私が学生の頃から、もう20年以上の付き合いになります。
当時はスタッフなど、特別な話はなかったですが、もともと甘鯛や真鯛など、エサ釣りをする時もずっとHayabusaの仕掛を使っていましたので、長年いちHayabusaユーザーだったことがきっかけと言えますね。
なるほど。小さな頃から色々な釣りに触れてきたんですね。
はい。もともと色々な釣りをするんですが、以前石川に住んでいた頃にマイボートを持っていたんです。その頃もルアーに限らず、Hayabusaの仕掛を使って釣れるものを好きな時に釣るスタイルでした。そしてそれをボート雑誌の連載にでも紹介したりしていました。マイボートの釣りは自分でポイントを開拓する楽しみがあり、そこにはいないと言われる魚も、皆やっていないだけだろう?と試してみると、意外に釣れるものなんですよ。
なるほど。そういった部分でも、お医者さんという視点だけでなく、きっと根っからの「探究心」が釣りに活かされていたんですね。ある意味期待していた通りの?イカ先生のお話しが聞けました。ありがとうございました!
それは良かったです(笑)ありがとうございました。