さまざまな種類がある「釣りモノ」「釣り方」ですが、なかでもサーフや堤防などからの“投げる釣り（キャストする釣り）”として、近年高い人気を集めているのが「ショアジギング」です。海中の障害物（岩礁や藻場など）の周りに好んで生息している根魚や、回遊する大物の青物などがねらえる釣り方の1つとして人気を博しています。
一体どのような方法で釣りをおこなうのか？ ショアジギングについて、必要な道具やねらえる魚種とともに詳しくご紹介しましょう。
「ショアジギング」ってどんな釣り？
「ショアジギング」とは、堤防や磯、サーフなどの岸からメタルジグを遠投して魚をねらう釣りの方法のこと。「ショア」は「岸」を意味し、「ジギング」は魚を模した金属製のルアーである「メタルジグ」を使った釣りのことを指しています。
堤防でのショアジギングでは水深をしっかり確認することが大切。遠投した際にメタルジグが引っ掛かることがないよう、最低でも水深が5m以上ある場所を選びましょう。また、ターゲットとなる魚は回遊魚がほとんど。潮通しがよい場所は魚が回ってくる機会も多いため、潮の流れのよい場所を見つけることも重要です。
サーフや磯からのショアジギングの場合は、海底が一気に深くなるなど地形が変化している場所を選ぶのがコツ。地形変化により潮の流れがぶつかり合う場所には、プランクトンが多く存在するため魚がよく釣れるポイントなのです。
ショアジギングで使用するタックルは、ロッド、リール、ライン（メインライン・道糸）、リーダー、メタルジグ（ジグ）とシンプルなため、初心者でも始めやすいのが嬉しいところ。釣り方はリールを1回転させるごとにロッドを上下に動かすことで、ルアーが生き物のように動く「ワンピッチジャーク」が基本で、リズムよく動かすことができるとなおよいでしょう。
ショアジギングで釣れる人気の魚
ショアジギングで釣れる青物のなかで、一番人気なのがブリ（ハマチ・イナダ）。大型でパワフルな引きが特徴です。また、生息する地域が限られるものの夢中になる人が多いのがヒラマサで、こちらも引きが強烈な魚。しっかりとした強さのロッドや太いラインを使用するなど、万全の対策をして挑戦しましょう。
サワラやタチウオも、比較的1年を通して釣ることができる人気の魚です。
小型の魚のなかではサバやアジをねらう人も多くいます。これらの小型回遊魚は堤防から釣ることができ、群れでいることが多いため、1尾釣れると続けて釣れる場合も。同様に、20cm前後の小さいサイズのメッキやカマスも対象魚の1つ。港内に入ってきていれば、ジグを落とすだけで釣れることもあります。
さらに、海中の障害物付近に好んで生息している根魚もショアジギングで釣ることができます。なかでも堤防や磯など、底に沈み根やブロックといった潜みやすい障害物がある場所でよく釣れるカサゴは人気です。
ジグの重さで呼び名が変わるの？
ところで、ショアジギングは使用するメタルジグの重さやタックルの強さによって、呼び名が3つに分けられます。一般的な「ショアジギング」は、重量が60g以上のジグとパワータックルを使用し、対象となるのはブリやキハダ、カツオなどの大型の魚。一方、ジグのなかでも30gから50g前後の比較的軽めなメタルジグを使用し、ヤズやハマチ、ヒラメなどの中型までの魚をねらう釣り方を「ライトショアジギング」と呼びます。
さらに、ライトショアジギングよりも軽い30g以下のジグを使い、主にアジやサバなど小型の魚をねらうのが「SLS/SLSJ」や「スーパーライトショアジギング」と呼ばれるもの。ただ、スーパーライトといっても、ねらえるのは小型の魚だけではありません。魚の引きが手元にダイレクトに伝わる軽いタックルを使用しているだけで、実際にはさまざまなサイズの魚が釣れます。
良型の魚に対しては、タックルが華奢でラインも細いため無理はできませんが、そのスリリングなやり取りは釣りの醍醐味を存分に味わえます。
スーパーライトショアジギングはメリットがいっぱい！
ライトショアジギングやスーパーライトショアジギングは、タックルを軽くすることでキャスト時に身体への負担が少なくて済むのも魅力の1つ。とくにスーパーライトショアジギングであれば、釣り初心者だけでなく女性や子どもでも挑戦しやすいでしょう。
また、大きいサイズのジグを使用した場合には大きい魚しか食いつくことができませんが、小さいサイズのジグであればどんな魚でも食いつきやすく、ねらえるターゲットが増えるのもメリット。冬には青物などの釣果が厳しくなりがちですが、スーパーライトショアジギングなら冬によく釣れるアジや根魚もねらえるため、1年を通して楽しむことができます。
メタルジグの重さや釣りたい場所など、自分に合わせて挑戦することができる「ショアジギング」。ぜひ一度その面白さを味わってみませんか？
