初挑戦で実感!アタリを掛ける快感がたまらない
ムズ面白い「ティップラン」の奥深き世界

ちまたで話題の「ティップラン」とはいったいどんな釣りなのか? 一体何が魅力なのか?
ショア同様にエギを使って、アオリイカを船からねらう「ティップラン」は近年とても人気です。これまでトライしたことのなかった私も「ティップラン」に興味が湧き、今回初挑戦してみました。初心者がやってみて分かったその面白さと、同時に感じたその難しさをご紹介したいと思います。

ティップランとはどんな釣りなの?

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水深のあるエギングは違和感の感度がキモ

数年前からアオリイカを釣る釣法の1つとしてジワジワと広まり、ここ最近大人気となっているティップラン! 一体どんな釣りなのか? やっている方に話を聞くと、「オモシロイ」や「難しい」「自分も始めました!」などいろんな声があり、気になって気になって……ついに手を出してしまいました。

とはいえ、このティップランという釣り…あまり手持ちの道具が代用できない! というのが(個人的に)一番のネックでした。ショアエギングにしてもまだ身に付いていないのに、新たな釣りに手を出してもよいものか…。ハマるかどうか分からないのに、新しいロッドやエギにシンカーなんて…と、踏み切るまで半年ほど悩みました。
しかし、思い切って手を出してよかった! 実際にやってみると、その楽しさが分かったような気がします。そんな初心者なりに、ティップランについて語ってみたいと思います。

ティップランのタックル

ティップランロッドはイカメタルロッド同様にティップが柔らかく先調子のロッドです。しかもイカメタルとはオモリ負荷が違い、ひじょうにティップが細くなっているため、損傷には注意が必要! そんな繊細なタックルを使用します。
さらにエギは基本的に重くすることが多く、シンカーを足して使うことがしばしば(水深によっては50g以上になることも)。

ここで注意しなければならないことがもう1つ! それはエギとシンカーです。シンカーが合うものと合わないものがあり、エギによって異なります。同じメーカーのものだけでそろえていればいいのですが、種類やカラー、人気商品に新商品。いろんなものを使ってみたくなるのが釣り人の性…。ちゃんと自分で調べるか知り合いや店員さんに確認してからそろえましょう!

エギングとの違い

ショアからのエギングやボートエギング(以下まとめてエギングとする)との違いは「ティップの硬さ」「エギの重さ」、そして「水深」「誘い方」といったところです。

①ティップの硬さ

ショアもボートもエギングは遠くまでキャストする必要があるため、キャストに耐えうるティップの硬さが必要です。しかし、ティップランはバーチカルな釣り方であり、感度のよいティップで小さなアタリを取る必要があるため、ひじょうに柔らかくなっています。

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ティップの柔らかい専用ロッド

②エギの重さ

エギングでは、重過ぎるエギではキャストしても遠投できないことと、ゆっくりフォールさせて誘う釣りであるため、重いエギはイカを誘いにくいうえ根掛かりのリスクがあります。一方ティップランではボトム付近をねらうため、エギングのように軽いエギでは潮流の影響を受けてボトムを取ることができません。

そのため、ティップラン専用のエギ(エギングよりも重いエギ)があり、こちらの方が使いやすくエギの姿勢もキープしやすいといった具合です。
とはいえ、エギング用のエギでもシンカーを付けて使用可能で、装着できるシンカーもさまざまな重さがあり、状況によって使い分けます。

③水深

基本的に深場のボトムを攻めるティップランは、エギングよりもねらうタナが必然的に深くなります。地域や季節にもよりますが10~70mくらいで、場所によっては100m近くまで深いところをねらうこともあるようです。

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ティップに集中

④誘い方

エギングではボトムからトップまで好きなレンジをシャクって、フォールで誘うのが一般的ですが、ティップランではボトム付近でシャクったあと、エギが動かないように姿勢キープをして誘います。そのため「シャクって止める」といったアクションを1~3回ほどしかせず、イカが乗らなかった場合の誘い直しも、ボトムに再度落として誘い直すのが一般的です。
同じエギでイカを釣る釣法なのに、個人的には随分と違うイメージでした。

ティップランの難しさと楽しさ

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その時々の状況へのアジャストがカギ

エギングのこともまだよく分かっていないのに、ティップランをすぐに理解できるはずもない……そう思っていたのですが、それでも興味が湧いて、昨年のティップランが難しくなるシーズン中盤から挑戦してみました。
最初のうちはやっぱり何も分からず、ただただ難しさを感じるばかり。それでも何度か実釣を重ねたり、ほかの釣りからヒントを得たりするうちに、少しずつコツが分かってきて、気付けばその楽しさに夢中になっていました。

アタリが小さい!!

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小さなアタリを拾って掛けていく

やっぱり一番難しいと感じたのは「アタリの小ささ」「ティップを動かさない」こと。
ティップランはアタリが小さいので、わずかに動くティップを見て掛けなければいけない釣りです。その動きが小さくて初めはよく分からない…。しかも揺れる船の上なのでロッドを動かさないように身体で揺れを吸収しなければなりません。シャクったあと、エギを水中で動かさないようにしないとイカがエギを抱かないのです。

そのため、個人的に一番大事だと感じたのは「ロッド」です。専用ロッドはティップがひじょうに細く柔らかい。そんな専用ロッドであれば、イカがエギを抱いたときに出る小さなアタリを感知しやすくなると感じました。

掛けたときの快感がたまらない!

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ティップに出るアタリとしては「ティップが入り込む」アタリや、「ティップがフワッと浮く」アタリがあります。それ以外にもまだ自分では感じたことないのですが、「ティップがモゾモゾと動く」「なんかいつもと違うと感じる違和感」といったアタリがあるそうです。

獲物に感づかれないように近付いてきたイカの小さなアタリを感知し、掛けることができたときは、イカに勝った気がします!

ティップランのやり取りがオモシロイ

ティップランは水深が深く、潮の流れがトップとボトムの間で異なることもよくあります。そのため、水中の状況を感じ取ってシンカーを調整したり、エギのカラーを変え、イカに興味を持たせてアタリを引き出す工夫が必要です。
そうして得た小さなアタリを掛けたときの快感はたまりません! 上手く乗せることができれば、イカ独特の引き応えを海底から味わいつつ、テンションが抜けないようにやり取りする、とても楽しいバトルタイムを堪能できます。

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エギのサイズやシンカーの調整でイカに抱かせる

ガッチリと足の根本で掛かっていることもあれば、ゲソ1本ギリギリで上がってくることもあります。海底から上がってくるまではどんな状況か分からないので、ドキドキしながらのアオリイカとのやり取りは最高で、中毒性のある楽しさがあると感じました。

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掛けた快感とゲソ1本で上がってくることもあるスリルの釣りですが、ハマれば大漁も!

ひじょうに繊細なアタリを掛ける「ティップラン」。最初の1杯を掛けるまではハードルが高く感じましたが、上手く状況に合わせて、わずかなアタリを見逃さず掛けていく攻めの釣りは、一度体験してみると病みつきになるハズですよ。

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また、ティップランはキャストが苦手な方や女性でも、大型のアオリイカに出会えるチャンスがあります! ショアエギングでは全く釣れる気がしない…と言いながら、ティップランでアオリイカを釣り上げてハマっている方もいます。私も早くティップランの釣りを身に付けられるよう、今後も楽しんでいこうと思います。


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レポーターREPORTER

jokunn1
プロフィール:jokunn1
大阪在住
子どものころから釣りが好きだったものの、社会人の間はブランクが…。令和になってから釣りを再開したリターンアングラー。大阪、和歌山、京都、兵庫をホームに季節に合わせて魚種を変え、1年を通じで釣りを楽しんでいる。