INDEX
釣りの楽しみ方は人それぞれあると思います。「エサ取りを交わしてターゲットの魚をどうやっておびき出すか」「魚との駆け引きが楽しい」「釣った魚をどう料理するか」「スーパーではあまり見かけない魚を釣りたい」など…。釣るのが好きな人はもちろん、食べるのも大好きという人も多いのではないでしょうか?
一方で、「最近釣りが流行ってるので釣りに行きたいけど、あまり行ったことがない…」「道具がたくさんあって何を用意すればいいのか分からない…」「どの釣りから始めればいいのか分からない…」という人もいることでしょう。
一番かんたんな釣りはサビキ釣りかもしれませんが、夏にやってみてほしい釣りが「キス釣り」です。当記事では、私が思う手軽でかんたんなキス釣りのアレコレをご紹介しますので、ぜひ参考にしていただいて、キスの天ぷらでも食べてみてください! そしてキス釣りをきっかけに、ほかの釣りも楽しんでもらえればと思います。
キス釣りって何がいいの?
地域によって多少シーズンは異なると思いますが、大体梅雨入り前後から釣れ始める「キス」。毎年、美味しいキスの天ぷらを食べると「夏が来たな~」と季節を感じます。でも、キス釣りをオススメする理由はそれだけじゃないんです。
釣り自体も割とかんたんで、ハリに虫エサを付けて仕掛を投げ込む、そのあとゆ~っくりサビいて(仕掛を引きずる)アタリを待つだけで釣れてしまうのです。
で、1番のオススメの理由はそのアタリ! あんなに小さいキスですが、コツコツコツと明確なアタリ方をするんです。エサを食いにきたときの手に伝わる感覚!! このアタリは結構ヤミツキになっちゃいます!
そして、やはり釣りといったら魚の引き味は捨てがたいものがあります。魚によっては独特な引きをするものもあれば、綱引き状態で「人間か魚かどっちが勝つ?」みたいなものもあります。また、アワセるタイミングに関しても、「ウキが沈んだのかどうか分からない微かなアタリにアワセなければ釣れないもの」や、「向こうアワセで勝手に掛かるもの」などいろいろあります。
その点、キスの明確なアタリと掛けたあとのクククッという軽快な引き応えはたまりません。
虫エサがネック……かも?
でもご安心を!擬似餌もあります
キス釣りでは「イシゴカイ」や「アオイソメ」という生きた虫エサ(ミミズのようなエサ)を使います。
とくに子どもや女性はニョロニョロとした虫エサを触るどころか、「見るのもイヤ~!」かもしれません。そんな虫エサが苦手な方にオススメなのが、擬似餌(いわゆるワーム)! 「パワーイソメ(マルキュー)」っていうとってもイイものがあります!
やはり生きている虫エサには敵わないかもしれませんが、この擬似餌でも十分釣れるんです!
見た目は虫エサに似せてますが、当然生きてない擬似餌なので動きません。あと常温で保存できるので、あらかじめ買っておいて釣りの際に持っていくことができます。これで「虫エサがダメ~」っていう大きな問題も解決です。
あとはどんな道具がいるの?
もともと投げ釣りといえば、長い竿(投げ竿)にロケット天秤、5~6本のハリがついた長~い仕掛を100mくらい遠投して…といった釣りです。しかし、なかなかそれでは初心者にはハードルが高いですよね。でも、今は「ちょい投げ」が流行っていてこちらはお手軽。
かんたんに「ちょい投げ」の道具を紹介すると、
- ●ロッド: 7~10ft(2.5~3m)程度のエギングロッドかシーバスロッド
- ●リール: スピニング2500~4000番前後
- ●ライン: PE0.8~1.5号
- ●リーダー: フロロカーボン3~5号 または、ナイロン3~4号を1m
- ●仕掛: 「ちょい投げ」や「コンパクトロッドやルアーロッド」と書かれた、オモリがセットになった投げ仕掛
- ●エサ: 虫エサ(イシゴカイ)か擬似餌(パワーイソメ)
ザっとこんな感じの道具を準備しておけば釣りが可能です。仕掛は根掛かりしたり、フグなどに切られたりするので、予備をいくつか持っていれば困りません。
ほかに必要なものは、
- ●帽子、サングラス(夏なので日中は暑い)
- ●クーラーボックス(水分補給のための飲み物、氷、食べ物を入れて)
- ●ウエス(手を拭いたり、魚をつかんだり)
- ●水汲みバケツ
- ●ライフジャケット
これくらいあればできちゃいます。
釣れる場所は?
キスは砂地にいますので、砂浜や河口がポイントになります。少し歩きにくいですが比較的安全な場所が多く、子どもや女性でも行きやすい場所が多いと思います。
ただし、河口で釣りをする場合は夕立や前日までの雨などで増水することがあるので、安全には十分注意が必要です。
また、場所によっては景色も楽しめます。砂浜から見る景色は最高! 休憩しながら水平線や山の稜線を楽しむのもいいと思います。
キスは移動しているので釣れるところを歩いて探し、釣れなくなったらまた移動というように、歩いて釣果を伸ばす釣りです。できるだけ軽装で歩き回れる格好、少ない荷物でトライするのがオススメです。
あったら便利!
エサ付けで指が滑らない「石粉」
釣り慣れないうちは便利な道具や、アイテムは使った方が楽しく釣りができますよ!
先ほど虫エサが苦手でも擬似餌がありますと伝えましたが、虫エサを使うケースも出てくるかもしれません。つかみにくい虫エサをハリに付ける際、「石粉(いしこ)」というアイテムを使えば便利です。
虫エサって触るとわかるんですが、ウナギまではいかないまでもヌルヌルしていて、当然生きているので動きます。あと、実は噛みます! なので、さっさとハリに付けたいんですが、虫エサにこの「石粉」を付けるとアラ不思議! 全然滑らないので、かんたんにハリに刺せちゃいます。これはあって損しないアイテムなので、もし虫エサを使う必要に迫られたら、ぜひ一度使ってみてください!
釣れたらご褒美が待っている!
キスが釣れたら美味しいおかずになるので嬉しいですが、できれば食べる分だけ持ち帰りましょう。食べきれない量や小さいものはリリースしてもらいたいですね。しかし、仕掛を飲み込んでいるものなんどはリリースしても死んでしまう場合があります。そういった魚は、持ち帰って美味しく料理してあげてください。
キスを美味しくいただく最もメジャーな料理は「天ぷら」ですね。内臓と頭を落とし、衣をつけて揚げるキスの天ぷらはウマい! 何とも言えない格別なお味です。でも、もっと貴重な食べ方に「キスの刺身」があります。
大きくないと刺身にするのは難しい…、しかも新鮮な魚でないと食べられない刺身は、最高のご褒美になりますよ! 釣り人ならではの特権です。
キス釣りについて私が感じることをいろいろと書いてきましたが、「初心者でもかんたんにできる」「釣り具は専用でなくてもできちゃう」「市販の仕掛で大丈夫」「嫌いな虫エサ使わなくてもOK」「何といってもお手軽な釣り」「釣れたら食べても美味しい」ということが分かっていただけたでしょうか。
「そんなにカンタンなら、ちょっとやってみよ~かな?」って思ってもらえたら嬉しいですね。ぜひ一度、キスの引きを楽しんでみてください!!
ただし、最後に少しだけお願いが……。「自分で出したゴミは片付ける」ようにしましょう!
昔から釣りをされている方も含め、最近はアングラーが多くなってます。ゴミを捨てなければ釣り場が汚れることはないのですが、残念ながら仕掛の袋や使用済みの仕掛、エサの袋、お弁当の袋や容器、カンやビン、タバコの吸い殻などが釣り場には落ちています…。最近ではこのゴミの問題やマナーなどの問題で、釣りができなくなっているところが増えていると聞きます。
私がオススメしたいキス釣りも含め、楽しい釣りを長く続けられるように、最低限、自分で出したゴミはきちんと持ち帰って釣り場を汚さないようにしてくださいね。
レポーターREPORTER
大阪在住
子どものころから釣りが好きだったものの、社会人の間はブランクが…。令和になってから釣りを再開したリターンアングラー。大阪、和歌山、京都、兵庫をホームに季節に合わせて魚種を変え、1年を通じで釣りを楽しんでいる。