知っていれば快適!フィールド豆知識 No.26 磯釣りスタイルに学ぶ
釣り場で身に付けておきたい小物あれこれ

長年釣りをしていると当たり前のことでも、釣りを始めて間もない人にとっては「目から鱗!」「そうだったのか!」という、ちょっとしたノウハウをお届けするのがこのコーナー。釣果に直接かかわることではないけれど、アナタの釣りが快適になるかもしれない!? ほんのちょっとの工夫とアイデア。
今回は釣り場で身につけておきたい小物エトセトラ。ということで磯釣り大好きレポーターが実践している「かゆいところに手が届く」はず? の便利小物とその装着法

たいていのことはその場で解決!
足場が悪い磯ならではの常識

断言しよう! 磯釣りでは、とくにグレなどをねらうフカセ釣りではハリにハリス、仕掛・小物類など、釣りの最中に必要な物(必要最低限)を、すべてライジャケのポケットに収納しているのだ。

概して磯釣りは足場が悪く、波飛沫を浴びることも多いので、バッグ類は釣り座よりも後方の高い位置に置いて釣りをするのが普通だ。

01 磯
磯釣りでは竿を出す場所と荷物を置く場所が同じであることは少ない。荷物は波をかぶらない安全な場所に置くのが鉄則だ

ということで仕掛交換のたびに、いちいち離れた場所まで移動するのは効率が悪く、短い時合ならチャンスを逃してしまう。これは防波堤のテトラ上で釣りをする場合でも同じである。また釣り座からの移動が多くなればそれだけ足を滑らせるなどのリスクも増えるのだ。

02 テトラポット
防波堤のテトラでも荷物は後方の安全な場所に。だから仕掛交換のたびに移動しないですむよう必要最低限は身につけておく

だから「ちょっとしたこと」なら、すべてその場で解決できるようにしておくのが古くから磯釣り師たちの常識なのである。

03 ライフジャケット(固型式)・磯ベスト
レポーターのライジャケ。ハリ、ハリス、オモリ、ウキなどの小物はポケットに。頻繁に使用するハサミなどは前面にぶら下げている

ハサミやラインカッターは
ピンオンリールに取り付けよう

まずはハサミラインカッター。ポケットに入れておいてもよいが、手が滑ってポロッと落とし海中にポチャンという悲しい事態もよくある。これを回避するために便利なのが、ヒモが伸び縮みするピンオンリールだ。これにハサミやラインカッターを付けておけば手から放れても大丈夫。

04 ピンオンリールに取り付けたアイテム
05 ハサミ・ガン玉外し・ウキセッター
ピンオンリールに取り付けるのはハサミ、ガン玉外し、ウキセッター。左は自作の仕掛セッター(本文後半で解説)

私の場合、同じピンオンリールの別のフックに「ガン玉外し」や「ウキセッター(中通しウキにラインが通りにくいときに使用)」などもセットしている。ピンオンリールそのものはライジャケにセット。最近のライジャケはピンオンリールをセットできるパーツが最初から取り付けられているものがほとんどだ。もし、それがない場合は安全ピンで直にセットすればよい。

プライヤーも身に付けるべし
エサ釣りなら小型でOK

魚に掛かったハリを外したり、はたまた自分の帽子やウェアに刺さり込んだハリを外す際に重宝するプライヤーもライジャケに忍ばせている。

プライヤーに関してはルアーアングラーが先進。大型のプライヤーをホルダー(シース=鞘)に入れて腰からぶら下げている人が多い。ルアーのトレブルフックを外す場合は思いのほか力が必要なのだ。

一方、磯や防波堤でのエサ釣りなら小型のプライヤーでもOK。私はライジャケのポケットに収納。ただ万が一に備え100均ショップで購入したカールコード式のキーホルダーを活用し、ハサミ同様に“海ポチャ”を防いでいる。

06 小型プライヤー
小型プライヤーも海に落とさないようカールコードでライジャケとつなぎポケットの中に

ナイフを腰に下げるスタイルは
見かけなくなったが……

釣った魚を美味しくいただくために魚を締めるナイフも必要だ。私も例にもれずなのだが、かなり以前は腰にナイフをぶら下げていた。これは多くの磯釣り師に普通に見られるスタイルだった。ホルダー(シース=鞘)をズボンのベルトや尻当ての腰ベルト部に通しておくのだが、さっとナイフが使えてひじょうに便利だった。ただ近年は厳しくなった銃刀法の影響もあってか、ナイフを腰に下げた磯釣りファンをほとんど見かけなくなった。

07 腰ベルトとナイフ
かなり以前はこんな感じで尻当ての腰ベルトにナイフを装着していた

ということで私は魚締め用に刃渡り5cmほどの小型ナイフをライジャケのポケットに忍ばせているが、ナイフはクーラーボックスや道具バッグに入れておいてもかまわない。

エサを触って汚れた手は
ライジャケに下げたタルでさっと一拭き

お手ふきタオルは必需品。一日中エサに触れる磯釣りなどではエサを触った手で、ロッドやリールに触れたくない。だからタオルもライジャケの左右どちらサイドにぶら下げている。ご家庭で使用する手ぬぐいでもかまわないが。ダランと長く垂れ下がって、あまり格好よろしくない。ということで釣り専用のハンドタオルがオススメ。

08 お手拭きタオル
お手ふきタオルも必需品。専用の物をライジャケの左右どちらかにぶら下げる

老いも若きも……
「仕掛セッター」を活用しよう

若い人には必要ないかもしれないが、老眼の私には穴が小さなウキクッションや極小シモリ玉を、さっとセットできるようにループ状のラインに予め数組通した、一種の「仕掛セッター」をライジャケの胸元にぶら下げている。

05_2 自作の仕掛セッター
安全ピンにループ状のナイロンライン(2~2.5号)を固定し、これにウキクッションなどを通したレポーター自作の仕掛セッター

現場では仕掛セットの際、そのループにラインを通して移動させるだけ。市販のウキ止め糸、ウキ止めゴムや振出竿のトップカバーに付いているライン通しと同じ理屈、同じ方式だ。

とくに薄暗い時間帯などはラインが小さい穴に通せずイライラしてしまう。しかし、このシステムを活用すればイライラしないだけでなく、釣りの能率が格段にアップするので老眼でなくてもオススメだ。

ハリスにセットするG5やG7といった極小ジンタンもこうしておけば便利だと思うのだが、これに関してはハリやサルカン、ハリスやラインとの結び目を一旦切らないといけないので、どちらが能率的かは疑問。眼の悪い人用に極小のジンタンをセットできるアイテムも市販さているようだが、まだ使ったことがないので私には未知数…。

09 磯風景
足場が悪く危険をともなう磯釣りで小物類を身につけておくことは安全を確保するうえでも大切だ

 

ということで磯釣り一筋50年近く、老眼磯釣り師であるレポーターが身につけている小物を紹介したが、ほかにも素晴らしいアイデアがあったら、ぜひ教えてほしい。