HOW TO 冬のタイラバゲーム!
冬を制すものはシーズンを制す!?

またまたコロナ禍の緊張感が高まっている最中にこの原稿を書いています。昨年から芦ノ湖・駿河湾というホームフィールドを“徹底的に釣り込む!”というテーマで、どこにも寄らず釣り場に直行するDoor to Fishing継続中です。

そんななか、寒風吹きすさぶ駿河湾で冬のタイラバゲーム。「一日一枚!」をテーマに来るべきハイシーズンに向けたハードな修行に出掛けています。バイトの少ない冬に魚を釣ることで、きっと一年中安定した釣果を得れるハズ! そんな冬のタイラバゲーム攻略のコツを、私なりにお届けします。

まずは私の近況報告と冬の釣りに向けて…

昨年(2021年)の後半、例年ですと秋にはタイラバ三昧なはずの私でしたが、夏から出ていた緊急事態宣言により芦ノ湖でのバストーナメントの中断期間が異例ともいうべき長さに…。そのため10月から12月まで4戦ものトーナメントが続くという怒涛のハードスケジュールになってしまいました。海にも出てはみましたがサバフグのラッシュで釣りにならず(泣)、おかげでバスフィッシングに必然的に集中。秋からの4連戦のうち2戦で優勝3位入賞を獲得し、2021年はシリーズランキング4位でフィニッシュすることができました。

最盛期が重なるタイラバとバスフィッシングとの両立はなかなか難しいのですが、双方の釣りにおけるスタイルやリズム、思考といったものは共通する点も多くあります。周年バスとマダイを楽しむ私ですが、「バスアングラーが大海原に繰り出しまだ見ぬフレッシュな魚を相手にする」「ソルトアングラーがよりテクニカルなバスフィッシングに挑む」そんなバスアングラーとソルトアングラーの交差するポイントを見い出し、新たな釣りの楽しみ方を提案できるように頑張っていきたいと思います。
シリーズ後、芦ノ湖は12月中旬で禁漁になりましたのでバスフィッシングはシーズンオフに。その流れで私の動きは、引き続きホーム駿河湾での釣りに移っていきました。

01_ バラムツ釣果
オフシーズンになるとやりたくなる駿河湾のバラムツ釣り。港から20分先にあるパワーゲーム。2021年末には自己最高クラスの魚をキャッチしました
02_ チャプター表彰
芦ノ湖で開催されたNBC神奈川チャプタートーナメントは、新型コロナウイルスの蔓延により変更・延期が相次ぐ過去にないスケジュールに。2021年シーズンも優勝1回を含むシリーズランキング4位を獲得

なぜ冬なのか?
自らを高めてくれる冬のタイラバゲーム

寒風吹きすさぶ海で釣りをする…当然のように寒いわけで、「こんな時期になぜタイラバなの?」と思われる方も少なくないと思います。
全国的にみると冬場はタイラバ専門の遊漁船も出船していないエリアが多いのですが、冬でも釣りができる私のホーム駿河湾奥なので、春先のノッコミまで待っていられないのです。「一日一枚!」のテーマで挑んでいます。

03_	FREEKNOTグローブ
寒い真っ暗の中準備し海に繰り出す。FREEKNOT(フリーノット)の光電子®グローブが活躍してくれます

暗く寒い早朝から海に繰り出し、寂しげな大海原でひたすら巻き続ける冬のタイラバゲーム。冬だけに当然、魚の活性も低く時合(プライムタイム)も短いので、「1日ワンバイト」ということも珍しくありません。さらに、日ごろプレジャーボートで挑むワタシのスタイルでは、釣るだけでなく「魚を探すこと」も加わりますので、エリア選択とマダイへのアプローチの2つを同時に考えていかなければなりません。
「日の出が遅く日の入りは早い、そして釣りの時間は少ない」そんな有効時間の短さに加え、「活性が低い=チャンスが薄い」ので、冬の釣りではどちらかを外せばゼロの可能性が高まります。ワンバイトが貴重、ミスは致命的。3日連続ノーフィッシュなんてことも珍しくもありません。しかし、これは誰のせいでもなく自分次第です。

そんな状況を打破するのが面白く、「冬の釣りは釣れても釣れなくても…」といった心意気でスレスレ感を楽しんでいます。ですから、その難しさをクリアし魚を手にすることができたときにはハイシーズン以上に歓喜するわけです。
また冬は、単発ではありますが体力ある大ダイに出逢えるチャンスでもあります。水温低下、プライムタイムの短さ、タイラバへの追いの悪さなど、ハイシーズンに比べかんたんではないその冬の一瞬をモノにできる男になるべく、修行を繰り返すわけです。

04_	朝焼け
夜が明ける間際が一番寒かったりします。防寒対策は万全に。指がちぎれそうな寒さの中でも1尾を求め釣りに出かけることが大切

冬のプライムタイムは短し!
タイラバの組み合わせは慎重に

今回のテーマは少々特異な「冬タイラバ」だけに、まずはその基本をお伝えします
タイラバゲームの場合、どのシーズンにおいても魚にタイラバを気付かせて追わせ、アタック&タッチさせなければなりません。それが冬となると水温低下とともにマダイが追う距離感、スピードも落ちてくるのが一般的のように思います。活性が低く、さらには「食いが立つ」タイミング(時合)の短さもあるでしょう。ハイシーズンなら「ガツガツガツ」と追い食いしてくれることも多いのですが、冬は「プッ」「ガツっ」と1回だけで終わることが少なくありません。ボトム付近で「グッ」と抑え込むアタリも多いですね。

05_ マダイとタイラバ
周年になってしまいますが私はフリースライド TGヘッドの90~160gを意図的に使い込んでいます。絡みにくいスマートなフォールが時合を逃しません

「ちょっとした変化、少ないチャンスをいかにモノにするのか?」が冬のタイラバゲームでは問われます。チャンスを逃さないためには、ネクタイが絡むトラブルを避け、適切なタイラバとフックへの絡みが少ないタコベイトの組み合わせを選択。一撃でタイに仕留めてもらうイメージで、できるだけコンパクトに小さめの組み合わせを選択したりもします。ヘッドはフリースライド TGヘッドの90~160gを意図的に使い込んでいます。

06_ ネットイン
07_ マダイ釣果1
冬の1尾は格別です。ネットインできれば身体が熱くなる感動が得られます