イカメタルの基本をおさえてアタリ倍増!
悩まない釣りの組み立て方

三陸沿岸のヤリイカメタルが盛期を迎えています。近年のヤリイカメタルの人気の盛り上がりは凄まじく、土日の遊漁船は全て満船ということもよくあります。
タックルが軽く、手軽に始められるイカメタルですが、「釣れない」「釣果が伸びない」などがあるとやはり楽しくないものです。釣れないのは何がよくなかったのか? 整理して考えることが次回の釣りに繋がります。

イカメタルの基本動作

イカメタルの基本は下記の3つです。

  • (1).イカを探す
  • (2).イカを誘う
  • (3).イカのアタリを見極めてアワセる
01_ イカ釣果

スッテのカラーやリグ、イカの種類による釣り方の違いなど、釣るための要素はたくさんあるので、釣れないと何がダメだったのか悩んでしまい、イカメタルの迷宮に迷い込んでしまうこともあります。
私も「なぜ釣れないのか?」釣行後の反省会ばかりやっていますが、釣れない要因は先に挙げた3つのいずれかである場合が多いです。
何が何だか分からず釣れなかった…と嘆く前に、釣れなかった要因は何だったのかを整理して考えてみることが大切です。少しずつステップアップすれば、釣りを長く楽しめるようにもなります。貴重な時間とお金をかけて釣りに行くのですから、何かをつかんで次に活かしましょう。

繰り返しになりますが、「探す」「誘う」「見極めとアワセ」がイカメタルの3大ポイントです。どれか1つ欠けても釣果に結びつかなくなりますし、この3つのうち、何が悪くて釣れなかったのかを自分なりに丁寧に分析すれば、釣り技術の向上にも繋がります。
この3つのポイントは同時進行であったり、イカの居場所が分かっていれば、「探す」を省略して「誘う」と「見極めてアワセ」だけで済むこともあります。しかし、基本は3つのポイントを常に意識しながら釣りを組み立てていくのがよいでしょう。

では、三陸沿岸のヤリイカメタルを想定して3つのポイントを考えてみましょう。

(1)イカを探す

02_ 釣り人の手元寄り

イカメタルの第一歩はイカを探すことから始まります。
イカは集魚灯の灯りに寄ってきた魚やエビなどのベイトを捕食しますので、状況次第でタナ(=レンジ、魚が定位する水深)が変わります。そのためタナを探し出すことはとても大事です。イカが居ないレンジでいくら誘ってもイカは釣れませんし、時間の無駄となってしまいます。

スルメイカのように活発に動き回るイカはタナがスピーディーに変化しますが、ヤリイカの動きはそこまで激しくはありません。ボトムから15m程度までを中心にレンジを探ればよいと思います。ときには船下の20~30mに留まることもありますので、アタリが遠くなったら探ってみるのもアリでしょう。

レンジを探るときのポイントは、竿先の変化に気を付けることです。スッテの周りにイカが興味を持って集まりだすと、ロッドティップに落ち着きがなくなり、上下左右に揺れたりします。コレはイカが自分のリグの周りに居るために竿先に出る変化ですので、見逃さないでください。
そのほか竿先の変化以外にも、イカのエサとなるベイトの動きやゴカイなどの虫類の集魚灯への寄り付き具合もタナの変化のヒントにもなります。たとえば、サバやスルメイカの群れが船に寄り付くと、ヤリイカの群れはコレを嫌ってタナが下がったりすることがあります。竿先の変化にばかり気を取られずに、広く船の周りの状況にも気を配りましょう。

(2)イカを誘う

03_ イカを釣り上げたシーン

イカの居るレンジが分かれば、次はいかにスッテを抱かせるかが大切になります。
活性が高い場面ではスッテに動きがなくても飛びついてきますが、そんな場面は多くはありません。やはり動くスッテにイカは興味を持って近づいてきます。そのスッテが食べられるものなのか? イカは何度もスッテに触れて確かめます。その際、上手く誘うことができれば、しっかりとスッテを抱いてきてアタリが出るので、楽に掛けることができるわけです。

イカを誘うには「ロッドの上げ下げ」「ジャーク」「シェイク」など、さまざま方法がありますが、大切なのはイカを飽きさせないこと。スッテをよく踊らせて興味を持たせ、イカが確かめにきたところを触れさせないように動かすなどしてイカを焦らすと、ハッキリと分かりやすいアタリが出るようです。また、その日の状況次第でアタリの出やすい誘い方があることも多いので、いろんな誘い方を試してみて最も適切な誘い方を探すことも大切です。

(3)イカのアタリを見極めてアワセる

04_ イカ釣果(女性)

イカはアタリにアワセなければ掛かりません。 誘ってイカのアタリが出ているのに、そのアタリに気が付かずに見過ごしてしまってはもったいないですね。
イカは激しく動いている獲物には襲い掛かりませんので、アタリが出るのは決まってスッテが静止しているとき、あるいはゆっくりと移動しているときです。誘ったあとは必ず、このアタリを待つ時間をとって集中してください。

イカの活性が高い場合は待つ時間を短く、活性が低いときは長く待つのが基本です。
船の揺れでスッテが上下してしまってアタリが出にくい場面はドロッパーのエダスを長くする、ロングロッドで船の揺れに対応するなども必要になってきます。
アタリは「ロッドティップを引き込む」「ロッドティップが戻る」「震える」などとても多彩です。ちょっとおかしいなと思ったら、迷わずにスッとロッドを立ててアワセを入れてください。
イカが掛かれば、今のはやっぱりアタリだったんだと学習して次に活かし、掛からなくてもよい誘いになってると前向きにとらえて、どんどんアワセてみることが上達の近道だと思います。

ヤリイカは触腕が細くて繊細なうえにゲソも短く、ケンサキ、スルメなどのツツイカのなかでもとりわけアタリは小さいものです。ロッドティップで確認できる目に見える変化は、波による船の揺れにかき消されてしまい、判別が難しいことも多いです。小さな変化も見逃さずアワセを入れてみることで、ヤリイカのアタリに対する見極めのスキルが養われると思います。
アタリが小さくて分かりにくい場合には、意図的にロッドティップを動かしてアタリを分かりやすくすることも有効ですので試してみてください。

 

釣れないアングラーに多いパターンは、

  • 「イカの居るレンジが分からずに居ないレンジで時間を費やしてしまう」
  • 「ロッドが止まってしまいシッカリとイカを誘えていない」
  • 「アタリを待つ間合いが短くてアタリが出ない(ロッドを動かしすぎる、誘いすぎ)」
  • 「アタリが出ているのに見逃している(アタリと認識できていない)」

などの場合がとても多いように感じます。
イカメタルの3つの基本を意識して釣れば、きっと釣果もついてくると思いますので、実践してみてくださいね。

イカメタルの釣りの組み立て

05_ ヤリイカ

イカメタルに出掛ける際、実際の釣行を想定して事前にシミュレーションしておくことも大切だと思います。いざ釣り開始となってから釣りを組み立てていくのは、経験が少ないアングラーにはなかなか難しいことです。あらかじめストーリーを考えておくことでやるべきことが明確になるので、冷静に釣りに集中できるようになると思われます。

(1)釣り開始から集魚灯点灯まで、
集魚灯の効果が出るまでの時間帯

06_ 釣りシーン(女性)

集魚灯が点灯して、その効果が出るまでには時間が掛かります。そのため、序盤でのヤリイカのタナはボトム付近であることが多いです。曇り空など光量が少ない場面では早い時間からイカが浮くこともありますが、それでも水深の半分まででしょう。
釣り開始から集魚灯の効果が出始めるまでの時間帯は、ボトムを中心にレンジを探るのがセオリーだと思います。ボトムから10mまでのレンジでイカを探してみてください。

(2)集魚灯の効果が出てきた中盤の時間帯

07_ 釣りシーン(水面のイカ)

船中の釣果を見ながら、その日のイカの活性を探ります。
もし、周りのアングラーが釣れていて自分が釣れないときは、タナを合わせることに集中しましょう。ヤリイカの場合、タナが大きく変化することは多くありません。中盤ではボトム~30mまでを目安に探れば大丈夫です。
イカの釣れ具合がよいときは、掛かったイカに周りのイカが着いてきてタナが上がる傾向があります。船下のシェードにイカが溜まることもありますので、中盤以降は時折、船下のシェードをチェックするのも大切です。

(3)終盤から沖上がりの時間帯

08_ 各種メタルスッテ

ヤリイカもほかの魚と同様、潮の流れによって釣果が左右します。やはり潮は適度に流れている方がよく釣れます。
潮の流れが悪くなるとイカの活性は落ちて釣りづらくなります。スッテに触ってアタリは出るのに掛からない…といった場合は、スッテのカラーをチェンジしたり重さを変えてみると、アタリがより出やすくなったり、掛かりやすくなったりします。掛からないからとレンジを変えて探りを入れる前に試してみるとよいでしょう。
ときには1杯釣るたびにスッテカラーを替えることもあるくらいカラーは大切な要素となります。潮が流れないときこそ、軽いスッテを試してみるのも有効です。

 

擬似餌を使う釣り全般に言えることですが、自信を持って釣ることがどんな釣りでも実はとても大切です。メンタル面に不安を抱え疑心暗鬼になれば、釣れるものも釣れなくなります。
間違いなくここにイカが居る! こうすれば絶対に釣れる! と信じて釣り続けるためにも、釣りの際中のイメージを持って釣りを組み立て、トライすれば、きっと釣果が上がるはずです。

09_ 集合写真

 

イカメタルはワイワイとみんなで釣れる楽しい釣りです。タナや釣り方をみんなで共有し合った方が、イカの群れが船下にとどまって釣果は伸びるものです。釣れたレンジを共有することは自分のためにもなるので、隣同士のアングラーと積極的にコミュニケーションを取り合うようにするとよいでしょう。
コミュニケーションを取り情報交換をすることで、船中みんなでその日のテクニックや釣果が上がっていきます。これまで見逃していたアタリに対応できるようになったり、新たなメソッドやパターンといった発見もあるかもしれません。そんな風にイカメタルを楽しみつつ、攻略してみてはいかがでしょうか。

 

レポーターREPORTER

堀籠 賢志
プロフィール:堀籠 賢志
フライフィッシング、バス、シーバス、ロックフィッシュ、フラットフィッシュ、エギング、鮎釣りまで、さまざまなジャンルを釣りこなすマルチアングラー。現在はスーパーライトからヘビークラスまでジギング全般と、メタルスッテを中心としたイカ釣りに取り組む。
東北エリアの面白い釣りを発信することで、震災復興に繋げていきたいという熱い想いのもと活動中。