こんにちは! 地味な男、「さかなのおにいさん」かわちゃんこと川田一輝です。
僕にはコンプレックスがあります。それは中高男子校で育ったがゆえの「モテなさ=イケてなさ」です。私服もモノトーン、休みの日は海辺にいるか家にこもってさかなの絵を描いてる日々。一言で言うと「ザ・地味」なんですが、そんな僕も共感する魚がいるのでご紹介しましょう。
今回ご紹介するさかなは、オイカワくん!
モテたいですねん…!
オイカワはコイ科の魚。カワムツやウグイに並ぶ、身近な小川や用水路で見かけるいわば、どこにでもいる身近な淡水魚。
昔、琵琶湖産のアユに混ざって東北など各地に放流され生息域を増やしました。
クマノミのような海水魚と比べると、どうしても地味な印象を受ける日本の淡水魚。とくにオイカワくんの呼び名がひどい!
だれがハエやねーん!
関西の一部では「ハエ」と呼ばれます。
どこにでもいる身近なさかななので、名前もたくさん! 地域によってハヤ、ブリーク、ハス、シラハエ、チンマ、ヤマベ、ジンケンなど。
ちなみにカワムツを初めてヨーロッパに紹介したのはドイツ人医師シーボルト。オイカワの(前の)属名「Zacco」は小魚の総称「雑魚(ざこ)」に由来しています。
そして共感できるポイントがもうひとつ。
ぼく、ニキビできますねん
繁殖期になるとオスの顔には「追い星」と呼ばれる、白色の突起が出てきます。性ホルモンの分泌によってできるので、人間でいうニキビのようなものでしょうか。
「ぼく地味やしイケメンちゃうしモテへん…!」
そんなオイカワくん、プロポーズのときは本気を出します!!
自分が宝石になりますねん!!
「僕と結婚してください…!」パカッ。
指輪を渡すのではなく、自分が宝石になるのがオイカワくん!!
春~夏、繁殖期に入るとオスは婚姻色と呼ばれる鮮やかな体色に変わります。別名「川の宝石」体に虹を纏(まと)ったような輝き、優雅なヒレにも朱色が混じり、本当に美しいんです。
日本の淡水魚は地味だなぁ~と思っていた方は、ぜひ本気のオイカワくんを見てみてくださいね!
僕もここぞというときに頑張る男、オイカワくんを見習いたいと思います。じゃあまたね!
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レポーターREPORTER
1990年大阪生まれ。さかなたちの“おかしな”生態を書籍やメディアで伝えることで、子どもの好奇心を育てる活動をしている。テレビ東京「シナぷしゅ」や釣り番組・情報番組に出演中。
著書に「ツッコミたくなる おさかな図鑑(ワニブックス)」「全国クセすご水族館図鑑(中央公論新社)」など。SNSの総フォロワー数70,000人以上
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