秋から冬の味覚「カジカ」を釣る!!!
日高地方のカジカスポット珍道中

11月に入り北海道は寒さが増し、そろそろこたつでアイスを食べながらゆっくりしたいところ…ですが、そうも言っていられません。これからは根魚、ニシン、マメイカ、ホッケ、ワカサギと、釣りものがたくさんいます(寒いからホントは家にいたいのですが)。
そんな釣りもののなかで秋から冬の味覚である「カジカ」を、またまた師匠の北條さんと一緒に、投げ釣りでねらってきました!

カジカについて

まず、カジカという魚についてですがたくさんの種類がいる魚です。
一般的には通称マカジカと呼ばれ、標準和名トゲカジカのことを指しています(ギスカジカを指す場合もあります)。他によくいわれる名前は「ナベコワシ」。鍋を壊すほど美味しいことからきているとか。

01_ トゲカジカ
大きいもので60cmくらいになり、40cm越えればかなり重量級で釣りごたえがあります!

次に、トウベツカジカ(標準和名ケムシカジカ)が有名なのですが、こちらの魚は歯が危険なので絶対にバス持ち(手で口を持つこと)はやめてください…。
以前知り合いが、知らずに手で持ったら血だらけになったと聞きました。見た目はマカジカより形が特殊で不気味な感じもしますが、トウベツカジカもたいへん美味しく味付けがいらないくらい出汁もでるので、私は大好きになりました(笑)。

02_ トウベツカジカ
ヒラメねらいのジグミノーで釣れたトウベツカジカ。日本海にはいないと聞いていたのですが、日本海で釣れました

最後は、投げ釣り師の方はイヤっていうほど知っているかと思いますが、ギスカジカです。春先のカレイ釣りでカレイよりも釣れることで有名です(笑)。
大体の釣り人はリリースするのですが、食べたら美味しいよな? と個人的に感じているので、次釣れたら食べてみたいと思っている次第です!

どんなタックルが必要?

●竿&リール
一般的な投げ釣り用タックルで十分です。場所によりますが秋は風波が強いことが多いので、カジカのアタリをより分かりやすくするために、硬い竿を使うとよいそうです。
ちなみに、今回はシマノの竿を2本持って行きました。シマノの竿の硬さ基準が「○X」という表記なのですが(Aに行くほど硬く、Zに行くほど柔らかい)、私はCXとDXを使用しました。北條さんはワンランク硬めのBXとCXを使用されていました。竿の硬さに関しては好みもあると思いますので、参考程度と捉えてください。

●ライン
リールに巻くラインは場所によってPEかナイロンを使い分けるのがよいと思いますが、カジカに関しては太めのナイロン(5~8号)を巻いておけば、大体の場所で対応できると思います。

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●仕掛
市販のカジカ用ゴロ仕掛(ゴロはイカゴロのことで釣具屋さんにエサとして売られています)でもよいですし、市販の仕掛を参考に自作するのも面白いと思います。オモリに関しては、圧倒的に棒オモリがいいですね! (最近売られている店が少ないそうですが…)

●エサ
イカゴロとカツオやサンマなどが一般的です。イカゴロで寄せてカツオ、サンマで食わせるかと思いきや、大体イカゴロに食ってきます(笑)。

さあ、釣り開始!

今回の場所はカジカ釣りで大変有名な日高の大狩部駅で、高速道路を使えば札幌から2~3時間ほどで着きます。

大狩部駅

住所:〒059-2411 北海道新冠郡新冠町大狩部
HP:なし

 

03_ 狭いトンネル
こんな狭いトンネルを抜けて…千と千尋みたい

現地へ向かう車内での会話。

北條さん: 「今日鍋焼きうどん持ってきたので食べましょ~!」
私:    「ホントですか!? ありがとうございます!!」

既に、カジカより鍋焼きうどんが楽しみになっていたことは、何があっても言えない私(笑)。

さて、準備も済ませ釣り開始です! この日は風こそ少し吹いていたものの気温はあまり低くなく、私でも釣りに集中できるいい日。

04_ 花田さん釣り座
花田釣り座。海面まで高さがあるため、バッカンに水を入れるのが大変でした
05_ 北條さん釣り座
北條さん釣り座。赤でまとまったサーフリーダーがかっこいい!!

ちょうど潮が引くタイミングだったので水深がかなり浅くなっており、波の影響をモロに受けました。竿先を見つめても波なのかアタリなのかが分からない…。こんなときは師匠に質問だ!

私:    「師匠! アタリはどんな感じで出るんですか?」
北條さん: 「波の場合はゆっくり竿が動くけど、生き物のアタリはもっと瞬発的というか、竿先が鋭角にシュッて入る感じだよ! 見てればわかるさ!!」
私:    「なるほど! ありがとうございます!」

しかしその後もアタリはなく…。エサを変えた方がよいのか、どうしたらよいものか…。またもや、せっかく師匠が隣にいるんだから聞こう!

私:    「師匠! 1回仕掛をあげてみてもよいと思いますか? そのままの方がいいんですかね?」
北條さん: 「こまめに回収してもいいし、そのままって人もいるし、どっちも正解だからね!」
私:    「なるほど! ありがとうございます!」

そんなわけで、仕掛をあげてみるとイカゴロはありませんでした…。
エサが取られているので魚の気配はあるのでしょうが、残念ながら沈黙は続き……、寒くなってきたから鍋焼きうどんをリクエスト!

私:    「鍋焼きうどん食べません?」
北條さん: 「あ、食べますか!」
「(お前、もう食うんかい! 着いたばっかやん)」
※という心の声が聞こえたとか、聞こえなかったとか…
06_ キャンプファイヤー
七輪で火を起こしてもらいキャンプファイヤー
07_ 鍋焼きうどん
あ~、美味しそう!! トッピングでおあげまで用意していただきました

それからもなかなか釣れない時間は続き…、

北條さん: 「ちょっと場所ずらしながらやってみますか!」
私:    「そっち側、なんか根掛かり多いんですよね…。このままイカゴロを効かせてる場所でやった方がよいのか、移動した方がよいのか、どっちがいいですかね?」
北條さん: 「(そんなもん分かってたら俺だってそうしてるわ~!!)場所移りながらって人もいるし、その場所でイカゴロ効かせてた方がいいって人もいるよ! どっちも正解だからね~!!」
私:    「はい! (どっちがいいんじゃ~!! とりあえず、北條さん移動しちゃってポツンと1人は怖いし寂しいからいどうするか…)」

そんな葛藤と(心の声の)やり取りが続いたのでした(笑)。

釣果は…

当初、カジカ3尾は釣りたいですね~! と意気込んでいたものの、ここまで釣れないと「頼む! 1尾釣れてくれ!!」と謙虚になるのも釣り人あるある。あと10分で帰らないといけない時間になり、北條さんの竿に魚らしきアタリがあるものの、ガツンとしたアタリではなかった。
仕方なく、片付けなきゃいけないのでリールを巻く。すると……。

北條さん: 「お! なんかついてる! なんだろ?」
私:    「(ライトで魚を照らす)あれ! カジカじゃないですか!?」
二人:   「カジカだ~! やった~!!!」
08_ カジカ釣果
40cmほどの良型カジカ! カジカがこんなにカワイイと思ったことはない!

 

これからの季節は鍋、おでんがより美味しく感じる季節です。とくに自分で釣った魚を食べる瞬間が最高に贅沢な時間ではないでしょうか。カジカに関しても、カジカ鍋やカジカ汁で冷えた体を温めつつ、釣りの余韻にひたりながら一杯やるのもいいですね。

釣ったらそのままではなく、できれば血を抜き、エラを切って海水に入れておくだけで味が変わりますので、ぜひ実践してみてください。個人的には、脳締め(脳死)してからやってあげて…と言いたいところですが、そのへんの処理については、近々また記事にしていきたいと思います。

 

レポーターREPORTER

花田 佳祐
プロフィール:花田 佳祐
1990年北海道札幌生まれ札幌育ち、札幌在住
母が「釣りしたい!」と言ったキッカケで家族一緒に釣りを始める。その後母はすぐに飽きたが、父と2人でドップリと釣りにはまってしまう…。ここ最近までルアーで根魚を主にねらっていたが、2~3年前から釣友の影響で初夏のヒラメ、カラフトマスに秋のサケなど、北海道をもっと楽しもうとさまざまな釣りに挑戦中!