INDEX
少し前の話ですが、2019年の晩秋に韓国のタイラバに再び挑んできました。仕事で各国を巡りながら、タイラバチャレンジを続けている私。なかでも韓国はよく訪れる国でありながら、ハマれば船中3ケタの釣果を叩き出すこともあるポテンシャルの高い国! ワクワクしながらの釣行です。
釣りは与えられた条件を楽しむことが基本
私の釣りは、プライベートでもロケやテストなど仕事の釣りであっても、陸上の仕事優先(当たり前!?)。その隙間に釣りの予定を入れることがほとんどです。ロケであっても条件のよい日を待ったり、潮のよい日をねらったりすることはほぼ不可能なので、「目の前のその状況を攻略する」ことを楽しみながら挑むしかありません。
その日しかない予定のなかで出船できるのか? そんな運からはじまり、限られた条件に対し自分がどう対応できるのか? そういったことを楽しみながら釣りをしています。国内外問わず同じですね。
今回も、韓国の仕事仲間からのお誘いで単身乗り込む形となりました。「それならちょうどいい!」ということで、2020年春に発売の新作タイラバロッドの最終テストを兼ねての釣行となったのでした。
爆発力がある!韓国の船釣り事情
釣りの前に韓国の船釣り事情を伝えておきましょう。
以前にも書かせていただきましたが韓国の船釣りはとても盛んで、西岸~南にかけては各港で相当な数の遊漁船が存在します。そのなかでマダイ・イイダコ・スミイカ・ソイ・タチウオ・青物がポピュラー。魚種は少ないのですが人気の魚種は日本とあまり変わらないといえます。日本メーカーのタックルを使用されている方も多いです。
今回チャレンジしたタイラバでいうと、あるメジャーな港ではシーズンになると80艇ほどがタイラバで出船している…、そんな驚きの話を聞いたことがあります。それだけタイラバは熱いということですね。
今回はHongwon(ホンワン)という場所の有名船ビーナスマリンで出船。実は3度目。最初の挑戦では密集の釣りを避けてしまったこと、加えてタイラバチョイスなどヨミが裏目に出て完全撃沈。2回目の乗船時は無双真鯛フリースライドのTGヘッドが炸裂。地元の先頭集団に食らいつき船中170枚の爆釣を体験させてもらいました。
そんな両極端の体験をさせていただいた船なのですが、今回のこの日は15人の乗船。片舷ドテラ流しが韓国流で、釣れているエリアにはいくつもの船が集まり同じスポットを流しまくり。「ボトボト」と上から15粒のタイラバが一斉に落ちてくるのって…、毎回想像するだけでゾッとしますけどね。「ン!? 何? 何?」みたいな…ヘンな活性の上がり方をしたりしてるのではないかと想像(笑)。
そのくらいに船も釣人も密集した中での釣りですが「近すぎるから…」なんて躊躇するとそこで負けです(笑)。取材ロケならわずかでも優先的にスペースを与えてもらえるかもしれませんが、プライベートの釣りではそうはいきません。ラフファイト!? にグイグイ入り込んでいくような気持ちで挑みます。
気分はノリノリ!時合を釣りまくるのがカギ
ねらうスポットは島周りや砂地のフラット20~50mライン。水温は18~20℃。日本でいうなら瀬戸内海に似ています。アベレージは季節で変わりますが秋口は0.7~1.5㎏ほどの個体がアベレージといったところでしょうか。大物ねらいというより数釣りの要素が大きいですね。
タイラバの先にイソメをつけるスタイルも韓国では一般的。船の大半がタイラバにエサを装着している…、なんてことも多いです。場所が特定できれば一撃で魚が食う手堅さがあるようなので、ビギナーの方やお子さんなど「まず1枚!」をねらう方にはオススメなのかもしれません。ただし広範囲に探ること、タイラバのスイミングイメージ&工夫など忘れてしまうことも多そうなので…注意です。
私は毎年、この中に混じり一緒に釣りをしてその差を体感したり、この釣りの醍醐味でもある「マダイにタイラバを追わせる…」ことを意識し巻き続けています。それがワタシにできることなので限られた条件のなかで頑張って巻くわけですね。
韓国で使用するタイラバはフリースライドTG60~90gというようなコンパクトシルエットのものがよく使用されています。
出船できる運は持っていたので出船できたらコチラのモン(笑)。ひたすら釣り続けそこからはテンポよく1枚1枚を積み上げていくことに成功。同行した友人と2人でデッドヒートを繰り広げました。
サーチするスタイルでミスなく取り込んでいき、時合が訪れれば、その瞬間は無駄な動作をせずひたすら釣りまくること。至福の一服などロッドを置いてはいけませんね(笑)。やるべきことは結び替えぐらい。
チャンスのときは魚の好む「巻きスピード」「タイラバウエイト」「カラー」でしばらく数を重ね精神的にもノリまくりです。そして、魚に飽きられてきたかな? と感じたときにはそれに少し変化を加えます。そうすることで、更なる「読み通りの一枚!」となるようなキメの1枚を獲ることができたらもう最高!! その余韻で2週間は幸せに暮らすことができますね(笑)。
それにしても韓国のマダイは美しくピンクで体高もありデップリとしています。ナイスプロポーションです。そこにソイ・ヒラメ・アイナメ・マゴチ・ニベといった多彩なゲストがラッシュしてくれたので、タイラバの楽しさが凝縮しているような1日でしたね。
タックルは普段使っているもので大丈夫
さて、タックルを紹介させていただきますが、ロッドに関していうと20~50mの浅場なのでマダイのアタック&衝撃を吸収できるフルソリッドのしなやかなロッドが必須になってくるでしょう。リールに関しては1回転の巻き量が70cm前後のギア比でさまざまな状況に対応できるはずです。1DAY(ワンデイ)という長時間巻く1日になるので、軽量かつロープロ(低いボディ形状)リールの握りやすさはアドバンテージありますね。
あと大切なのはライン。船からぶら下がった15本以上のラインは、時にあみだクジのように絡み合って「おまつり」を生みます。あまりにも細いラインを使用していると、隣の方と一度でも絡んだだけで弱くなったり切れやすくなります。このエリアは浅いので200mも巻いておけば1~2回のラインブレイクでも釣りは続行できますが…。余裕をもって0.8号以上の太さを巻いておくことをオススメします。
今回の釣果は船中33枚という釣果。私は7枚を釣らせていただき竿頭となりました。
初回乗船時、同船の方々にボコボコに釣り負けて…、自分の釣りに対し整理がついたというタイラバフィッシングにおいてターニングポイントになった船宿さん。今回もいろいろお気遣いいただき楽しませてもらいました。
ギア紹介
レポーターREPORTER
ルアーブランド・テイルウォークのタックルをプロデュースしロッドやリールなど世に送り出す。開発・販促・生産・営業・タックルテスト…etc に携わるかたわら、国内外を飛び回り、隙を見ては釣りをすることが日常となっている。好きな釣りはタイラバとバスフィッシング。タイラバでは駿河湾をホームフィールドとし、プレジャーボートで魚を探すことを一番の楽しみにしている。かつてはJBバスプロトーナメントでの優勝経験を持ち、現在でも芦ノ湖(神奈川県)で開催されるNBCトーナメントに参戦。2019年は年間チャンピオンを獲得するほどの腕の持ち主。静岡県在住。
インスタグラム:
@nakachaaan2 (URL: https://www.instagram.com/nakachaaan2/)
フェイスブック:中村 宗彦
X:@nakachaaan2
ブログ:テイルウォーク開発日記