釣魚御用達!「釣り餌レストラン」 All About Fishing Bait【第15回のお品書き】貝類系のエサ その3
旨み成分たっぷりのアサリに
カワハギもカレイも行列しちゃう!?

「釣り餌レストラン」第15回のメニューは潮干狩りでおなじみのアサリ。味噌汁に酒蒸し、バター炒めとわれわれ人間の大好物でもあるポピュラーな二枚貝だが、魚たちにとっても美味しいのは間違いなくて、チヌにキビレにトビエイなど、さまざまな魚類が漁場のアサリを食い荒らす食害が問題になるのは有名な話。
そんな超グルメのアサリで釣る魚の代表格が船のカワハギだ。また近年は使用することが少なくなったがカレイ釣りのエサとしても有効。投げ釣りには向かないがボートやイカダなどでのカレイ釣りに試してほしい裏!? メニューだ。

カワハギ釣りには冷凍アサリが最強!

アサリをエサにする釣りといえばカワハギ釣りだ。先進の東京湾など関東エリアの船釣りでは古くから定番のエサだし、近年カワハギ釣りが盛んになりつつある関西エリアでもアサリは欠かせない。水中でホバリングし、ついばむようにエサをかすめ取るエサ取り上手のカワハギには、コンパクトにまとまって身持ちがよいことで、すぐにはエサがなくならずアタリが長続きするうえ、ハリ掛かり率が高いことが何よりだ。もちろんグルタミン酸やコハク酸がたっぷりというアサリ本来の旨み成分の多さによる食いのよさ、集魚効果の高さはいうまでもない。

船釣り
関東でも関西でも船のカワハギ釣りのエサといえばアサリだ

殻が硬いアサリはイガイやアケミ貝のように殻のままで使用する方法を聞いたことがないので、釣りエサにする場合、古くから生のアサリを購入し前もって殻を剥く作業が必要だった。しかし近年は冷凍されたムキ身の状態で販売されているので、ひじょうに便利になった。またアサリは冷凍することで旨み成分が倍増すると言われているので釣り人にとっては二重にありがたい。

生アサリ
アサリ
冷凍パックで手に入るアサリのムキ身。殻を剥く手間も不要だし冷凍することで旨み成分が倍増するのだとか

ハリに刺すのも慣れればそれほど難しくない。2つある水管のどちらかにハリを掛け、次に黒いババと呼ばれる肝部分、最後に硬いベロに掛けてハリ先を少し出しておくのがカワハギ釣りでの定石。身が小さい場合は2個付けしてもよいかもしれない。

水管ハリ掛け
肝ハリ掛け
ベロハリ掛け
ハリ掛け完成
カワハギ釣りでは①水管、②肝、③ベロの順番にハリを掛ける

カレイもアサリなど貝類が大好きだ!

実はカレイもアサリが大好きで、古くからは船釣りでよく使用されたエサだった。イカダやカセからの「かかり釣り」でカレイを狙う場合、いまではアオイソメやマムシなど虫エサがほとんどだが、冷凍アサリのムキ身を使ってみるのもよいだろう。虫エサで食いが悪い場合、目先が変わって意外な釣果が上がるかもしれない。

イカダから釣り
イカダなどからカレイを狙う場合、虫エサが主流だがアサリなど貝類エサも試してみたい

アサリに限らず貝類はカレイにとって日常食のようで、チヌ釣りのアケミ貝やカキなどでもカレイが釣れる。その昔、瀬戸内海のとある防波堤で敷石に付着した貝(種類は不明)を採って潰しては波止際にマキエをしながらウキ釣りをしていたら、小型だがカレイが入れ食いしたことがある。子供のころなので「特に何を狙って……」ということではなかったが、カレイが波止際の、それもウキ釣りで釣れたのは完全に想定外だった。海底にいることが多い魚たちを宙層にまで舞い上がらせる魔味がアサリなど貝類にはあるのかもしれない。