(※2019年6月24日に公開された記事に、必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2020年7月30日に再公開したものです)
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ハマチ(ブリ)やサゴシ(サワラ)といった青物から、ヒラメやマゴチといった底もの、そしてアジやメッキといったスモールターゲットまで、陸(おか)っぱりで魚を狙うショアジギング。ショアジギングに欠かせないルアーアイテムといえば、「メタルジグ」と呼ばれる金属でできた魚の形をした平たいルアーだ。
ショアジギングの釣りテクニックはあまたあり、そのダイナミックでスポーティな釣りスタイルを楽しまれている方は多いと思うが、「実はメタルジグそのものの特性がもうひとつわかりづらい…」と感じてはいないだろうか? 「なんせ、動かして魚にアピールすればいいんでしょ?」 まあそれも一理あるが、改めてメタルジグの特性を知って使い分けた方が、より釣れるかもしれない。
というわけで今回、水中映像も交えて、メタルジグの分類と使い分けをお届けしよう。
活字では動きのイメージを伝えるのも限界がある…
ワンピッチジャークやジャカジャカ巻き、スローピッチジャークなど、ジギングをする際の動きのテクニックは多いが、その全てがどのジグにも有効かというとそうでもない。プラグやワームといったルアーと違って、一見してその動きや特性がつかみにくく、結局のところ有名メーカーのメタルジグを買いあさって、あとは動かし方のバリエーション次第…と、曖昧に使用している方はいないだろうか? かくいう私はそういった何となくなアングラーの一人(笑)。
実際のところ、釣具店で品定めをする際、パッケージに書いてある活字だけでは、なんだか特長を理解しづらく、そしてイメージもつきづらい…。「ハイアピール?」「魅惑のアクション?」 各メーカーの開発担当者は、パッケージという小さなお手紙の中に、なんとかユーザーに伝わる、また伝えなければならない情報を、大変な苦労と試行錯誤で表現してくれてはいるのだが、やはり言葉は難しく、残念ながら限界があるのも事実…。
やはりまずは、実際の動きを目で確認して、そして、実際に使ってみることで、ある程度メタルジグの特性をつかんでしまった方が早い。そのうえで、大雑把にタックルボックスにあるメタルジグを分類してしまうことをおススメしたい。
大きく3タイプに分類してみてはどうだろう?
できるだけシンプルに、あまり多岐に渡らないように分類した方が分かりやすい。魚にアピールする「動き」ということだけに着目して、下記のような分類としてみた。
- Aタイプ: シャクって使う「攻めのアピール」系
- Bタイプ: ナチュラルに魅せる「食いのフォール」系
- Cタイプ: 楽して広範囲を探る「横のただ巻き」系
各社さまざまな特長が盛り込まれたジグを、そうそう簡単に分類できるわけではないのは承知だが、まだ使い勝手や実際の動きが分からないうちは、とりあえずアタリをつけてみる。
また、スタンダードで汎用的なものは、シチュエーションを選ばずひじょうに使い勝手がよい反面、実際はどのように使用すればよいかわかりづらいのも事実…。そんなときは、初めてキャストする前に、一度足元で動きを確認することをおススメしたい。「シャクったらこんな感じ」「フォールではこんな動き」「ただ巻きのときはこのくらい揺れる(ウォブリングする)」といった具合に、自分の目で実際の動きを確かめて、ある程度自分のなかでタイプ付けをしてしまった方が使いやすい。
そして少々乱暴だが、パッケージに「ジャーク」や「シャクった際のアクション」を強く書かれているものはAタイプ。「ゆらゆら」「木の葉のように舞う」など、フォールに関することが多く書かれていればBタイプ。「ただ巻き」「巻くだけ」といった記述がアピールされていればCタイプ。といった具合に、パッケージから代表的な特長を読み取って認識してしまうのも手だ。
ではいよいよ、メタルジグの動きを見ていこう!
今回準備したのは、ハヤブサの「ジャックアイ」シリーズ。
ショア用とオフショア用のアイテムがラインナップされている同シリーズだが、なかでもショアジギング用の従来モデルから今期発売のものまでを5機種をそろえてみた。
それぞれに工夫が施され、汎用的でスタンダードなものもあれば、ある動きやシチュエーションに特化したものもある。しかしここでは、あえて水中映像から(やや強引に)特長を見出し、初心者アングラーにも分かりやすく、先に述べた3タイプに分類してみたいと思う。
ハイパーぶっ飛び目立ち屋ジグ
【ジャックアイ エース】
キャスト時の飛距離を出すため、「リア重心」をうたっているジグ。軽くキャストしただけで、確かにかなりの距離をかせぐことができる。また左右非対称のホログラムの模様が、ジグの動きとあいまってターゲットに強くアピールしそうだ。早速気になる動きを見ていこう!
ひとシャクリでお尻を「ブルブルッ」と左右に振り、しっかりとアピールしている。また、フォールではフリーの際は左右に揺れながら。ラインテンションや潮の影響を受けているときは、横スライドやスパイラル、ときにノーアクションなどイレギュラーなアクションが特長的。いずれにしても、「きっちりしっかりアクションする」というのが全般的な印象だ。
ぶっ飛びふらふらスロージグ
【ジャックアイ グロッキー】
こちらも、キャスト時になかなかの飛距離がでるジグ。ボディがコンパクトなだけでなく、葉っぱのようにやや扁平で、かつ左右非対称の形状から、「ひらひらフォール」をうたっている。さて、そのフォール時の動きやいかに?
フォール時にボディの水受けがよいのか、頭とお尻を上下に、そして胴をロールさせながらひらひらとスローに落ちていく。シャクッたときの「クタッ」とした、移動距離の少ない動きからのひらひらフォールも艶めかしい。巻いているときは意外にも胴がロールし、キラキラとしたフラッシング効果が高そうだ。
カンタン巻くだけブレードジグ
【ジャックアイ マキマキ】
「投げて巻くだけ」をうたい、ジグのテールにスピンブレードが装着されたモデル。先の2機種同様、左右非対称のホログラムの模様が、リトリーブ(巻いている)時にキラキラとアピールしそうだ。
巻きでしっかりと胴をロールさせ、その胴のロールを受けてブレードも連動した動きを見せている。ちょうど胴とお尻についたフック&ブレードの間がジョイントとなって、ややクネクネしながら綺麗に泳ぐ姿とキラメキが印象的。対して、フォール時はやや上下にユラユラしているものの動きは少なく、また、シャクッたときも直進的であまり動きは見られない。控えめでナチュラルな感想だ。
ここまで見た今期発売の3機種は、明らかにそれぞれ動きの特性が異なるようだ。こういった個々の特性を目で見れば、使うシチュエーションのイメージもかなり湧いてくるだろう。さて、続いて次の2機種はどうだろうか?
汎用的に使えるスタンダードジグ
【ジャックアイ ショット】
ジャーク、ただ巻き、フォールの全てにおいてバランスよく使用できるスタンダードモデル。実際のところは使ってみないと分からない…ということで、個人個人意見が分かれるところだと思われる。あなたはどのタイプに分類するだろうか?
1回のシャクリでしっかりと左右に動くが、その動きはダートといっても過言ではないほど大きな動き。比較的遠目から見ても、その存在感をしっかりとアピールできているように感じる。またフォール時、フリーでは左右に揺れながら落ち、ラインテンションや潮の影響を受けている場合は、一瞬横にスライドしてから揺れて落ちていく姿が印象的だ。
ターゲットいろいろ!ライトゲーム専用オールラウンドジグ
【ジャックアイ ファインダー】
こちらは分かりやすくターゲットが異なる。アジ、メバル、メッキ、カマスなど、比較的ライトなターゲットに向けたモデルだ。センターバランスかつ、片面にくぼみが設けてあるユニークな形状。果たしてどのような動きなのか?
巻きでは左右にかなり小刻みに振れており、フォールの際はまるで「木の葉」のようにユラユラとスローにフォールする。ジグとしてのサイズの小ささと、それに対するフックサイズとのバランスがよいのか、ナチュラルなアピールといえる。ライトターゲットに「見せて食わせる」間を与えてくれそうだ。
HEAT的にはこう分類してみた!
さて、実際の水中映像をご覧いただいたが、いかがだろうか? それぞれに動きに特長があり、一概に「○○用だ!」「△△に優れている」と言い切ることは難しい…。
しかしあえて、今回は映像から読み取れる主な特長を踏まえて、下記表のように分類してみた。
あくまでHEAT的な視点によるものであるため、参考程度とご了承いただきたい。とはいえ、すでにお持ちのジグや、これから購入する予定のジグの動きを見て、(思い込みでも)ある程度シンプルに分類してしまえば、使用するシチュエーションに迷いづらくなる。
釣りの現場において、限られた時間のなかでテンポよくキャストを繰り返し、魚にアプローチする回数を増やすために、迷いはできるだけ捨てたい。その方が効率もよく、また気持ちのうえでも楽しめる。仮に、実際のジグの特性と使い方があっていなければ、ジグを使い込むなかで、分類したタイプを消去法で消し去り、絞り込んでいけばいいのだ。
今回は、カラーセレクトの話やアクションテクニック的な話は割愛させていただいた。実際は、ジグの特性だけでなく、状況にあったカラーセレクト、魚に食わせるアクションなどが複合的に混ざり合い、釣りのテクニックとなるのだが、まずは、メタルジグの実際の動きについて、目で見て知っていただいた形だ。
エキスパートアングラーには少々もの足りない内容だったかもしれないが、改めて自宅にある手持ちのメタルジグを自分なりに分類してみてはいかがだろうか? そして、初心者アングラーの方にとっては、これからメタルジグを使い分ける際や購入の際の参考になればありがたい。
※本文は独自の視点によるものです。感じ方やとらえ方は個人により異なりますので、あらかじめご了承ください。