左:アジのなめろうユッケ風 /右:カンパチ・アジ・ヤリイカのお刺身
はじめまして、この度当HEATで執筆をスタートさせていただきます、マコちゃんこと! 北村昌子です。神奈川県湘南育ちのアウトドア嫌いから、毎週でかけるほど釣りにハマってしまった私です。どうぞよろしくお願いします。
もともと料理が好きで飲食店経験も長いため、「美味しいお魚を食べたくて釣ってみたい!」 と思うようになったのがきっかけです。次第に釣りたてのお魚を自分で料理するようになり、釣りを通じてたくさんのことを学べるようになりました。
今回から、釣った魚を美味しく料理するためにどんなことを知っておけばよいか、また、お魚屋さんに行ったときにも役立つ、お魚やお料理のことを書いていきたいと思います。
私のホームグラウンドは、東京湾、相模湾、外房と関東近辺の船釣りなのですが、もともと関東近辺は船釣り文化があり、魚のいるポイントへは遊漁船に乗り、連れていってもらうスタイルです。
最近では、女性の釣り人も増えてきたので、船も綺麗でおトイレもついているため心配することは減っていますね。また、女性割引などもあり、とてもリーズナブルに楽しめるようになっています。
せっかくですからお魚もたくさん釣りたいし、よい状態で持って帰りたいですよね?!
実は、少し保存方法を工夫するだけで、新鮮で美味しい状態でお魚をお持ち帰りできるのです。そんな誰でもできる簡単なポイントをお伝えできればと思っています。
ちょっとの工夫で鮮度がぐんとアップ!
(釣りについては今回置いておきますが…)
釣った魚だから新鮮で美味しいと思っている方がたくさんいると思いますが、「釣れた場所」「天候」「船の上なのか?」「バケツの水は入れ替わっているのか?」「炎天下でお魚が弱っていないか?」などなど、釣れたあとの魚の状態により鮮度も味も全く変わってしまいます。これからお話するのは、魚が釣れたら意識したいポイントです。
2.氷は多めに、お魚を入れるときは海水を入れ冷たい氷水で魚を冷やす
必ず持参してもらいたいものは、「クーラーボックス」です。ホームセンターや釣具屋さんに販売しているもので構いません。また、発泡スチロールでできているものでも充分です。
(氷が溶けにくい気候や移動時間なら、100均などで売っている保冷バッグでも利用できます)
釣りに行くと船宿さんで氷を配ってくれるところもありますし、自宅で作る場合はペットボトルにお水を入れて氷を作って持っていくのもよいでしょう。
(帰りに溶けているときは真水なので、手洗いや道具を洗う水として使うにも便利です)
釣れたお魚も丁寧に冷やしましょう
これから暑くなりますし、船に乗っている間もバケツの水はどんどん暖かくなってお魚も弱っていきます。お魚が弱ったり、死んでしまった魚をバケツに入れたままにしておくと、鮮度がどんどん悪くなってしまいます。
まず、お魚が釣れたら一旦はバケツに入れます。それと同時に、クーラーボックスには氷で冷やした海水を作っておきます。そして、釣れたお魚をバケツから冷たい氷水に移します。
(私も最初知らなかったのですが)氷だけの中にお魚を入れると、氷が当たっているところだけしか魚が冷えないので、たくさんのお魚が釣れた場合に冷え方にムラができてしまうのです。冷たい海水にお魚を入れることで、早くしっかりとお魚全体が冷えてくれます。
釣りをしている間は、クーラーボックスの中でしっかりと冷やしておきましょう!
しかし、クーラーボックスが重くなってしまうと、持って帰るのが大変ですよね?!
私のような電車で釣りに行く釣り人の場合、極力荷物は少なく軽くしたいものです。大漁でたくさん持って帰れるのは嬉しいことですが、お水を運んで帰るのは大変です。
でも、心配ありません!
しっかりと冷たい氷水で魚が冷えていれば、帰りは水を抜いて上から氷を詰めるだけで大丈夫です。すでに魚全体が冷えているので、お家に帰るまでの間(2時間くらい)は冷たいまま持って帰ることができます。冷気は上から下に降りていくので、ぜひとも氷は上から詰めてください。
また、氷はだいたい真水で作られています。海の魚は真水が苦手! 溶けた水で海水の塩分濃度が薄まってしまい、身が悪くなってしまいがちです。氷水の中には極力つけておきたくありません。
お魚を持って帰るとき、厚手のビニール袋やジッパー付き袋に魚を入れてから氷を詰めれば、真水が魚に触れることもなく、また、クーラーボックスが汚れてしまうことも防げます。
釣れたてを美味しく食べるためにも、お魚を鮮度よく持ち帰るためにも、意識して実践したいことの一つですね。
さて、釣りはたくさん釣れると楽しくなってしまいますが、ついつい釣りすぎてクーラーボックスに入らず、魚を捨てて帰る人があとを立ちません・・・。
資源保護の意味もふまえ、食べない分、まだお魚としても小さいサイズ(稚魚)は、極力手で触れないようにし、ちゃんと海(元いた場所)に返してあげましょう。
「キャッチ・アンド・イート(美味しく食べる分だけ釣ろう)」の実践にむけて、「ちゃんと処理して干物を作る」「冷凍保存ができるようにする」などのために、ここに書かせていただいた方法で魚を持って帰ることが大切になります。
次回は、釣り人ならではの血抜きをする理由とその方法について書きたいと思います。
レポーターREPORTOR
業界新聞「日本釣具新報」ライター /神奈川県湘南生まれ横浜在住
海の近くに育ったもののアウトドアが苦手・・・。ところが、湖でのトローリング釣りに誘われたのをきっかけに釣りを始めることに。次第に美味しいお魚を食べたくて海釣りにハマり、また、自身の釣り経験を生かしてたくさんの方に釣りを楽しんでもらうべく、初心者向け海釣りアテンダントも務める行動派。現在飲食店勤務。「釣り好きマサコ」としてCOOKPADでレシピを公開中。