「旨いもん見つけた!」第7回は先月号に引き続き「いろいろ食べたいぞ!」編。今回、お店を紹介してくれるのは津田祐樹さん。現在は中国地方の営業担当に変わったが、以前に担当していた四国エリア、特に高知は旨いもんの宝庫なのだとか。土佐の高知といえば一本釣りを誰しも連想するほどカツオが有名で、そんな南国土佐のグルメはカツオのタタキに代表される魚!魚!魚! ということで津田さんオススメの高知市内の2店舗はともに新鮮な海の幸がウリなのだ。
鰹ハランボのタタキなど土佐の味を大いに堪能
「黒尊」おまかせ魚介料理
高知市内、はりまや橋から国道32号を西へ、路面電車の大橋通駅から徒歩1分の距離にあり、「くろそん」と読むこのお店、津田さんによると「一見、普通の居酒屋さんなんですけど、驚いたのはメニューが一切なく料金も書いてなくて……」という、おまかせ魚介料理のみなのだ。従って季節によって何が出てくるか分からない楽しみが大きいのだが、心配なのはそのお値段。1時間半のコースで5,000円から8,000円ぐらいらしいが、そのときの料理や品数で変わるらしい。ただし津田さんは「ビールやお酒などは飲み放題で料金に含まれているのでは?」と記憶している。
「とにかく旨かったのは、やっぱり本場のカツオタタキですね。僕が食べたときは普通の身の部分だけでなくハランボもタタキになって一緒に出てきました」と津田さんがいうハランボとはハラスともいうカツオの腹身。マグロでいう大トロ部分に当たるので、脂が乗ってメチャ旨かったのだとか。またタタキは本ガツオだけでなく、季節によってハガツオに代わることも。その季節でもっとも美味しいカツオを提供するのが黒尊のポリシーらしい。
「もうひとつビックリしたのが刺身の上に乗せられた薬味のヌタです」と津田さん。ヌタとは高知名産の葉ニンニクを白味噌と酢で和えたもの。津田さんが食べたときは寒ブリにヌタだった。「脂が乗ったブリと最高に相性がよかったです」ということで、これは高知でしか食べることができない味わいだろう。
ほか四万十川のウナギにエガニ(ノコギリガザミ)なども美味しくて印象に残っているのだとか。付き出し、刺身盛り合わせ、カツオのタタキ、寿司で締めるのが、だいたいの定番コース。多人数で入店したときは鍋も出てきたのだそう。ちなみに、お店は予約制なのでご注意。
黒尊
住所:高知県高知市本町3丁目4−18
HP:-
絶品握り!グレ炙りに生アナゴ、生シラス……
「阿しゅく亭」寿司
もう1軒も高知市内。路面電車の堀詰駅から北へ徒歩1分、「阿しゅく亭」は高知県の地産地消にこだわった寿司ダイニングで、オーナーが直々に市場に出向いて仕入れている魚介類はとにかく新鮮。津田さんによると寿司は1貫ずつ出てくるスタイルで、1貫のお値段はだいたい200~400円とのこと。
高知といえばカツオはもちろんのこと、他にも旨い魚がいろいろ獲れる。「僕が最高に旨いと思ったのはグレの握りでした」と津田さん。そう、高知県は磯釣りが盛んでグレが非常に多いのだ。 皮を炙った焼き切りになっていて脂ノリノリで抜群だったそう。津田さんが食べたのは冬。旬の寒グレだったのだ。これは、おそらく口太グレ(メジナ)だと思われるが、これから初夏は同じグレでも尾長(クロメジナ)が旨い季節なので、ひょっとしたら尾長の寿司がいただけるかも?
津田さんオススメは、ほかにアジ、ブリ、生アナゴ、生シラス、タコ、もちろんカツオも。どれもメチャ旨! ウツボのタタキなどもメニューにあるので、土佐ならではの海の幸が満喫できるはず。
高知県で盛んな磯釣りは、これから尾長グレやイサギがシーズンだし、イシダイ、イシガキダイなど底物も面白い。高知市周辺ではシーバスにチヌも釣りごろ。遊漁船ではタイラバを筆頭に、青物、ハタ類などをねらう落とし込みも好機到来。そうそう! 内陸では四万十川や仁淀川などでアユ釣りも解禁されるので楽しみ。現在は高知自動車道が窪川手前の四万十町中央ICまで伸びているので素通りすることも多くなったが、余裕があれば高知市内で1泊、ゆったり海の幸を味わうのもよいだろう。
阿しゅく亭
住所:高知県高知市帯屋町1丁目12−9
HP:http://www.asyukutei.com