宮城・三陸タチウオジギング攻略!
低調でも大丈夫!ストップパターンでねらうドラゴン級

すっかり定着した感のある三陸沿岸の「タチウオ」ですが、今年のタチウオはここまで低調に推移しています。それでも釣る人は“ツ抜け”するなど、釣れるパターンをいかにつかむかが大切なようです。今回は、さまざまあるタチウオジギングの釣れるジャークパターンの1つである、「ストップパターン」を紹介します。

宮城のタチウオ釣況

01_ タチウオ

全国的に熱帯のような気候が続いていますが、東北宮城も連日、猛暑が続いています。7月の降水量はかなり少なく日照りの状況が続きました。
宮城県のタチウオポイントは、北上川の河口域にあるために例年なら常に濁りが入っているのですが、今年(2025年)は少雨のためタチウオポイントも澄み潮で、タチウオの食いもイマイチといった状況が続いています。一雨降ってタチウオポイントに濁りが入れば、釣況にも変化があるかもしれません。

そんな状況でも、釣るアングラーは釣ります。日々、タチウオのジグへの反応は違いますが、その日その日の釣れるジャークパターンをいかに早くつかむかがキモになっているようです。

久しぶりのタチウオジギング

02_ 朝日

宮城の海に完全に定着したタチウオでしたが、ここ数年は日毎の釣果のバラツキが激しく釣果が安定しません。それでも、足繁く通っているアングラーはそれなりの釣果に恵まれているようです。釣れれば「ドラゴンクラス」もねらえるエリアでありながら釣りモノが多い時期なので、私は釣行機会に恵まれず、久しぶりのタチウオジギングとなってしまいました。

朝イチのバラシ(泣)

最近の傾向は朝の時合にバイトが集中しているそうです。このチャンスを逃すと厳しいとのこと。気合い十分でスタートから臨みましたが、肝心のアタリがありません…。そして、やや明るさが増した7時ごろに待望のアタリがありました! 間違いなくタチウオの引きです。
フッと軽くなったあとの強烈なバックスライドの絞り込みで、ロッドティップが大きく引き込まれました。海面に見えたのは間違いなくタチウオ、しかも大きい! F5(指5本)クラスはありそうです。

03_ タチウオアップ

しかし、そのまま一気に抜き上げようとロッドをリフトアップしたときにバラしてしまったのです。嫌な感覚とともにタチウオは海に帰っていきました…。見るとアシストラインが切れています。ワイヤー系のアシストラインでしたが、こんなこともあるのがタチウオジギングですね。

当日のヒットパターン

結果的に、この日は良型2本を含むトータル5本という釣果でした。バイト数はトータル9回ありましたので、1日やって10本程度が釣果の目安かもしれません。それでもF5~6クラスのドラゴンも釣れることから、やはり魅力的なエリアだと思います。

当日の状況を振り返ると、ヒットパターンは「ストップパターン」だったように思われます。ジグをアピールしつつも“食わせの間”をしっかりと作ることが、タチウオからのバイトを得るキモだったようです。

04_ ジグ

大切なのは誘いとストップモーション

05_ タチウオ2

タチウオジギングのジャークパターンはさまざまありますが、今回の釣れるキモはジグをしっかりと「止める」ことだったように思います。かといって止めてばかりいては釣りになりませんし、ジギングの面白さである「ジグをいかに動かすか」という楽しさもなくなってしまいます。

また、ジギングでは連続する動作のリズムや動きも釣りの成否を決定する大切な要素なので、ジグは動かして初めてバイトにつながることを考えれば、リズム感とジャークのパターンはなくてはならないものです。…という前提に立ってジャークパターンを考えると、ジグを止めるというキモの前後にあるジグを「動かす」というパートも、「タチウオを誘う」「レンジを探る」という意味でとても大切な要素だと思われます。

初動は速く

先日の釣況では、タチウオの活性の高い時間帯が長くは続かない状況でした。活性が高く食いがよい場面ならバイトを得ることは難しくないように思います。問題なのは、活性が落ちた場面でいかにタチウオの反応を得るのかということです。こうした場面ではリアクション的な誘いが一番効果があるように思います。

ジグの初動を速くし、バイブレーションや平打ちなどでタチウオの注目をかき立て、かつ、じっくりとジグだと分からせずにシルエットとしてタチウオにアピールすることで、瞬間的に口を使わせることができます。そんな釣りが効果的だといった具合です。

06_ リール
リールのリトリーブでジグへの入力を行う場合は、リールハンドルなどのカスタムが効果的です

キモは「しっかりと止める」こと!

こうしてタチウオを誘っておいたのち、ピタッとジグの動きを「止める」ことで、リアクションバイトを誘発させるのがキモだというわけです。このジグを止めることのメリットは、ファールフッキングをなくしてしっかりと食わせることができる点です。

タチウオは元来、食うのが下手な魚なのではないでしょうか? 下手といえば語弊がありますが、ある一定の条件下では高確率で捕食できても、ジグのように複雑な動きへの対応は不得手であり、どうしても食べ損なうことが多くなるのではないかと思われます。
そんな考えが正解なら、やはりジグを「止める」というアクションはタチウオを釣るための1つの重要なキーポイントになるのかもしれません。

07_ 当日の釣果

実際の釣りではワンピッチジャークでレンジを探りながら、ジグのフォールを極力抑えて釣ることで「ストップモーション」を演出します。
このとき、腕のストロークを中心にしたジャーク動作だと、どうしてもジグの動きが大きくなりすぎてしまいます。ジャークの合間のジグの止めを演出するには、ロッドティップで弾くようなジャークが理想的です。ロッドへの入力はリールのリトリーブで行ない、ピッチを刻みながら合間合間にストップを入れ探っていくことで、効率よく釣りを組み立てることが可能になります。

基本的にタチウオジギングでは、ジグのフォールアクションは控えめが効果的だと思います。ジグの飛びが長い、フォールが長い場面では、フォールフッキングやリーダーバイトの確率が高まりトラブルの元凶になりがちです。ジグを落として釣ることも効果のあることですが、リーダーを切られるなどのトラブルに対処したシステムを組んだうえでフォールの釣りも活きてくるものと考えてください。

宮城のタチウオは大型も多く魅力的なエリアとなっています。全国的に人気のタチウオ釣りですが、三陸沿岸でのタチウオの定着により、新たなタチウオ釣りのエリアが増えてきたのは喜ばしい限りです。
ぜひ、多くのアングラーにタチウオ釣りの楽しさを体験してほしいと思います。


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レポーターREPORTER

堀籠 賢志
プロフィール:堀籠 賢志
フライフィッシング、バス、シーバス、ロックフィッシュ、フラットフィッシュ、エギング、鮎釣りまで、さまざまなジャンルを釣りこなすマルチアングラー。現在はスーパーライトからヘビークラスまでジギング全般と、メタルスッテを中心としたイカ釣りに取り組む。
東北エリアの面白い釣りを発信することで、震災復興に繋げていきたいという熱い想いのもと活動中。
GOMEXUS社フィールドテスター /tamaTV社フィールドモニター /キーストン社フィールドサポーター などを務める。
ブログ:Anglershighごめのブログ