INDEX
さて、安全の装備や出艇場所も知り、相性のよい釣りとお伝えしてきましたが、大事なことをお伝えするのを忘れていました。
大前提として…
「カヤックから落ちる可能性はあります」
「カヤックはひっくり返る可能性があります」
いきなり怖がらすような言葉ですが、絶対に落ちないカヤックは存在しません。むしろ、落ちる(ひっくり返る)ことが当たり前と思ってください。
最近のカヤックはひじょうに安定性がよく、滅多なことでは落ちませんが、それでも絶対ではありません。大自然の大海原に出るわけですから、危険を理解しなければ安全に楽しむことはできません。「落ちてしまった際にどうすればよいか?」を理解して練習し、安全に楽しみましょう。
今回は「落ちる」を想定した事前準備や対処方法、再乗艇についてお伝えしたいと思います。
1.「落ちる」を想定した準備
カヤックにたくさんの道具を乗せることはあまりオススメしません…と以前お伝えしましたが、最低限の必要な装備があります。
「プライヤー」「フィッシュグリップ」「タモ」「タックルボックス」などなど…。せっかくそろえた高価な道具が沈んでしまったら大慌てになるし、悲しいし、不法投棄になってしまいます。
私は沈んでしまわないように、すべて道具にバンジーコードを取り付けています。
100円均一のコードとステンレスのカラビナを利用していますが(製作費は500円程度)、万が一の際にも沈んでいかないので安心です。
またクーラーボックスも開閉できる範囲でロープで固定していますし、サブロッドも必ずコードで固定しています。
さらに大切なパドルが流されたら大変です。パドル用のリーシュコードも販売されていますので、ぜひ活用してください。
2.落ちたときはどうするのか?
「釣りをしていたらバランスを崩して落ちてしまった!」
「釣れた魚の取り込み時にバランスを崩して落ちてしまった!」
できるだけない方がよいのですが、可能性はあります。実際に私も数人レスキューしていますので、起こることです。
自分は大丈夫だと思わずに、ぜひ、落ちたときについて理解しましょう!
万が一、落ちてしまったときに一番大切なことは、
「とにかく慌てない」
です。
ライフジャケットを着用しているので絶対に浮かびます。また、カヤックフィッシングで使うシットオンタイプのカヤックは浮沈構造(水が入って沈まない)が多く、すぐに沈んでしまうことはありません。「とにかく慌てない!」が一番重要です。
落ち着いたら、同行している仲間を呼び、サポートしてもらいながら行動しましょう。もし同行している友人が落ちた場合も、同様に慌てないことが重要です。
3.再乗艇のやり方(もう一度乗り込む)
落ちてしまった際の再乗艇の順番ですが、まずは慌てない! そして先にお伝えした道具類が沈まないようにしておくことがここで生きてきます。
道具が沈んでいくのを見ると焦りますよね。しかし対処しておけば、慌てずに再乗艇することが可能となります。
- ①落ちてもライフジャケットで浮きます。慌てずにカヤックにつかまり対処しましょう
- ※もしカヤックが裏返しになっている場合は、表にします
- ②ライフジャケットの浮力とバタ足の力で上がります。このときに自分が落ちた側と反対のつかめる所をつかみます
- ※重要なのは足の位置です。足がカヤックの下やカヤックに対して下を向いているとなかなか上がれません。できるだけカヤックと水平に足を持っていくことがポイントです
- ③バタ足と腕の力で一気に上がりましょう!
- ④最後まで気を抜かずにしっかりと座る
- ※ここで慌てて反対側に落ちる人もいるので、しっかりと座りましょう
しっかり座り、落ち着いたら、初めて道具の確認をします。
一連の流れについて、文章や図にするとかんたんに見えますが、実際はそんなにすんなりとはいきませんので、練習が必要です。
私はこれからカヤックフィッシングを始めようと思っている方に「カヤックを買うなら8月・9月がオススメです!」と伝えています。なぜなら、まだ水温が温かいころに購入すれば、再乗艇の練習を浅い場所で何度も練習できるからです。今からしっかりと楽しく練習しておけば、快適な秋の釣りに間に合いますよ。
危険も理解して安全に、最高に楽しいカヤックフィッシングをしましょう。
秋は、カヤックエギングも楽しいですよ!
今回は「カヤックフィッシングは落ちることもある」をご紹介させてもらいました。危険な場面も想定して理解し準備や練習していれば、安全に楽しめます。
ご参考になれば幸いです。