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ひと口に釣りと言っても、大物釣りから小物釣りまで、はたまたルアー釣りから泳がせ釣りまでイロイロあるというのは、釣りを趣味にしているみなさんならば当然のこととして認知しているだろう。そんなアナタに子ども、もしくは友人などの初心者から「釣り、教えて!」とお願いされたとき、果たしてアナタはどんな釣りを教えるだろうか? そう、ここはアナタの“指導者”としての器の大きさが試される、とても重要なタイミングでもあるのだ…。
と、ここまで大げさな話ではないが、やっぱり初心者にはシンプルな釣りの方が分かりやすいだろうし、教える側のアナタの苦労も少ないだろう。何よりかんたんに結果が出やすい釣りの方が楽しみやすいのではないだろうか。
そこで今回は、ハヤブサが子どもや初心者向けにラインナップしている『かんたん』シリーズの新商品である、淡水釣り用の仕掛を3種類紹介しよう。詳しい解説はハヤブサの開発担当・小南氏にお願いした。
初心者の扱いやすさを追求したトラブルレス仕様
まずは「かんたん 池・川ウキ釣りセット 小物用」から。あくまでも釣り経験者目線からになってしまうが…本当に、シンプルな仕掛だ。
「道糸にウキが付いていて、その下にガン玉オモリ、ハリスとハリが付いているという、釣りをやったことがない人でもかんたんに使いこなせる仕様になっています。また、初心者ならではのトラブルにおちいりやすい部分を、できるかぎり改善しているのもポイントです」。
トラブルにおちいりやすい部分とは、どんなところだろうか?
「まずは道糸ですね。淡水でフナやタナゴなどの小物を釣る仕掛というのは、道糸が細ければ細いほど魚からの反応が分かりやすいです。その一方で丁寧に扱わなければかんたんに切れてしまったり、絡まってしまったりとトラブルになりやすいのも事実です。そこで、いろいろテストした結果1号のナイロン糸を採用しました。これならば初心者が扱っても切れにくく絡みにくい、それでいて魚からのアタリもそれなりにとりやすくなっていると思います」。
なるほど、確かに細い道糸は繊細にあつかうことを求められる。初心者に最初からそれを要求するのは、難しいかもしれない。その点、太めの糸ならば多少ラフな扱いでも、かんたんに切れたり絡んだりすることは少ないだろう。
予備ハリス2本付のハイコスパ仕様
交換方法もかんたん過ぎる!!
「また、玉ウキの色に新しく蛍光ピンクを採用しました。これまでは赤だったり黄色だったりが多かったのですが、天候次第では見にくいこともありました。でも、蛍光ピンクならば比較的あらゆる状況下でも見やすく、アタリも判別しやすくなっています。加えて道糸とハリスはカン付フックハリス止めでつながっているので、ハリスを交換するときにはわざわざ結ぶ必要がなく、ハリスを引っかけるだけでOKです。予備ハリスも2本付属していますので、コストパフォーマンスも高いですよ!」
ちなみに…この仕掛、どんなタックルで使うのが正解なのだろうか? とにかくシンプルなだけに、タックルという“大げさな”言葉を使うことすらどうかとも思うのだが…。
「確かにタックルと表現するのは、大げさかもしれませんね(笑)。小物釣り用ののべ竿とのコンビが一番使いやすいでしょう。ただ、のべ竿の長さもいろいろあるでしょうから、一般的なのべ竿の長さに合わせて仕掛の長さも1.8mから4.5mまで6段階をラインナップしています。釣り場の状況などに合わせて、のべ竿とともに選んでもらえばよいでしょう」。
基本は一緒だけど、テナガエビ専用に繊細チューニング!
それでは、次は「かんたん 手長エビ釣りセット 玉ウキ」をお願いしよう。テナガエビは梅雨時期から夏までが最盛期で、近所の小川などでも手軽に釣れるターゲットだ。ただ、アワセのタイミングが何ともビミョ~に難しく…そこがまたゲーム性に富んで楽しいわけだ。しかし…パッケージ以外は「かんたん 池・川ウキ釣りセット 小物用」と大差ないように見えるのだが…。何が違うんだろうか?
「確かにパッケージ裏の説明イラストもほぼほぼ一緒で、小物用と大差ないように思えます。でも、大きな違いが2つあるんです。それが仕掛の長さと糸の太さです。
まずは仕掛の長さからですが、テナガエビのポイントというのは岸沿いが多く、岸際を固めている石積みや消波ブロックの隙間などに生息しています。だから使うのべ竿も短いモノが多く、それに合わせて仕掛も1.2m、1.5m、そして1.8mの3段階を用意しています」。
なるほど~。それならパッと見ただけでは、違いはわからないかもしれない。では、もうひとつの「糸の太さ」に関しては?
「ライントラブルを防ぐという意味では、小物用のように糸を太めにすべきだとは思うんですが、テナガエビはエサを食べるときに最初は長い手でエサをつかみ、そのあとに口へ運ぶという手順をとります。その工程の間に糸の太さに違和感を覚えて、離してしまうことが多々あるんです。そこで幹糸を0.8号に、ハリスを0.4号に設定して、可能な限りテナガエビに見切られないことを優先にしました。そもそもテナガエビはそれほど引きも強くはなく、どちらかというと駆け引きを楽しむ釣りなので、糸が細くても切れてしまうようなトラブルはほとんどないと思います」。
ウキが違うだけでさらに繊細さを追求できるアドバンス仕様!
では、最後の「かんたん 手長エビ釣りセット 4連シモリ」だが…ズバリ「ウキが違う!」ということなのだろうか?
「その通りです。ウキ以外の仕様は『かんたん 手長エビ釣りセット 玉ウキ』」とほぼ一緒です。ただ、このシモリなんですが、ウキと言いつつ水面に浮くのではなく、水中になじむような状態をキープしてくれます。サスペンド仕様のルアーみたいな感じと言えば分かりやすいでしょうか。小さなシモリが道糸に沿って4連で配置されているので、糸がわずかに動くような微妙なアタリも分かりやすいのが特徴です。また、時間をかければ仕掛を徐々に沈ませることもできるので、玉ウキ仕様よりも底付近がねらいやすいのも大きな武器になるでしょう。状況に応じて玉ウキ仕様と使い分けるのがおすすめですね」。
近所の池や川とはいえ、あなどるなかれ!
むしろ奥が深い小物釣り!!
以上、小南氏に『かんたん』シリーズ3点をホンの少し突っ込んで解説していただいた。これから釣りを始めてみたい人、子どもに釣りを教えたい人などにはピッタリの仕掛といえるだろう。また、一度初心に戻って釣りのおもしろさを改めて噛みしめたい…そんなベテランの方々にもおすすめだ。近所の池や川を“釣りのアミューズメントパーク”にしてくれる『かんたん』シリーズのNEW3アイテム、ぜひとも使ってみてほしい!