オフショアジギングで悩まないジグ選択
適切なウェイトセレクトこそが釣果への近道!?

ジギングの面白さは海の中の状況を判断してタックルやジグを選択し、魚からの反応を得るところにあります。しかし目に見えない海の中を想像して釣るのは楽しい反面、時には確信を得られずに釣りの最善策を導き出せないことも多いものです。たくさんの要素が複雑に絡み合うことで釣果につながった場面では「何がポイントだったのか?」が分かれば、スキルアップもはかれるのですが、ポイントがボヤけていては技能向上もままなりません…。

今回はたくさんある要素を整理し、ジグセレクトをより有意義なものにするため、とくに「適切なウェイト選択」の大切さとその方法論について考えてみましょう。

悩ましいジグ選択の基本

01_ 大物
どんな状況下でも、ジグを信頼して使うことができなければ釣果にはつながりません

ジギングで釣れない状況において、みなさんはどんな対応をしていますか? いろいろな選択肢があると思いますが、一般的には違うジグに替えたり、ジグカラーを違ったものに替えたりすると思います。

釣れない時間が長いとジグを頻繁にチェンジしたり、カラーも次々と交換したりと、釣る時間よりも交換する時間の方が長くなってしまうこともあるでしょう。ベテランのアングラーでさえ、ジグを取り替えることで大切な時間を浪費しジグセレクトの迷宮に迷い込んだ経験があると思います。ビギナーの方ならなおさらです。
ジグ交換の基本を理解し実釣で迷わないために、ここではジグセレクト方法の全体図を大まかにとらえて整理しておこうと思います。

ジグセレクトのベーシックは?

02_ ジグ

ジグを選択するための要素は大きく3つに分けることができます。

  • 「ウェイト」の違いでセレクトする
  • 「カラー」の違いでセレクトする
  • 「形状」の違いでセレクトする

一般的なジグセレクトといえば、ジグの種類を替えずにカラーだけを替えてみる。あるいは種類そのものを替えて形状に変化を持たせて、その反応をみるなどが一般的だと思います。ある程度経験を積んだアングラーなら、こうしたジグセレクトも間違いではないでしょう。
しかし、ジギングにおける「釣れない状況を克服するためのもっとも大切なジグセレクトの要素は何か?」を考えた場合、私は3つの要素のなかでジグの「ウェイト」が1番大切な要素だと考えています。

もちろん、「カラー」や「形状」の違いが釣れない状況を変える大切な要素となる場合もありますが、ジグウェイトが状況に合っていない場面では、カラーや形状の違いが活きてくることは少ないと感じています。

ジグセレクトの優先順位は?

03_ さまざまなジグ
ジグが多くなればなるほど選択に迷うもの…。楽しみもありますがデメリットも多いですね

では、ジグ選択の3つの要素の優先順位はどうなるのか? といえば、まずウェイトであり、そのうえで形状とカラーを考えるといった具合です。
「なぜウェイトが大切なのか?」その理由はジグのウェイトがその日の海の状況に合っていなければ、ジグの持つアクションが上手く発揮されないことにあります。

たとえば2枚潮では、ジグはアクションに制約を受けてしまいます。ジグの形状で複雑な潮流を克服することもある程度は可能ですが、ウェイトの増減ほどの効果は望めません。まして、カラーを替えてもその効果はないに等しいと思います。まずはその日の潮流や風の強さなどを考慮して、適切なジグウェイトを選択することが大切です。

【ジグセレクトの優先順位】

  • ①.状況にあったウェイトを探す(同一種類でウェイト違いを使用する)
  • ②.ウェイトが決まったらカラーの選択に進む
  • ③.ジグの種類を替えたら、同じように同一種類でウェイト違いを試して状況に合わせる
  • ④.状況が変化すれば、これを繰り返す

ジグセレクトでやってはいけないことは、さまざまな形状、カラーなどを頻繁に交換すること。形状やカラーを頻繁に交換すると、いざ釣れたときに「カギとなる要素がなんだったのか?」が分からなくなってしまいます。これでは釣果アップやスキルアップにつながりにくくなるばかりか、釣り自体に迷いが生まれ、釣れる気がしなくなって注意力も下がってしまいます。
理想はジグセレクトの要素を一つ一つ確認しながら釣りをすることです。

ウェイトセレクトの基本は3つ

ジグを選択する優先順位は「ウェイト」だと解説しました。ではウェイトを選択する基準にはどんなものがあるのでしょうか。

04_ ウェイトの異なるジグ

オフショアジギングでねらう場合、メタルジグのウェイトは何を基準にセレクトしたらよいのでしょう? とくに初めてのエリアで釣りする場面では、釣りをするエリアに詳しい友人や遊漁船の船長に事前に確認するのが正解だと思います。そのエリアで通常使用される重さを基準にして、軽いものや重いものを用意しておけば間に合うでしょう。

また、一般的にはジグのウェイトは釣りをするエリアの水深で決まることも多いものです。大まかな目安としては「水深=ジグウェイト」があります。つまり100mの水深があるエリアでは100gのジグウェイトを使用するといったものです。
しかし、昨今のオフショアジギングでのジグウェイト選択は、100mの水深に対して100~150g程度の重さが標準的なウェイトセレクトだと思われます。

05_ マダイ
釣り方や魚種、ねらう時期によっても有効なジグウェイトは変わってきます

ジギングはジグ自らの重さでしっかりフォールすることで、継続的なアクションを入力することが可能です。つまり、ジグがフォールしなければ釣りにくくなります。
ジグをロッド操作で海面方向に持ち上げる、ジグの自重でフォールする。この繰り返しがジギングの基本的な釣り方なので、逆に言えばフォールが遅いジグで釣るのはテンポが悪くなるだけでなく、海中のジグの動きにキレがなくなってしまい、魚に見切られることにつながります。

テンポよく釣るにはジグのウェイトは大切な要素です。「潮流やラインの抵抗とのバランスを取るため」「ジグをキビキビと動かすため」あるいは潮流が流れない活性の低い場面などでは「魚の注意を引き続けるため」といった具合に、釣り方や状況に応じてジグのウェイトを考慮する必要があります。

これらジグウェイト選択の基本をまとめると以下のようになります。

  • ●釣行エリアでの標準的なウェイトセレクト
  • ●水深に対しての標準的なウェイトセレクト
  • ●釣り方、潮流など条件に対してのウェイトセレクト

これらの3つのポイントをおさえてジグウェイトを選択するのがよいでしょう。