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2022年11月1日に茨城・鹿島沖でヒラメが部分解禁を迎えた。そして12月1日、茨城県で「全面解禁」を迎えた。季節が冬に向かえば向かうほど、ヒラメは肉厚となり、いわゆる「大判」と呼ばれるBIGサイズが釣れやすくなる時期でもある。
12月3日、私が鼻息荒く向かったのは茨城県鹿島港。そして驚いたことに、一生に一度釣れるか釣れないかのメモリアルな1尾を手にすることができたのだ。自身のヒラメの自己記録を大幅に更新し、釣り上げてから1時間ほど“燃え尽き症候群”で放心状態だったのはココだけの話(笑)。
今回は、そんな大判をねらえる茨城県のヒラメ事情とアワセのタイミング、そしてメモリアルフィッシュを釣り上げた際の模様をお届けしよう!
今期はマイワシが不漁だが…
大きいエサには大きいヒラメが食ってくる!?
茨城県の魅力は、なんといってもヒラメの魚影の濃さだ。現在では、資源保護の観点から規定数(10尾)が設けられている。裏を返せば、規定数を設けないと際限なく釣れてしまう可能性があるというわけだ。かつては「ヒラメは1尾釣れれば御の字」なんて時代もあったが、さすがは茨城県の“県魚”である。そのポテンシャルはメチャクチャ高い。
同エリアのヒラメ釣りは、オモリ80号、100号を用いる通常タックルのほかに、オモリ30号~60号(道糸の号数と当日の潮況により変動)のライトタックルでも楽しめる。道糸がPE0.8号、1号、1.5号という細いラインを使用すればオモリの号数が軽くなる。そして、オモリが軽くなれば細いロッドでも楽しめるため、ゲーム性が大幅に向上するのだ。
もし、ライトタックルで楽しみたい場合は、予約の際に船宿にその旨を伝えておくと安心。船宿によっては、ノーマルタックルとライトタックルで釣り座を分けるケースもあるからだ。
茨城県のヒラメ釣りは、エサにマイワシを使用する「泳がせ」釣りが基本となる。このエサ事情が、例年とは少し異なる。というのも、今年は記録的なマイワシの不漁で、肝心のエサが獲れないのだ。そして、マイワシに代用されているのが「生きアジ」と「生きサバ」だ。マイワシと比べるとサイズが大きくなり、アジ主体にサバも交じるのだが、このサバがデカい。なかには20~25cmも交じる。
慣れ親しんだマイワシじゃないと不安に思う人もいるかもしれないが、型ねらいの私としては、イワシよりもサイズが大きく、遊泳力も高いアジ&サバは好都合だ。事実、釣行当日は、最初はアジをエサにしていたが「反対舷でデカサバに大判が食ってきた」という耳寄り情報をキャッチし、直後にデカサバにチェンジした。そして、仕留めたのが6.9kgのモンスターサイズの超特大判ヒラメである。
早アワセ厳禁!
しっかり食い込ませてアワセのタイミングを図る
泳がせ釣りで一番やってはいけないのが「早アワセ」である。しっかりとエサを食い込ませないと、ヒラメにハリが掛からない。ライトタックルだとアタリの出方が大きくなるため、この早アワセに陥りやすい。かつては「ヒラメ40」なんて格言もあったが、アワセのタイミングは、大きく引き込まれる本アタリが出たら…である。
定番パターンとしては、まずエサが暴れて、竿先がブルブルブルと震える。これは海底付近のアジやサバの近くにヒラメがいて「ヤバイ! ヒラメだ! 逃げろ―!」の状態。次に竿先をグン、グン、グンと断片的に引き込むアタリが訪れる。ヒラメがエサに食い付いて弱らせている状態だ。その断片的なアタリのあとに、グーンと竿先が引き込まれるアタリが訪れる。エサをくわえた状態で反転して引き込んでいるのか、それとも口の中にエサ(ハリ)が入った状態で反転して引き込んでいるのか…。前者であればアワせても掛からないため、いかにして後者の本アタリまで我慢できるかが鍵となる。
本当はサメだと思った!?その心の余裕が吉と出た?
超特大判6.9kgのヒットパターンは、最近鹿島で主流となっているハリス60cm、捨て糸20cmに調整したショート仕掛に、20cm超えのデカサバを付けて投入。オモリが着底したらすぐに少し底を切って待つ。そしてその直後、いきなり竿先がグイーンと引き込まれたといった具合だった。
しばらく我慢しても本アタリが訪れず、しびれを切らしてアワセを入れると…超重量感! 最初は「根?」と思ったが、巻くとジワジワ上がってくる。魚だ!!
大型青物かと思われる暴力的な引きがあったかと思いきや、すんなり上がってくることもあった。私の中ではヒラメという確信はあまりなく、以前同エリアでシュモクザメ(ハンマーヘッドシャーク)を釣り上げていた経験から、サメという可能性が高いと思っていたのが正直なところ。これは結果論だが、サメだと思ったから余裕を持ってやりとりできたのかもしれない。
約4分間におよぶファイトの末、海面に姿を見せたのは、今まで見たことのないサイズのヒラメ。思わず「ヤバイヤバイヤバイ! デカイ!」と叫んでしまった。船長が差し出すタモに無事にネットインしたヒラメは、船上計量6.9kgというメモリアルな1尾となった。船上でガッツポーズしたことは言うまでもない。
今後のイワシの動向が気になるところではあるが、例年であれば、これからはそのイワシについた大型の渡りビラメが釣れるシーズンでもある。
数・型ともに圧倒的なポテンシャルを持つ常磐沖のヒラメ。防寒対策・船酔い対策をしっかりとしつつ、はたまたしっかりとエサをヒラメに食い込ませつつ、最高の釣趣と最高の食味を堪能してほしい。
【本編】2022年12月3日、茨城・鹿島「不動丸さん」でモンスターヒラメ釣れちゃったんだけど…。
YouTube「ジローちゃんねる」
ヒラメの最高の食味を満喫!
ヒラメはひじょうに市場価値が高く、文句なしの「高級魚」に位置づけられる。オススメの食べ方は、お刺身(+肝しょう油)、昆布締め、唐揚げ、煮付け、カルパッチョ。言わずもがな、どの食べ方も最高に美味なので、お酒の飲み過ぎには要注意!
レポーターREPORTER
東京都出身
父親の影響で3歳から陸っぱり釣りを始め、小学4年生のときに船釣りに初挑戦。その日はハゼ釣り大会だったが、ひどい船酔いで釣りにならず。ただ、最初の一投で釣れた奇跡の1匹で「ブービー賞」に輝く。幼心に“もう一生船釣りはしない“と心に決めたが、それから10数年の時を経て、運命のイタズラか「船釣り専門誌」の編集者になる。それを機に船釣りの魅力にどっぷりハマる。現在は船釣りメディアから離れ、おでかけメディアの営業マンとして従事。仕事の合間を縫って月に1~2度は船に乗り、周りの”船釣り初挑戦者“を巻き込みながら、船釣りの魅力を1人でも多くの人に知ってもらうために奮闘中。
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